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2024.7.9 08:06/ Jun

「ファスト化」する組織開発!? :組織開発は「カオナシ」になってはいけない!?

 先だって、立教大学に有志が集まり、組織開発のハンドブックを読む読書会を開催していただきました。
  

  
 企画者となった、齊藤光弘さん、関根雅泰さん、幹事を引き受けていただいた竹内利英さん、準備をサポートいただきました茂木さん、ご参加いただいたみなさまには、この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
   
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 さて、この読書会で読まれたのは近年の組織開発の動向などを雑多に集め、まとめたハンドブックでした。良くも悪くも雑多な内容でしたが、「組織開発の現在」、ないしは、「組織開発がもともと持っている脆弱性」を感じる意味では、非常に勉強になりました。
   
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 本書を読んだ感想を端的に申せば、今現在、日々進展し、変化する「組織開発」は
  
・組織を「開発」するよりも「変革」するアプローチの勢いがましている
  
・組織開発における「対話」にあまり注目があたらなくなっている
  
・対話型組織開発はほぼ論じられず、サーベイフィードバック型組織開発の勢いがましている
  
・組織開発がもともと有していた「民主的な場」を保つといった価値観は、あまり論じられなくなっている

  
 といえるかもしれません。こうした内容は、この本だけのことかもしれません。が、海外から噂に伝え聞く限りでは、こうした動向は、この本の内容だけに限られるとは言えないようです。
   
 こうした一連の「組織開発の変化」を齊藤光弘さんは
   
 組織開発の「ファスト化」が進んでいる
   
 と呼びましたが、これは非常に言い得て妙だと思いました。
  
 別の言葉でいえば、
   
 2010年ー2020年代の「第二次組織開発ブーム」が終わりを迎え(ブームとしては終わり)、ある程度、組織開発が普及していくなかで、「組織開発とは呼ばない代物」に「組織開発」のラベルが打たれるようになってきている
    
 ということなのかもしれません。
   
 ちなみに、これは組織開発が背負っている十字架のようなものなのです。
 もともと組織開発は、その生まれからして、「組織開発とは何であって、何でないのか」という定義が緩い(このあたりは「組織開発の探究」でこってり論じています)という脆弱性をもっています。
   
 この脆弱性ゆえに、組織開発は普及すれば、容易に膨張し、拡大し、「組織開発とは呼べない代物」をすぐに飲み込んでしまうのです。
 そして「そもそも組織開発とは何だったのか?」というルーツやアイデンティティを見失ってしまう、という弱さがありました。
   
 ちなみに「組織開発のファスト化」は、今に始まったわけではありません。1980年代にも同じようなことが起こり、組織開発は、一時期、別の名前で呼ばれるようになりました。
   
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 組織開発は、2010年ー2020年代に「第二次組織開発ブーム」を迎えました。
 そして、ここからが正念場なのかもしれません。
  
 HRテックの普及とともに、組織開発のツールは世の中にあふれています。
 また、組織開発の看板を掲げるベンダーも増えてきました。
 企業には組織開発部署が立ち上げられたところも少なくありません。
   
 つまり、組織開発が、いわば「カオナシが人間や食べ物を飲み込む」がごとく、膨張し、カオを失っていく兆候は、もうそろっているのです。量的拡大にあわせ、さらに「質の高い組織開発」を提供できる人材・基盤をただちに用意する必要があります。
   
 さらには組織開発は様々な難問も抱えています(人材開発もですが)。
   
 ・AI時代に、組織開発は、どのようにして経営・現場への貢献を行うのか?
  
 ・在宅が普及するなかで、組織開発は、どのようにして経営・現場への貢献を行うのか?
  
 ・人口減少のまっただ中で労働力を確保するために
  組織開発は、どのようにして経営・現場への貢献を行うのか?

  
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 もう一度、ゼロから学び直す必要があるな。
    
 研究会ではラップアップを仰せつかりましたが、ラップアップのプレゼンをつくりながら、そんなことを考えていました。立教大学大学院LDCコースは、こうした動向に対して、どのようにカリキュラム・システムを変えていく必要があるのか(変えなくてもよいところは何なのか?)。なかなかにハードな問いです。もう少し考えようと思います。
 
 そして人生はつづく
         
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 同書の内容をサクっと学べる動画も公開されています。どうぞご笑覧くださいませ!
     
