2024.6.11 08:32/ Jun
「いいからやれ、オレの言うとおりに、すぐにやれ、つべこべ言わず、黙ってやれ」マネジメントを変えるためには?
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わたしも教鞭をとっている立教大学大学院 LDCコースでは、
1.大学院生が自らクライアント組織と契約(NDAも結ぶ)し
2.クライアント組織の組織状況を調査したうえで
3.クライアントにもっともフィットした人材開発・組織開発を実施し
4.その効果性を評価する
というプロジェクト学習を修士論文に代行するものとして、学生の皆さんに取り組んでいただきます。二学年にわたり、様々なクライアント組織の状況が、1on1やカンファレンスで議論されるので、さしずめ、わたしどもの大学院は
人材開発・組織開発の課題の「総合デパート」
のような状態になります。
ここに「ないものは、ない」です、笑。
この大学院で取り上げられない人材課題・組織課題は「ない」と言い切れるくらいに、日本全国の人材・組織課題が常に取り上げられ、アップデートされていきます。
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そのなかでも、もっとも多い課題のひとつにあげられるのは、
中間管理職のマネジメント
に関する課題です。
この課題にも様々なものがございますが、最も多いケースのひとつは、
「いいからやれ、オレの言うとおりに、すぐにやれ、つべこべ言わず、黙ってやれ」マネジメントからの脱却
です。
言葉をかえれば、
・北斗の拳の「ラオウ」みたいなマネジャーからの脱却??
・ ゴリラマネジャーからの脱皮?
・オラオラマネジメントからの邂逅?
とも言えるのかもしれません。もう何言っているんだか、わかりません。
しかし、こういう事例を見たり聞いたりするたびに、「はぁ、いまだにパワハラまがいのマネジメントをやっているひと」が、この日本には「いる」のだ・・・と目が遠くなります。
しかし、実際には「たんまり、たんまり、いる」のだから仕方がありません。この日本は、マクロでみれば「全然、ゆるくなっていません」。ハラスメント認知も、増え続けています。管理職が優しくスマートになったのは、本当に恵まれている、一部の大企業のお話しか、と思います。
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たいていの場合、こうしたオラオラマネジメントの「爆誕」と、そのつまづきの「プロセス」には、いくつか要因があります。
第一に、その本人も、その上から「さらにオラオラのプレッシャー」をかけられている場合がほとんどです。オラオラが「さらなるオラオラ」を呼び込みます。オラオラマネジメントは「遺伝」するのです。
第二に、本人は、かつての上長から「オラオラマネジメント」で「育てられている」ために、それ以外のマネジメントスタイルを知りません。だから口を開けば「オラオラ」しかできないのです。それ以外の「言葉」を知らないのですから。つまり、マネジメントを行うための「ボキャブラリーが貧困(ボキャ貧)」なのです。かくして、ミーティングは機能しない。ミーティング開いても、誰も何もしゃべらない。1on1なんてあるわけない。口を開けば、叱責、説教、指示、命令、という状況が続きます。
第三に、冷静に冷静に、組織状況を調査してみると、「オラオラマネジメント」の成果はでていません。むしろ「それ以前」の問題が多々生じていることがほとんどです。
たとえば5人採用したひとのうち4人がメンタル、ないしは離職などという風に、「ひとを採用しても、辞めること」が続いているケースがほとんどです。
冷静に冷静に考えれば、上からかけられている「成果達成」など、絶対に無理な状況が生まれているのです。冷静に考えて「これ、無理じゃない。このひと、このままだと、オラオラ言いながら、辞めることになるよ」という状態が周りからは見えています。
第四に、それでも、本人は気づきません。誰もフィードバックはしないのだからアタリマエです。さすがにうまくいっていないことは、本人はわかっています。しかし、その責任の所在を、すべて「自分以外の他者・環境」のせいにします。
「成果が出ないのは、メンバーが、やる気をもたないからだ」
「成果が出ないのは、あいつの能力が低いからだ」
自分の「否」は一切認めません。あくまで他者が悪い。自分は悪くない。否認の一点張りです。
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もう、こうなってくると、研修などの方法では、いかんともしがたい状況です。依存症治療で言われるような「底付き経験」を待つほかは、ないかもしれません。
底付き経験とは、自分の責任を「否認」してきたひとが、耐えがたい現実・経験への直面を通じて、自らが変化することを「受け入れざるをえなくなる」ことをいいます。
たとえば、5億達成しなければならない売り上げの半分も達成できない、とか。マネジャーからの降格予告をされてしまう、とか。メンバーがメンタルダウンして、一時期、事業が回らなくなる、とか。ハラスメントで訴えられる、とか、そういうことです。
こうした「にっちも、さっちもいかない耐えがたい現実・経験への直面」を通してしか、ひとは変わらないのだとしたら、それはそれで残念なことです。
しかし「底付き経験」まで突入してしまうと、そこから外部が介入して「底上げ」していくのは、本当に大変なことです。大人の学びは「痛み」を伴うこともございますが、その「痛み」はかなり激しいものになります。
ですから「底付き経験」に至る前に、本人には、気づかせてやる機会が必要なのですが・・・。
わたしは、もし介入するならば、「管理職になる直前」と「管理職になった直後」に360度評価やコーチングの機会を提供するなどして、できるだけ「早期に介入すること」が一番効果が高い、と思います。ただ、現実はそうなっていません。オラオラマネジメントは、広い日本に「たんまり、たんまり、いる」のですから。
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今日はマネジメントスタイルの変化と「底付き経験」について書きました。
あなたの周りには、オラオラマネジメントが蔓延っていませんか?
