NAKAHARA-LAB.net

2010.1.7 07:58/ Jun

あなたのリフレクションを促してくれるロ、ロ、ロボット!? : ロボットワークショップやります!

 自分の研究は、すでに全開である。昨日も分析、今日も分析、明日も分析。
 このところ相手にしているのが「数字」だらけである。思い通りの結果なんて、100回やって1回もでない。あっちがたてば、こっちがたたない。まるで、社会そのもののように感じてしまう。
 いつのまにか、分析結果のグラフや表をみて、「チッ」とか「チキショー」「かわいくないやつだ」「おーよしよし」とか、つぶやいている「自分」を発見する。ちょっと危なく、そして怪しい。
 でも、分析は楽しい。好きである。
 やっていると時間を忘れる。
 こういう状況を「フロー」とかいうのかな。あるいは、「Hard fun!」とかいうのかもしれない。
 ▼
 共同研究。僕は、今年、国の共同研究、産学の共同研究を含めて数本の共同研究に参加している。
 昨日は、そのうちのひとつ、国の科学研究費の共同研究の会議があった。本郷キャンパスで三宅なほみ先生の科研会議である。メンバーは三宅なほみ先生(東京大学)、白水始先生(中京大学)、大島純先生(静岡大学)と中原の4名。
 科研の研究タイトルは、なんと「人ロボット共生学」である。「人とロボットの共生による協創社会」を実現することをめざした非常に大きな額のグラントで、国内外の研究者が数多く加わっている科研である。僕は計画班A03の末席に加えてもらっている。
人ロボット共生学
http://www.irc.atr.jp/human-robot-symbiosis/
計画班A03
http://www.irc.atr.jp/human-robot-symbiosis/category/plan#a031
 科研のタイトルが、「ロボット」とはいっても、もちろん僕がロボットをつくるわけではない。「企業人材育成に資するロボットの開発と評価」という研究も不可能ではないが、もし研究するとしたら、もう少し(!?)先になるのかもしれない(笑)。
 この科研にいうと、僕の担当は、一言でいうと、「学習者のリフレクションを促すロボットのあり方」を模索することである。「ロボットを活用して学習者のリフレクションをいかに促すことができるのか」であると理解している。
 具体的には、実際に、ロボットを活用したワークショップを開発する。学習者とロボットを出会わせ、学習者のリフレクションの「聞き手」になってもらったり、「話し相手」になってもらったりする。
 そうしたプロセスの中で、学習者とロボット双方が「知的」になってくれるといいよね、ということを考えている。一言でいうと、「Robot as reflective partner」である。
robot_workshop.jpg
 このアイデア「Robot as reflective partner」はトリッキーなように聞こえるかもしれないけれど、認知科学や学習科学の歴史をふりかえると、そうトリッキーなわけではない。かつては、「Computer as a cognitive partner」と言われていたわけだから、その「Computer」が「Robot」に変わっただけである。
 こちらは2010年11月に中間評価があるので、夏8月には、実証実験(ワークショップ)を終わらせる必要がある。三宅先生の話によると、近いうちに本郷キャンパスにロボットルーム(いつでもどこでもロボットとお話しできるお部屋)ができるそうなので、最初は、そこでロボットに何ができるかを模索することになるのだと思う。
 というわけで、、、わたしに関係する方で、ロボットが好きそうだと思える方には、「ねーねーねー、今、暇? あのさー、君、前に、ロボット好きって、言ってたよね」とお声がけさせていただくかもです、、、フフフ。
 声をかけたら、ちゃんと目をあわせてお話しようね、、、石を投げないでね。
 あと、夏頃に、ロボットがうようよしているワークショップを実施しますので、もしよろしければ、ぜひ、お越しください。実験的なワークショップですので、必ずしもうまくいくとは限りませんが、絶対に面白いと思います。
 
 大学は「未来の実験場」です。
 今は当たり前になっているインターネットだって、Twitterだって、iPhoneだって、20年前は夢のまた夢でした。
 ヒューマノイド型ロボットが、「あなた」と共生する社会だって、「夢」とは限らないかもですよ。だって、「夢しか実現しないんだから」。
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働く大人の学び論・成長論
仕事の経験を積み重ね、内省する
リフレクションをアクションにつなげる
マネジャー研修で用いられているそうです
中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

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