2008.5.24 06:17/ Jun
先日、中国のIT企業を視察なさった方が来研しました。中国の人材育成について様々な話を伺わせていただいたのですけれど、その中で特に印象深かった話が、「日本ではなく、中国で働くことを選ぶ日本人」という話題でした。
曰く、
「日本企業で働くという選択肢を敢えてとらず、中国企業、あるいは、欧米企業の中国オフィスで働く日本人が、最近、でてきています。
今の中国では、頑張りと能力さえあれば、日本ではありえないスピードで、2つも3つもランクをとびこえて出世ができます。やる気や能力があっても、なかなか報われない日本企業と違って、結果はすぐに示されます。
また、中国で働いたという経験は、今後の自分のキャリアにとって、マイナスになることはありません。
だから、月給でわずか8万円そこそこの金額であっても、日本ではなく、中国で働きたいという人がいるのです。
月給8万円は日本人の感覚からすれば安いですが、中国の一般の人の月給から考えると、4倍程度。生活に困ることはありません」
ICレコーダで録音していたわけではないので、一字一句同じではないですが、このようなご趣旨のお話でした。とても印象的でした。
僕は中国の労働状況に関してはほとんど知りませんし、かの国のIT人材育成の現状も知りません。もちろん、この話がどの程度一般性があるのか、もわかりません。ですが、何となく・・・「さもありなん」という気がしたのですね。
そういえば、少し前になりますが、ある大学の助教さんと雑談していたとき、こんなことを言われて、ギョッとしたのを覚えています。
「わたしは、自分の20年後を考えると、どうしても、日本人の学生相手に講義をしている気がしないんです。だから中国語の勉強をはじめました。
わたしがいるところは、もしかすると、中国かもしれない。あるいは、来日した中国の方に教える立場になっているかもしれない。根拠は?と聞かれると、明確なものはありません。でも、何となくそんな気がしているのです」
—
20年後、僕は、何をしているのだろう。「誰」を相手に仕事をしているのだろう。少し考えさせられました。
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