2022.6.2 06:59/ Jun
人的資本経営時代に「研修評価」をどのように行ったらよいのか?
ニッポンの研修評価をアップデートせよ!
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新刊「研修評価の教科書:数字と物語で経営・現場を変える」が刊行となりました! 関根雅泰さん、島村公俊さん、林博之さんと中原の共著で、ダイヤモンド社からの刊行となります。
新刊「研修評価の教科書:数字と物語で経営・現場を変える」
https://amzn.to/3ta9mhf
新刊「研修評価の教科書」は、
研修をどのように評価してよいか、いまいち、自信がない
といった経験の浅い方から、
研修評価にまつわる最新の考え方を知りたい
とおっしゃる玄人さんまですべての方々にお読みいただけるよう、なるべく平易に、研修評価の理論と実践を解説した書籍です。
個人でお読みいただいても楽しめるとは思いますが、ぜひ、お近くの方々と読書会などをしていただけると、たぶん、さらに楽しいと思います。たぶん、賛否両論ある本になると思います。ただ、勇気を出して、「企業における研修評価」のあり方を論じたつもりです。
ぜひご高覧くださいませ!
新刊「研修評価の教科書:数字と物語で経営・現場を変える」
https://amzn.to/3ta9mhf
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本書は、まず、研修評価のディテールに入る前に、「それ以前」の、「そもそもの議論」から物事を論じています。
その問いとは、
そもそも人材開発とは何か?
研修評価とは何か?
といった問いです。
世の中的な、シャバの理解では、
人材開発=教えることでしょ!
研修評価=厳密に効果を測定することでしょ!
と考えられています。
しかし、本書では、こうした立場を採用しません。
星飛雄馬のオヤジのように「ちゃぶ台」をかえします。
本書においては・・・
人材開発とは「学習というメカニズム」を手段として用いることで、経営にインパクトを与えること
研修評価とは「経営にインパクトを与え続けるため」に、ステークホルダーたちの合意を形成すること
と考えています。人材開発とは、企業がたてた「戦略」を動かすラストワンマイルにおいて、ひとびとの「行動変容」をうながし、利益・成果に間接的に貢献する試みです。そして、研修評価とは、その実践の持続可能性とクオリティを高め、経営者がこの試みに「投資」していくための合意づくりのための手段です。
まず、ここが「最大のポイント」だと思います。
ニッポンの研修評価をアップデートするためには、このように「ものの見方」を変えること、パラダイムチェンジすることが必要です。詳細は、ぜひ本書をお読みくださいませ。「企業における研修」と「企業における研修評価」の意義を見直すところから議論をすすめます。この冒頭の「企業における」というところがポイントです。
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研修評価の世界は、この20年、ほぼ「変わること」のなかった「人材開発の最後の秘境」だと思います。
過去20年、これまで多くの組織では、
研修評価=研修終了時のアンケートにチョロンと満足度を回答すること
という考え方が支配的でした。
この背景にあるのは、「研修の最も重要なことは、転移をうながすこと=研修で学んだことを実際に現場で実践すること」という認識が乏しかったことがあると思います。ゆえに、研修を終えたあとの「満足度アンケート」だけが行われていました。この姿を、大きく「アップデート」していくことが本書のめざすところです。
アップデートの際に、よりどころにしたのは「研修研究=学問」の力です。下記のように、膨大な学問知見をまとめました。
しかしながら、経験の浅い方にもお読みいただけるよう、脚注に、研究のディテールを書いています。地の文だけをお読みいただければ、かなり平易に研修評価について学べます。もちろん、玄人の皆さんは、脚注を読み込むことで、最先端の世界をのぞくことができます。
多くの企業人事の方々、また経営者の皆様、そして、企業に人と組織関連のサービスを提供いただけいている皆様にお読みいただきたい内容です。おそらく、これから10年、HRテックの発展もあり、企業の研修評価のパラダイムがおおきく変化するとわたしは思います。
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膨大な研究知見をまとめて、筆者たちは、
アカデミックに「ルーツ」をもちつつも、企業で実践可能な評価方法として「混合評価」というものを提唱します。
一方、わたしたちは、
「企業における」研修評価では「アカデミックな厳密な評価手法」は「現実的ではない」という立場に立ちます。あくまで「企業における」という接頭語がポイントです。学術の場では、大いに厳密に評価を行えばいいのだと思います。しかし、学術の場で行われているものを「そのまま適用」することは極めて難しいのです。
