2024.5.17 08:34/ Jun
あなたの組織には「DE&I(多様性・公正・インクルージョン)」を阻む「3つの壁」が存在していませんか?
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仕事柄、さまざまな組織でDE&I(Diversity, Equity and Inclusion : ダイバーシティ・公正・多様性促進の文化づくり)の推進などのお手伝いをしてきました(今は、新規では、お引き受けしていません)。
DE&I(Diversity, Equity and Inclusion)には、さまざまな定義がありますが、要するに、
1.ひとりひとりの多様であること(D)
2.ひとりひとりに公正に活躍の機会が与えられること(E)
3.ひとりひとりが職場のなかで受け入れ、活躍できること(I)
ということかな、と思います。
まぁ、これで「アタリマエ」といえば「アタリマエ」のことです。
しかし、世の中というものは「アタリマエのこと」が、全然、「アタリマエ」に進みません。
「アタリマエに、もうすでに、実現できてね?」と思っている方がいたとしたら、それは、すこし自分以外の他者が見えていないのかもしれません。あなたが「圧倒的マジョリティ(多数派)」か、あるいは「圧倒的成功者」であるがゆえに、自分以外のマイノリティが見えていないのです。
「アタリマエのこと」が「アタリマエ」になっていないのが「世の中」
悲しいかな、そういうものでございます。
だから世の中は変えていかなくてはなりません
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個人的には、組織においてDE&Iを推進していくという場合には下記のような「3つの壁」があるように思います。
1.理解度向上の壁
2.行動変容の壁
3.継続とインパクトの壁
の3点です。
今日は、これを論じていきましょう。
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1.理解度向上の壁というものは、そのものずばりです。
DE&Iを進めるに当たり、
・Why DE&I?(なんで、DE&Iするのか?)
・Why now?(このクソ忙しいのに、なぜ、いまなのか?)
・Why us(なぜ、わたしたちなのか?)
・What’s merit?(なんのメリットがあるのか?)
の4点セットの知識とマインドセットがそろう必要があります。
しかし、言うのは簡単ですが、これがなかなか大変です。
特に「組織のなかで成功してきた、成功者は、DE&Iを理解できません」。なぜなら彼らは「圧倒的マイノリティ」の立場に自分自身が置かれたことが一度もないからです。
彼らには「お説教」しても意味がありません。彼らがわかりやすいかたちで「お金の言葉」「経営の言葉」で、DE&Iを説得する必要があります。
DE&Iに対応しなければ、組織的にはメリットが生まれない
ないしは
DE&Iに対応しなければ、組織にデメリットが生まれること
を数字で説明するのが一番だとわたしは思います。
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DE&Iの2つめの壁は「行動変容の壁」です。
行動変容の壁とは「自分の職場の、半径3メートルの範囲内でよいので、DE&Iの考え方に基づいて、できることをともにクイックに成し遂げる」ということです。
DE&Iは「行動」できてナンボです
行動が変わらなければ、成果は出ません。
どんなに小さな事でもよいので、自分の仕事に紐付けて、仕事のなかでDE&Iを体現することが重要です。
DE&Iの小さな実践者になる
のです。
行動が生まれれば、プチ成果が生まれます。
プチ成果は、さらなる成果を生み出します。
DE&Iに、ただちに成果を生み出す「魔法の粉」はありません。
地道に地道に実践していくほかはないのです。
それは「漢方薬を飲んで体質改善」をはかるようなものです。
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DE&Iの3つめの壁は「超継続とインパクトの壁」です。
端的に申し上げますと、
1.DE&Iは「超継続」が重要であるということ
さらには
2.DE&Iの「その先」にどのような「インパクト(成果)」を望むのかを、そろそろ目線あわせしなければならないですよ
ということです。
経営の目からすれば、DE&Iは「手段」です。DE&Iという「手段」の「その先」に、組織として何を実現するのかを自己定義しておかなくてはなりません。
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といいますのは、経験上、
DE&Iを推進いたしますと、 必ず、もれなく、誰かが「白け」ます
たとえば、女性活躍推進のプロジェクトを行えば「ひそかに下駄をはきまくって成果を生み出してきた男性が、女性ばっかり、ズルイ」と言い出します。子育て支援のプロジェクトを行えば、子どもをもたないひとが「白け」ます。そういうものです。組織のなかでは、今日も順調に「白け」が生まれます。
DE&Iの推進は、この「白け」との闘いです。
白けに負けず、超継続です。
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またDE&Iは、なかなか成果が出ません。こんなとき、
必ず、もれなく、誰かが「これって無駄じゃないですか」と口にします。順調に「口にします」だから、焦ってはいけません。「あーきたか」と思わなくてはなりません。
そんなときこそ「DE&Iは超継続」です。成果が目に見えてでてくるまでには、5年はかかります。
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そして成功したらしたで、ややこしいのがDE&Iです。DE&Iとは、結局、「ひとりひとり」にスポットライトをあてる施策です。そうすれば、今までだったら封殺できていた個々人の意見や考えというものが、多様性と包摂性が組織内で高まったがゆえに、封殺できなくなります。
つまり、DE&Iが成功すればするほど、誰かが「異論」を出してきます。
そのときに重要になるのが、組織がDE&Iを通して「何を達成するか」のイメージです。異論はしかとうけとめつつ、このブレない軸を持つ必要があります。
「どんなに小さなことでもいいから行動変容しよう」の2つめの壁のメッセージングは、2つめの壁の段階では重要です。しかし、そのままでは「みんな違って、みんないい」の相対主義に陥ります。だから「異論」が噴出するのです「みんな違って、みんないい」は、一見、よいことのように思いますが、別の見方をすれば、バラバラです。スケールメリット、シナジーが生まれません。ですので、3目の壁の段階では「組織のなかで、ひとりひとりが、ともにあるために、何をともに目指すのか」を決めなくてはなりません。
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今日はDE&Iのお話しをしました。
あなたの組織には「DE&I(多様性・公正・インクルージョン)」を阻む「3つの壁」が存在していませんか?
そして人生はつづく
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約41000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
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