あなたの周りには「底付き経験」寸前のマネジャーがいませんか?
そして人生はつづく
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同書の内容をサクっと学べる動画も公開されています。どうぞご笑覧くださいませ!
■仲が良くても心理的安全性が低い残念な理由【中原淳 立教大学経営学部教授】
■“残念な話し合い”5つの病【中原淳 立教大学経営学部教授】
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立教大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 リーダーシップ開発コース(以下、LDC)では、経営学を基盤にしながら、次世代のリーダーシップ開発(人材開発・組織開発)を企業・組織で推進することのできる高度プロフェッショナル人材を育成しています。
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在学生などの声、リーダーシップ開発コースでの授業の様子について知りたい方は、ぜひ、下記のニュース欄をお読みくださいませ!
ひとづくり・組織づくりの大学院での「学び」とは?
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/
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■アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のWebページはこちら!■
https://jinzai.diamond.ne.jp/ub/unconscious-bias/
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新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください!
「チームワーキング研修版」リリースされました!
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/
「チームワーキング」が「アセスメントを絡めた管理職研修」として利用されております。モニター利用各社の人事担当者の皆様、開発担当者の堀尾さんと、座談会をさせていただきました。ぜひご覧くださいませ!
チームワーキング座談会
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/case/index.html
書籍「チームワーキング」の方も、おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。
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すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!
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職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発)
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
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【好評発売中】1on1のコツをまとめた映像教材を、中原とPHPさんで共同開発しました。上司用、部下用あります。1on1について「同じイメージ」をもつことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
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【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます!
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
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新刊「フィードバック入門:耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」絶賛発売中、13刷重版出来です!。AMAZON総合13位、1位(マネジメント・人材管理カテゴリー、リーダーシップカテゴリー)を記録!年上の部下、若手のトンガリボーイ、トンガリガール。職場には、多様な人々が集っています。難易度の高い部下育成に悩む管理職向けの新書です。どうぞご笑覧くださいませ。スピンアウト企画にDVD教材「フィードバック入門」、研修、通信教育もあります。こちらもどうぞご笑覧ください。
『フィードバック入門』スピンアウト企画
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
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【泣くな!新米管理職!】
おかげさまで10刷重版出来。「駆け出しマネジャーの成長論」は、「実務担当者」から「新任管理職」への役割移行をいかに進めるかを論じた本です。「脱線」をふせぎ、成果をだすためには「7つの課題」への挑戦が必要であることを解説しています!全国の管理職研修で用いられています。どうぞご笑覧くださいませ!
パーソル総合研究所と中原は、このテキストをもとにした「マネジャーになる研修」を開発しました。種部吉泰さんとディスカッションは、非常に楽しいものでした。このコースについても、どうぞご覧くださいませ!
「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/become-a-manager.html
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
「新人研修をアップデートするための5つのコンセプト」に基づいて開発された、中原が監修をつとめる新人研修プログラムです。全4回にわたって実施する「オンライン研修」と「現場での実践&振り返り」を往還することによって、新人期に直面する壁を乗り越え、トランジションを果たせるよう手厚くサポートできるようになっています。経験学習を習慣化するほか、ストレスマネジメント、フィードバック、ジョブクラフティングなどについて学ぶことができます。
Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
OJT指導員向け・短時間&動画で学べる 部下育成スキルの動画もございます。中原が新人育成のポイントについて解説しています!
短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/000HD6260/
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新刊「研修評価の教科書」好評発売中です。アカデミックな知見に根ざしつつも、実際の企業のなかで実践可能な研修評価とは、いかにあるべきか。「企業における」研修評価のあり方を論じた本です。質問事例などのワークシートなどもついております。3つの企業事例も含まれています。どうぞご笑覧くださいませ。
新刊「研修評価の教科書:数字と物語で経営・現場を変える」
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新刊「M&A後の組織・職場づくり入門」発売中です。AMAZON「企業再生」カテゴリー1位を記録しました(感謝です!)。
これまで税務・法律の観点からしか語られなかった「企業合併(M&A)」の問題に対して、ひとと組織(人材開発・組織開発)の観点からアプローチし、シナジーを生み出す可能性を考えます。
M&Aという「巻き込まれ事故」に関わってしまった経営企画・人事・現場の管理者・リーダーの皆様にぜひお読み意いただきたい一冊です!
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拙著「経営学習論」の増補改訂版が、東京大学出版会より刊行されました。新たに「リーダーシップ開発」の章を追加し、カバーの装いも変わっています。人材開発の基礎的な理論を体系的に学べる一冊です。どうぞご高覧くださいませ!
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「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
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「中小企業の人材開発」(中原淳・保田江美著、東京大学出版会、2021年)マニアックなガチ・学術研究書なのですが、発売10日で重版出来となりました。ありがとうございます。中小企業の人材開発メカニズムに接近を試みています。どうかご笑覧くださいませ!
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【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約41000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
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