■仲が良くても心理的安全性が低い残念な理由【中原淳 立教大学経営学部教授】
   

    
■“残念な話し合い”5つの病【中原淳 立教大学経営学部教授】
   

  
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■立教大学大学院・採用情報発信サイト■
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【立教大学大学院で大学院生として学びませんか?】
 授業は「フルオンライン」。授業は金曜日夜と土曜日だけ行われており、2年間で、修士(経営学)が取得できます。来年1月に願書提出、2月に入試が予定されています。
    
 在学生などの声、リーダーシップ開発コースでの授業の様子について知りたい方は、ぜひ、下記のニュース欄をお読みくださいませ!
     
ひとづくり・組織づくりの大学院での「学び」とは?
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/
           
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【アンコンシャスバイアス研修・内製化ツールキット開発!】
武蔵野大学・島田徳子先生、ダイヤモンド社の皆さん(広瀬一輝さん、永田正樹さん)との数年にわたる共同研究と、NPO法人日本ブラインドサッカー協会との連携で、スマホで手軽に受検できる「アンコンシャスバイアス測定テスト」と、内製化研修(プレゼンキット)を開発しました!。この問題は、学術的な背景などは、わたしどもが、テスト結果に基づき動画像(ビデオ)で解説させていただきます。ご利用くださいませ! ご自身の組織にもっともフィットしたアンコンシャスバイアス研修をつくることができます。どうぞご利用くださいませ!
      
  
■アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のWebページはこちら!■
https://jinzai.diamond.ne.jp/ub/unconscious-bias/
      
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新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください! 
       
「チームワーキング研修版」リリースされました!
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/
   
「チームワーキング」が「アセスメントを絡めた管理職研修」として利用されております。モニター利用各社の人事担当者の皆様、開発担当者の堀尾さんと、座談会をさせていただきました。ぜひご覧くださいませ!
   
チームワーキング座談会
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/case/index.html 
  
 書籍「チームワーキング」の方も、おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。
     
    
 
https://amzn.to/3esCOrW
         
すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!            
    
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 職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
   

職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発) 
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
   
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【好評発売中】1on1のコツをまとめた映像教材を、中原とPHPさんで共同開発しました。上司用、部下用あります。1on1について「同じイメージ」をもつことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
     
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
  
経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061   
  
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【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます! 
     
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
   
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
  
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【泣くな!新米管理職!】
  
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「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
          
OJT指導員向け・短時間&動画で学べる 部下育成スキルの動画もございます。中原が新人育成のポイントについて解説しています!
   
短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/000HD6260/

    
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新刊「研修評価の教科書」好評発売中です。アカデミックな知見に根ざしつつも、実際の企業のなかで実践可能な研修評価とは、いかにあるべきか。「企業における」研修評価のあり方を論じた本です。質問事例などのワークシートなどもついております。3つの企業事例も含まれています。どうぞご笑覧くださいませ。
   

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新刊「M&A後の組織・職場づくり入門」発売中です。AMAZON「企業再生」カテゴリー1位を記録しました(感謝です!)。
  
これまで税務・法律の観点からしか語られなかった「企業合併(M&A)」の問題に対して、ひとと組織(人材開発・組織開発)の観点からアプローチし、シナジーを生み出す可能性を考えます。
  
M&Aという「巻き込まれ事故」に関わってしまった経営企画・人事・現場の管理者・リーダーの皆様にぜひお読み意いただきたい一冊です!
  

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拙著「経営学習論」の増補改訂版が、東京大学出版会より刊行されました。新たに「リーダーシップ開発」の章を追加し、カバーの装いも変わっています。人材開発の基礎的な理論を体系的に学べる一冊です。どうぞご高覧くださいませ!
        

    
   

      
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「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
    

     
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「中小企業の人材開発」(中原淳・保田江美著、東京大学出版会、2021年)マニアックなガチ・学術研究書なのですが、発売10日で重版出来となりました。ありがとうございます。中小企業の人材開発メカニズムに接近を試みています。どうかご笑覧くださいませ!
   

      
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約42000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
   
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