2024.2.7 08:23/ Jun
「女性活躍推進って、あのブームも、短かったですね。ぱっと現れて、ぱっと消えちゃった。また次のブームが来ますからね、人事業界には。次のブームは何かな?」
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ちょっと前のことになりますが、個人的には、ある人事責任者の発した冒頭の発言が「2023年、違和感を感じた瞬間オブザイヤー」でした(笑)。おそらく、僕が、そういうモヤモヤをもった理由は下記のとおりです。
1.人事を「ブーム」としてとらえる、というその発想
2.この国では、ジェンダー平等はほとんど解決していないのに、それを「消えた」と考える、その発想
3.人事業界は、常に「次から次からやってくるブーム」を追っていけばいい、というその発想
わたしは、個人的には、こうした「発想」についていけません。
もちろん、その人事責任者の方が、大人なのですから、どういう思考をなさろうが、お好きになさっていただいて結構です。ただ、わたしは、その会社の従業員にはなりたくはありません。
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アタリマエダのクラッカーですが、
よき人事施策は「ブームを後追いすること」で生まれるのではありません
よき人事施策は、経営と現場の丁寧な聞き取りによるデータに裏打ちされていなければなりません
よき人事施策は「ブーム」に答えるものではなく、現場と経営にインパクトを与えるものです。
「人事施策をブームとしてとらえる貧困な発想」は、このもっとも基本的な「人材開発・組織開発の課題解決の基礎」を見失います。
とりわけ、冒頭の女性活躍推進などは、絶対に「ブーム」と呼んではいけないものです。組織のなかに「ジェンダーの課題」がなくなっているなら辞めてもよいですが、そんな組織は「数えるほど」です。
日本の企業は、まだまだ男性中心。週末あたりの頭の中はゴルフのことで埋め尽くされているひとが権力を握ることの多い、ジェンダーバイアスにまみれた組織です。冒頭のご発言のお会社さんも「北斗の拳のラオウ」のような権力者が跳梁跋扈して、ブイブイ働いておられます。
つまり
本来、女性活躍推進は「ブーム」にしてはならないものです。
ジェンダー平等は「継続して取り組む、この国の課題」
なのですから。
女性活躍推進を「ブーム」と呼んですらいけません。むしろ「半永久的な国の課題」です。
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わたしが、人材の業界で研究を進めて四半世紀が立ちました。思えばあっという間の25年です。
この四半世紀、口にすることさえもはばかられる、たくさんのブームが、人材業界を翻弄しました。もうそろそろ「ブーム思考」を止めた方がいいのではないでしょうか。
また「洋物崇拝」もそろそろ辞めた方がいいのではないでしょうか。「アメリカのHR業界では、これが流行っているから・・・・日本も、ほにゃららすべし」的な「洋物思考」も、そろそろ辞めた方がいいのではないでしょうか。
(個人的には、今のアメリカの制度やあり方を一方向的に崇拝する、その思考も、かなりビジネスパーソンとしては危険だな、と思います)
過去にもたくさんの一過性のブームがありました。
いっときますけど、ブームの去ったあとには「ぺんぺん草すらはえていません」よ。
ちなみに、
ブームによって「課題解決ができたから」、ブームが去ったのではありません
ブームが去ったのは、そのブームに「飽きた」からです。
そのブームは「語り尽くされた」から、誰も見向きもしなくなったのです。
つまり、ブームは語り尽くされ、消費されます。その間、無駄金が投資されます。
ブームに対応する無駄金があるくらいなら、従業員の給与をあげましょう。
そして人生はつづく
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