アカデミックな知見に最大限の敬意を払いつつも(あたりまえです・・・大学に籍をおいておりますので)、しかしながら、「経営にインパクトをもたらすために何が必要か」という1点からものを考え、「混合評価」を提唱しています。
ここで「混合評価」とは
1.「研修直後のデータ」と「研修終了後、しばらくしたあとのデータ」を「混合」させて評価すること
2.定量的なデータと「定性的なデータ」を「混合」させて評価すること
の2つの意味があります。くどいようですが、研修評価の目的は「研究者のまねごとをして、厳密に評価を行うこと」ではありません。「経営にインパクトを与えるつづけること」です。混合評価は、そのための手法として提案されています。
具体的に混合評価の手法としては、難易度順に、3コースを提案させていただきました。
研修の目的、重要度にあわせて選択いただくことができます。また、この3コースを適宜、自社でアレンジいただいてカスタマイズしていくことも重要です。
書籍には、そのままお使いいただけるようなアンケートのテンプレートなども、数多く入っています。適宜引用して、カスタマイズしてご利用くださいませ。
また、本書には、三井物産人材開発株式会社さま、株式会社TKCさま、株式会社𠮷野屋ホールディングスさんの研修評価の素晴らしい企業実践事例が収録されています。ぜひこちらの方も、ご高覧ください。
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最後になりますが、謝辞で結ばせていただきたいと思います。
本というものは、たくさんのひとびとの協力で書かれているものです。
ぜひ、その方々のお名前をエンドロールでご紹介させてください。本当にありがとうございます。
まず、インタビューにご協力くださいました河村泰貴さん、永田輝巳さん、田中康義さん、小山内知子さん、齋藤隆介さん、佐々木孝仁さん、宮下公美さん、杉山英行さん、日高敬一さん、田代英治さん、本当にありがとうございました。皆様のお言葉から本書は紡がれています。
また、企業研修において、さまざまな研修評価の取り組みをまとめていく際にご協力くださいました教育スタッフの石井弦一郎さん、岩澤亜希さん、宮永史明さん、江原美江さん、生水彩夏さん、山口照美さん、大竹真由さん、竹内基真さん、井岡てるさん、遠藤れなさん、長野太一朗さん、古田健さん、神﨑徹さん、太田洋亮さん、梅崎健一さん、石井理武さん、黒岩乙水さん、外山麻衣さん、伊藤隆浩さんをはじめとする皆さん、ありがとうございました。本当にありがとうございます。
そして、研修評価に関する意見交換の機会をつくってくださった慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)の保谷範子さん、内田紫月さん、太田理奈子さん、張希さん、勝見九重さんにも本当に感謝しております。研修評価のセッションをご一緒させていただいた立教大学大学院リーダーシ�ップ開発コースの藤澤広美先生、そして受講者の皆さん、ありがとうございます。
慶應MCCからは毎年30名、立教大学大学院リーダーシップ開発コースからは、毎年20人弱の人材開発・組織開発のプロフェッショナルの皆さんが巣立っています。
教室を出たら、事を為すのみ!
教室を皆さまの「知的な逆襲」を楽しみにしています。
本書を書くきっかけとなったのは、2014年から続いているダイヤモンド社の「研修開発ラボ」です。ご一緒させていただいている鈴木英智佳さん、サポートをいただいているダイヤモンド社「研修開発ラボ」の永田正樹さん、編集部の小川敦行さん、ラボ担当と編集担当の二役をこなしてくださった広瀬一輝さん、一部・文章の構成を担当くださった井上佐保子さん、いつもありがとうございます。
本書が、これまでの20年間、ほとんど変わらなかった「研修評価」を変えていく一助となることを著者一同願っております。関根雅泰さん、島村公俊さん、林博之さん、本当にお疲れ様でした。また、ひとつの「旅」が終わりましたね。心より感謝いたします。
(ちなみに・・・この本は、ダイヤモンド社広瀬君が、はじめて編集をした作品だと思います。編集者を志し、ダイヤモンド社に入社して数年。大変なこともあった。僕にも翻弄された。本当に、図も、取材も満載の大変な本でしたが、本当におめでとうございます。ようやく、編集者だな、広瀬君。
広瀬君は、わたしが仕事をしている、人材開発系の若手ビジネスパーソンのなかで、最も優秀なおひとりです(他にも、各社に、7人の侍たち?がいる:みんな、すげーなと思う!素晴らしいです!)。
広瀬君、ぜひ、人材開発の世界をアップデートしていってくださいね。広瀬君たちの世代の、知的な逆襲と、創造的反逆を、僕は楽しみにしています。前の世代の築いた「ちゃぶ台」なんか、ひっくり返せ! 広瀬君の描きたい世界を、描け!)
ニッポンの研修評価を「ともに」アップデートせよ!
研修評価の「夜明け」ぜよ!
中原 淳
新刊「研修評価の教科書:数字と物語で経営・現場を変える」
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