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2022.7.12 08:24/ Jun

人材開発の「これまでの20年」と「これからの20年」:データ人事にまつわるト5つのトホホ事例!?

 20年ほど前、この国では、人材開発を語る「言葉」が3つしかありませんでした。
  
 OJT、OFF-JT、自己啓発
  
 以上。
 ザッツ・オール。
 悪いの?(笑)
  
  ・
  ・
  ・
   
 未だにそのことを踏襲している文物も少なくないですが、人材開発は、この3つのカテゴリーの言葉によって語れ、分けられ、分類され、比較され、記録されてきました。
 各種の調査統計も、OJT、OFF-JT、自己啓発の3つの実施度を測定し、経年で、それらが実践されただの、されないだのを報告してきました(いつも思うのですが、これらの調査の宛先は誰なんでしょう?)。
  
 ちなみに、
  
 OJTとは「On the job Training(仕事のなかでのトレーニング)」
 OFF-JTとは「OFF the job Training(仕事を離れて教室などで行われるトレーニング)」
 自己啓発とは「自分で学ぶこと」
   
 です。
    
 これらの概念に決定的に足りていないのは「学習」にまつわる「理論」や「概念」です。
     
 OJT、OFF-JT、自己啓発のルーツにあるのは「学習」です。いずれの概念も「成人の学習」を取り扱っているのにもかかわらず、そのメカニズムに対する目配りが欠けているように感じます。よって、より高いレベルでそれらを改善しようと思っても、具体的な改善のポイントが見えにくいのです。
    
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 わずか20年前には、さらに解像度を高くして「大人の学び」を語る言葉・・・たとえば、リフレクション、フィードバック、経験学習、職場学習、越境学習、マネジリアルコーチング、研修転移などは、専門家だけが語る言葉でした。
 今となっては、より多くの人々が語り、実践される用語になりつつある、これらの言葉は、ほとんど世の中に流通していませんでした。
   
 つまり、この20年の人材開発を総括するとき、それは「人材開発をより高い解像度」で語ることのできる「理論」と「概念」が急速に普及したといえます。
   
 すなわち、
  
 人材開発は「KKD(勘と経験と度胸)」に語られるものから「理論」によって語られるもの
  
 になりはじめた、ということです(まだまだ不足があります)
   
  ▼
  
 しかも、この5年・・・これに加えて、訪れている変化が「データ」です。
「現場のデータを分析して、現場の改善を語る」といった人材開発の「新たなかたち」が、HRテックやサーベイの急速な普及によって、普及しつつあります。
   
 かくして、
   
 人材開発は「理論」によって語られることに加えて、「データ」によって分析されるものである
  
 という考え方が広まるきっかけを得ました(まだまだうまくいっている事例は多くありません)。
  
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 しかーし・・・シャバの物事が変わるためには、長い長い時間が必要です。「人材開発に理論が導入される」ために20年が必要だったように、たとえば20年かけて、物事は変化するのです。
  
 よって、現段階では「データに基づきながら、人材開発を語れている組織」は極めて少ないのが現状です。
 シャバでは、
「データと人材開発」にまつわる、さまざまなお悩みごと、トホホな事態が生まれています。下記の5点の症状が「あるある」の状況でしょうか。順に見ていきましょう。
   
1.データはバラバラでつながっていない病
 組織のあちらこちらに、むやみやたらに、データやデータベースが存在しており、一元管理されていない状況です。データは「バラバラ」だったり「孤独」だと価値を生みません。データが紐付いていないので、クロス(分析)することもできず、宝の山が眠っている状況です
   
2.データって言われてもスキルがなくて活かせない病
 組織のなかに、データをいじれるひとがいない。クロス分析すらやったことがないので、意思決定に役立つようなデータ活用ができない。
  
3.小難しい分析ばっかりやって、意味わかんない病
 小難しいバリバリの分析ばかりやって、その統計量を、そのまま現場のひとにだして、現場がドンビキするか、白けている状況。あるいは白目をむいている。理系の組織に多い印象。
  
4.データ分析・自己目的化病
 データを分析することが「自己目的化」する。データ分析は「経営・現場の改善にインパクトをもたらすため」にやられるはずなのに、データを「いじりたおすこと」が目的化する。
  
5. データマンネリ病
 週に1度とか、月に1度など、結構な頻度で組織調査に答えなければならない。もうマンネリ化してしまっていて、考えずに、ぜんぶ「3」をつけちゃったりする。
   
 いかがでしょうか?
  
 目指す理想は「データにもとづく人材開発の再設計」。
 とりわけ人事の意思決定をより確かなものにしていくために「データは使われて、ナンボ!」なのですが。。。トホホな事例は、もうすこし長い時間をかけて乗り越えられるもののようです。
     
  ▼
  
 今日は人材開発の変化とともに「データにまつわる人材開発」のトホホな状況を論じてきました。
 物事が変わるためには、本当に時間がかかります。
  
 今は過渡期だと思います。
 しかし、この動きの加速に、20年はかからないだろうなとも、わたしは思っています。
  
 そして人生はつづく
  
  ーーー
    
※あなたの会社では、こんな症状が生まれていませんか?
   
・上司によるフィードバックが「自己流」に陥っていて効果が低い
・OJTにおいてフィードバックがなされず、部下の成長実感が高まらない
・若い従業員の早期離職、中高年のモティベーション低下が生まれている

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