2009.6.7 16:37/ Jun
仙台で開催された「組織学会」で、松尾先生(神戸大学)と共同研究の発表を行った。タイトルは「職場の学習風土に関する定量的研究」。ダイヤモンド社との共同研究の成果をまとめたものである。
経営系、組織系の学会(僕にとってはアウェイの学会)に参加するのは、実は、はじめての事であり、結構ドキドキしていた。今回は、ファーストの松尾先生がプレゼンを行い、二人で質疑応答を行った。
質疑応答では、金井先生(神戸大学)、平野先生(神戸大学)をはじめとして、様々な先生方から質問・コメントをいただいた。
下記、皆様からのコメント。
あと部分的に僕が思ったこと。
▼
■独立変数に投入した職場のPDCAとOJTは無相関であるとは考えにくい。つまり、PDCAが進んでいる会社は、OJTも進んでいると思われる。交互作用は検討した方がよいのでは。また、今回別の次元であつかったPDCとAの交互作用も検討した方がいいのでは。
→(中原雑感)
・重回帰分析のモデルに「PDCA」と「OJT」、
あるいは、PCAとDの交互作用項を投入し
てもよいかもしれない。
—
■今回の研究の場合、個人 – 職場 – 組織の3段階の階層がある。HLM(階層線型モデル)を検討した方がよい
→(中原雑感)
・階層線型モデルの場合、「会社」レベルの
分析は可能。ただ、「職場」レベルの場合、
何が「職場」かというのが定義が難しいた
め工夫が必要か。
職場に関しては、明確な定義を行った上で、
人事担当者を巻き込んで、ひとつずつ調
査対象職場を検討・精査した上で、質問
紙調査を実施する必要があるかも。
—
■OJTに関する項目(上司の「教える」「任せる」)が職場学習に関する影響をさらに検討するべきではないだろうか
→(中原雑感)
OJTに関する項目に関して、今回の調査では
職場学習には影響を与えていなかった。
しかし、現在、中原が執筆している論文では
個人学習に対する寄与は認められている。
今後の課題は、OJTに関する項目、職場学習
、個人学習の3つの関係を見ていくことかも。
—
■なぜ職場学習の調査を若手に絞るのか。職場における人々の認知は、年齢の影響を受けるので、すべての人をとるべきではなかった
—
■「組織における経験年数」を統制変数に入れた方がよいのではないか?
—
■質問は「個人の認知」を問うたのか? それとも、「個人が認知している集団に共有されている規範」を問うたのか?
—
■職場学習の業績に対する寄与は、検証するのか? どのようにすればいいのか?
▼
ふぅ。
お恥ずかしい限りであるが、僕にとっては、今回の学会参加は、なぜかドキドキした。いやはや「アウェイ」は緊張する(笑)。しょーもない回答をしていたかもしれないですが、許してください。また修行してきます。
最後に。
まさに正統的周辺参加ともいえる今回の学会は、松尾先生という素晴らしいナヴィゲータのおかげで、よい経験を積むことができました。何となく雰囲気はわかりました。あと、教育系の学会との違いも、何となくわかった。ありがとうございました。
また、今回の共同研究の機会をいただいたダイヤモンド社の永田さん、浅井さんには、心より感謝します。
ありがとうございました。
今回は、かなり無理をしてきたけど、きてよかった。
さ、東京に帰ろ。
TAKUZOが待っている。
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