NAKAHARA-LAB.net

2008.1.4 10:24/ Jun

北村文・阿部真大著「合コンの社会学」を読んだ!

 合コンはおおいに語られている。参加者からも非参加者からも、一般人からも専門家からも。だから、みんな知っている、「出会うための場所」だと思っている。しかし、それを疑ってみよう、合コンで私たちは本当に「出会える」のだろうか。
(p11より引用)
 —
 北村文・阿部真大著「合コンの社会学」を読んだ。

 合コンは、参加者同士が自由に交流し、運命の人を偶然見つけることのできるような「出会いの場」ではない。
 そこは、社会階層、ジェンダーなど、様々な社会的規範やコードにがんじがらめにされた、ゴフマン流の「相互儀礼行為」が満ちた世界である。
 「相互儀礼行為」が支配する場では、参加者は一定のルールに暗黙のうちに従うことが求められる。そしてルールに従わないものには、社会的サンクションが科される。
 合コンは自由であって、自由ではない。
 —
 僕は専門家ではないので、本書の学術的価値は知らない。しかし、合コンという題材を、社会学的に見ると、こういう風に解釈できるのね・・・興味深く読むことができた。
 それにしても、
「盛り上げ役になるときはうまくいかない。いい人、おもしろい人で終わるか、がんばっているのに嫌がられるか。ピエロの役」
(p57より引用)
 は少々めげた。どおりでうまくいかないワケである。そんなルールがあったなら、もっと早くに言ってくれ。もう遅いけど(笑)。
 —

1章 出逢いはもはや突然ではない―合コンの社会学・序
2章 運命を演出するために―相互行為儀礼としての合コン
3章 運命の出逢いは訪れない―合コンの矛盾
4章 運命の相手を射止めるために―女の戦術、男の戦略
5章 運命の出逢いを弄ぶ―自己目的化する遊び
6章 それでも運命は訪れる―合コン時代の恋愛と結婚
7章 偶然でなくても、突然でなくても―合コンの社会学・結び
補論 合コン世代の仕事と恋愛―自由と安定のはざまで

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.7.9 08:06/ Jun

「ファスト化」する組織開発!? :組織開発は「カオナシ」になってはいけない!?

転勤で単身赴任するのは「パニッシュメント(罰)」か、何かか?

2024.7.3 08:04/ Jun

転勤で単身赴任するのは「パニッシュメント(罰)」か、何かか?

2024.7.1 08:16/ Jun

先行研究を調べるとは「マトリョーシカを開けつづけること」である!?

2024.6.28 08:25/ Jun

あなたのチームや職場はすでに「ピークアウト」して「劣化」の方向に向かっていませんか?

人材開発の仕事ってさ、〆切いつなの?  期限はないの? : 事業部から人材開発部署に異動したときに必要な「学び直し」のこと!?

2024.6.27 08:28/ Jun

人材開発の仕事ってさ、〆切いつなの? 期限はないの? : 事業部から人材開発部署に異動したときに必要な「学び直し」のこと!?