2022.12.5 08:23/ Jun
「仕事での成長」の意味が、そもそもズレて、よじれて、途中で枯れてる!?
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最近、様々な場所で、若手育成の話を聞くにつけ、感じることのひとつに
「仕事での成長」という言葉のもつ意味合いが、若手(Z世代)と会社(人事)でズレている
ということをがあります。
若い世代は「仕事の成長」という言葉を
「この会社で通用する知識・技能を獲得することではなく、生涯、どこでも通用して、食いっぱぐれない、付加価値の高い人材になること」
と考えています。
ここでのポイントは「仕事の成長=この会社に限られない=どこでもで通用する・付加価値が高いもの」です。
対して、企業は、これとは異なります。
企業の目線からすれば「仕事の成長」とは
「まずは、この会社での仕事を回すための知識・技能を学ばせること=早期に定着させ、成果創出に向かわせること」
と考えています。
こういう二人が、この問題について向き合うことなく、OJTや育成をしているので、時に話がかみあいません。
せんだっては、ある若手の方から、こんな話を伺いました。
「うちの会社のOJTは、役に立たない。ここで、こんなことを学んでいても、将来の成長にはつながらない。どこでもやっていけるものを学びたい」
なかなか香ばしい。
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ポイントは、「仕事の成長」を実際にうながす「前」だと思います。なにせ、そこから「掛け違えている」ので(笑)。
1.「仕事の成長」とは何か?
2.「仕事の成長」とはどのように遂げるものなのか?
について会社の考え方を示し、それに関して、研修をはじめ、現場で対話をし続けることしかない、と思います。すなわち、
3.常に「自分の現在地」と「向かう方向」を確認させる
ほかはないのです。
わたしは、下記の2つの意見は、決して矛盾しないのだと思います。
1.企業側の意見
「まずは、この会社での仕事を回すための知識・技能を学ばせること=まずは、早期に定着させ、成果創出に向かわせること」
2.若手の意見
「この会社で通用する知識・技能を獲得することではなく、生涯、どこでも通用して、食いっぱぐれない、付加価値の高い人材になること」
ただ、おそらくは、経験の浅いひとびとは、これを「トレードオフ(二律背反)」のものと考えている。しかし「早期に定着して成果が出せない」ような人間が「生涯どこでも通用する」ようにはならないのです。
どういう順番で、何を学び、どうなっていきたいのかを、常に対話の中から見いだしていく必要があります。言うのは簡単、骨がおれて、大変なことなのですが、、、ここに魔法の杖はない。
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さらには、そのうえで、わたしは両者ともに「捨てなければ」ならない「イリュージョン(幻想)」が、それぞれごとにあると思っています。
企業側のイリュージョンは「人材を、この会社に囲い込めるはずだ」というイリュージョン。おそらく、ここから先10年は、そのイリュージョンが次第に薄まっていくように思います。仕事によって、職場環境によって、ひとは退出し、出入りする。
オンボーディング(onboarding:いかに中途人材を迎え入れるか)も大切ですが、これからはオフボーディング(offboading:いかに気持ちよく送り出せるか)も重要になるでしょう。
気持ちよい別れを経験をしたなら、出て行っても、帰ってくる可能性が高まるのです。つまり、将来的に、すこしずつ、会社の壁は薄くなり、出入りが頻繁に起こるような状態になることが予想されます。
若手のイリュージョンは「どこでも通用して、食いっぱぐれないものなんて、存在しない」ということです。技術も知識も高度化し、市場が変わりゆき時代にあっては「いったん学べば、それで終わり」ということは存在しません。
この世では「食いっぱぐれないこと」を夢想している時間が長ければ長いほど、「食いっぱぐれます」。
夢想をやめて、地道に仕事をして、学び続けていく他はありません。
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現場のOJTは、本当に難しくなっていると思います。
不都合に蓋をせず、しっかりと話しあっていく必要があるようです。
そして人生はつづく
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追伸.
中原ゼミの5期生の皆さんは、今年、ダイヤモンド社さま、ダイヤモンドヒューマンリソースさまとの産学共同プロジェクトにチャレンジします。今年は「OJT指導員と新人の関係」をテーマにしたワークショップの共同開発を行わせていただくことになりました。 昨年度の4期生に引き続き、このような貴重な機会をいただき、ダイヤモンド社の井上直さん、濱田健太郎さん、田村淳一さん、広瀬一輝さん、ダイヤモンド・ヒューマンリソースの濱崎麻美さん、金杉学さん、島村景都さん、龍美哲平さんに、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます。
せんだっては中間成果発表会でした。とりあえず「すべてのグループの企画」に対して「GO!」がでました(皆さん、お疲れ様でした)。会にご参加いただいたダイヤモンド社さま、ダイヤモンドヒューマンリソースさまには、この場を借りて御礼を申し上げます。
また、今回の会には、旭化成さま、本田技研さま、JTBさま、東京ガスさま、デンソーさま各社より人事パーソンの方々にもご参加いただき、貴重なご意見を賜りました。心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
次の成果発表では、ワークショップの具体的内容提案を行っていく必要があります。
ぜひ5期生の皆さんは頑張ってください。
今日、2回目の「そして人生はつづく」
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■仲が良くても心理的安全性が低い残念な理由【中原淳 立教大学経営学部教授】
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職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発)
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中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
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新刊「フィードバック入門:耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」絶賛発売中、13刷重版出来です!。AMAZON総合13位、1位(マネジメント・人材管理カテゴリー、リーダーシップカテゴリー)を記録!年上の部下、若手のトンガリボーイ、トンガリガール。職場には、多様な人々が集っています。難易度の高い部下育成に悩む管理職向けの新書です。どうぞご笑覧くださいませ。スピンアウト企画にDVD教材「フィードバック入門」、研修、通信教育もあります。こちらもどうぞご笑覧ください。
『フィードバック入門』スピンアウト企画
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【泣くな!新米管理職!】
おかげさまで10刷重版出来。「駆け出しマネジャーの成長論」は、「実務担当者」から「新任管理職」への役割移行をいかに進めるかを論じた本です。「脱線」をふせぎ、成果をだすためには「7つの課題」への挑戦が必要であることを解説しています!全国の管理職研修で用いられています。どうぞご笑覧くださいませ!
パーソル総合研究所と中原は、このテキストをもとにした「マネジャーになる研修」を開発しました。種部吉泰さんとディスカッションは、非常に楽しいものでした。このコースについても、どうぞご覧くださいませ!
「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/become-a-manager.html
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
「新人研修をアップデートするための5つのコンセプト」に基づいて開発された、中原が監修をつとめる新人研修プログラムです。全4回にわたって実施する「オンライン研修」と「現場での実践&振り返り」を往還することによって、新人期に直面する壁を乗り越え、トランジションを果たせるよう手厚くサポートできるようになっています。経験学習を習慣化するほか、ストレスマネジメント、フィードバック、ジョブクラフティングなどについて学ぶことができます。
Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
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短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/000HD6260/
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