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2024.4.24 08:22/ Jun

褒め方ひとつ間違えると「怯える、いい子」を量産してしまうメカニズムとは何か?

褒め方ひとつ間違えると「怯える、いい子」を量産してしまうメカニズムとは何か?
    
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 仕事柄、さまざまな学生・社会人の方々にフィードバックをさせていただきます。仕事ですので、「耳の痛いこと」も、もちろん申し上げます。
 が、それよりもさらに気を遣うのは「ポジティブなことをフィードバックするとき」、俗にいいますと、「褒めるとき」です。褒めることは、難しい。
   
 端的に申し上げますと「褒めるとき」は、ひとつ間違えると「怯える、いい子」を生み出してしまいかねません。この子は、いったん生み出してしまいますと「こじれている」部分だけ、かなり対応が困難です。
  
 わたしが「怯える、いい子」というのは、
  
 ・努力を続けて
 ・成果を残す「いい子」

   
  なのだけれども
  
 ・実は、失敗することに怯え
 ・親や先生を失望させることを恐れている子

   
 のことをいいます。
  
 意外に多いです。
  
 彼らが「生み出されてしまう機序」には様々なものがあります。しかし、「怯える、いい子」は「褒め方」を間違ってしまったために生まれているのもまた事実なのです。だから、褒めることは難しい、と申し上げました。今日の話は、徹頭徹尾、自戒を込めて申し上げます。
    
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 いにしえの理論ですが、フィードバックには2つの種類があります
   
 1.情報フィードバック
 2.評価フィードバック

   
 1の情報フィードバックとは、端的にいえば「具体的な情報」を相手にかえすこと(フィードバックすること)です。例えば、
   
 1)いつ、どんな状況で(Situation : S)
 2)あなたが、どんな行動、どんな発話をしたことが(Behavior : B)
 3)どんなふうによかったよ(Impact : I)

    
 といった具合に、冷静に相手の行動を見つめ、その情報を、相手に返してあげることです。
 俗には「S(状況)ーB(行動)ーI(インパクト)」の3点セットを相手に返してあげるとよい、といったことが言われます。これは「SBI情報」と言われたりします。
     
 情報フィードバックは、どこか冷静で、緻密な感じがします。
 しかし、それをきいたひとは、具体的に「どのような行動」をとればいいのか、なぜ、それがいいのかを学べます。これを「正の強化」といったりします。
     
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 一方、これに対して2の「評価フィードバック」というものがございます。
 評価フィードバックは、情報フィードバックよりはずっと「温情的」です。
こちらでは、具体的に「SBI情報」などを緻密に、具体的にかえすよりも、むしろ「自分が相手のことをどのように評価したのか」を伝えます。極端に書くと、こんな感じです(りょうと、みらいは、昨日、大学でたまたまあった中原ゼミの2年生です)。
    
「りょう、めっちゃ、いいじゃん。さすが、りょうだよな。つぎも頑張ってな」
     
「みらい、控えめにいって最高だ。みらいだからこそ、これができたんだ。次もめっちゃ期待しているよ」

  
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 ここで注意したいのは、この先生は「よかれ」と思ってポジティブなフィードバックをかけています。「自分が、相手の行動を、どのように評価したのか」、そのことを評価フィードバックしている。ひとりひとりに声をかけて「よかれ」と思って勇気づけている。
     
 でも、どうでしょうか。もちろん、これが奏功する場合もあるでしょう。
 しかし、こちらのフィードバックの場合、言われたひとのなかには、「こう思う」ひともいるはずです。
    
「え、何を褒められてるんだろう・・・。でも、褒めてくれているのは間違いないよな。先生を失望させちゃうから、次は、絶対に失敗できない。失敗したら、ダメなやつって思われるかも」
    
「先生、期待してくれてる。なんとかして、次も、先生の期待に応えなきゃ。いい子でいなきゃ」
   
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 はい、これで
   
「怯える、いい子」の「いっちょあがり」です。
  
「怯える、いい子」とは
   
 ・努力を続けて
 ・成果を残す「いい子」
   
  なのだけれども
  
 ・実は、失敗することに怯え
 ・親や先生を失望させることを恐れている子
  
 でしたね。
  
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 今日は「褒め方」について、古典的理論を思い出しながら、書きました。
   
 正直に申しますと、わたしは、今日のブログは、自分で書いていて「痛み」を感じていました。
  
 己が痛い、己の行動が痛いのです。
   
 わたしも気をつけてはいますが、ときに「変な褒め方」をしてしまうときがあります。「Knowing-Doing Gap(知っていることと、行動することのあいだのチグハグ)」があるのですね。また、これまでの自分の教育で「怯える、いい子」を生み出してしまったのではないか、と考えられるシーンを、何度も目撃しました。「よかれ」と思って言った一言が、他人を苦しめていたことも多々あると思います。本当にごめんなさい。
  
 嗚呼、褒めることは難しい
  
 というよりも
  
 ひとに接する仕事は「難しい」です
  
 だから
  
 ひとに接する仕事は「面白い」
  
 とも言えるのですが・・・
  
 そして人生はつづく
    
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チームワーキング座談会
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