2022.7.26 08:22/ Jun
あなたは「バルコニー」にあがって、自分自身を見つめていますか?
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大学院博士・中原ゼミで、先日、プロティアンキャリア(変化の激しい時代に、個人自らが、個人の納得のいくキャリアを築いていく)に関する文献を読みました。
博士課程1年生の塩川太嘉朗(しおかわ・たかお)さんがまとめてくださったもので、ダグラス・ホールの論文です(塩川さん、ありがとうございます!)。ダグラス・ホールといえば、プロティアンキャリアの理論を広めた立役者のひとりです。
Hall, D. T. (2004). The protean career- A quarter-century journey. Journal of vocational behavior, 65(1), 1-13. https://doi.org/10.1016/j.jvb.2003.10.006
塩川太嘉朗さんのnote
(おっ、冒頭で社会構成主義とAIを解説してなさいますね!)
https://note.com/takaos
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論文の詳細な内容は、おいおい、関心のある方はご覧いただくとして(よくまとまっている論文です)、印象深い表現だな、と思ったのは冒頭の「バルコニーに上がる」という表現です。
ホールは、変化する時代のなかでキャリアを気づくコンピテンシーとして、下記の4つの点を、現代人が、どれだけ行っているか、という問題提起を行っていました。
1. あなたは、ここ数年、多様なプロジェクトや仕事に従事してきましたか?
2. あなたは、⾃分に挑み、成⻑を⽀えてくれる⼈間関係のネットワークを持っていますか?
3. あなたは、意識的に「学びの機会」を求めてきましたか?
4. 「バルコニー」に上がって、個⼈的に内省(リフレクション)のプロセス(⽇記、学習ログなど)を回してきましたか?
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最初、これを目にしたときは、「この4つを、すべて、個別に満たせるひと」は「スーパーパーソン」だなと思いました。「ま、そんなやつ、なかなか、いないよ」とも(笑)。
ただよくよく考えてみると、1の「多様なプロジェクトや仕事」に個人ではなく「チーム」で取り組めていれば、2の「人間関係」が生まれたり、3の「学びの機会」は、結果として「副産物」として付随してくるものだな、とも思います。よって、もっとも大切なことは
「仕事を通じて、人とつながり、学ぶ機会を得ること」
なんだろうな、と思います。ま、それなら、よきチームに恵まれれば、何とかなるかな、とも思います。
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しかし、4の個人的な内省プロセスは、1や2と3とはすこし様相が異なります。これは、しっかり、個人で取り組まなくてはならない。
今、仮に「庭でパーティが行えるような、バルコニー付きの2階建て・大豪邸」を思い浮かべてみてください(そんな豪邸、誰が、買えんだよ、とも思うけど)。
あなたは、いま、多くの人々がパーティを行っている庭を離れて、ひとり、2階のバルコニーにあがり、下を見つめる。
「バルコニーにあがる」というのは、明らかに、「メタ(上位)から、日常生活を眺め、振り返る」というメタファです。ホールがいうには、変幻自在の時代にあっては、意識して、そういう「静かな時間」をしっかり取らなくてはならないよ、ということなのだと思います。バルコニーにあがり、自分を見つめ、自分を記録する時間をとらなくてはならないよ、と述べたいのだと思います。
バルコニーにあがり、シャバをみつめ、自分の成長をしっかり書き留めておく。日記、学習ログなどというものは、そのためのメディアなんだろうな、と思うのです。
興味深い比喩ですね。
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仕事の手をとめろ、バルコニーに上がれ!
なかなかできないけれど。
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今日はダグラス・ホールの論文を小ネタにしつつ、リフレクションすることの大切さを「バルコニー」の比喩で考えました。皆さんは、最近、バルコニーに上がっていますか? 最近の僕は、2階のバルコニーにあがるどころか、「庭の草むしり」ばっかりで、蚊に刺されて「チキショー、コンニャローメ」と悪態をついている感じです(笑)
あなたは、ときおり、バルコニーにあがって、あなた自身を見つめていますか?
それとも
あなたは「庭の草むしり」に追われていますか?
そして人生はつづく
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
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短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
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