NAKAHARA-LAB.net

2022.2.15 07:54/ Jun

読書には「3つの自由」がある!:何を読むかの自由、どう読むかの自由、読むのを止める自由

 読書というものは「ちゃんと」読もうとすると、読めません。
     
 わたしは、読書には「3つの自由」があると思っています。読書とは、そのくらい「自由気ままに読もう」と思った方が、かえって、長続きするのではないか。本と長くよい関係を築けるのではないか、と思うのです。
     
  ▼
   
 第一の自由は「何を読むかの自由」です。
 私たちは、子どもの頃から、読むべきもの、読まなければならないものを「決められて」きました。「ほにゃらら省推薦」なんていうものは、その典型です。
   
 しかし、シャバで行われる、普通の読書に「ほにゃらら省推薦」は必要ありません。読みたいものを、自分で決めて、自分で決断すればいいのだと思います。
  
 読むものに悩んだときには、書店などをぶらつけばいい。そうして、気が向いたものを手に取ればいいのです。
    
 ちなみに、わたしは、月に1度はリアル書店をぶらつきます。リアル書店では、めったなことがなければ、書店の「教育の棚」と「経営の棚」には行きません。そこには、わたしにとって「意外な出会い」はありません。
  
 むしろ、演劇やら、看護やら、演芸やら、写真やら、自分の研究領域に「直接は関係しない棚」を渉猟します。
    
 そうした棚での「意外な本との出会い」がわたしにとっては決定的に重要です。
 結局、イノベーションとは「ズレ」なのです。「意外な本との出会い」を、自分の仕事領域に「引きずり込んで」、結合させれば、新たなアイデアが萌芽するのです。
     
  ▼
  
 第二の自由は「読み方」の自由です。
 本は、ちゃんと前から後ろまで、ひとつひとつの字面をおって、読まなくてもいいのです。精読しなければ読書ではない。熟読しなければダメなんて思う必要がありません。
   
 極端な話、「パラパラとページをめくるだけ」という読み方もあるかもしれません。「はじめに」と「終わり」と「参考文献」だけを読む読み方もあります。斜め読みも結構ですし、もちろん、精読・熟読も結構です。
   
 誰も、あなたを束縛するものは何もありません。読書は、本来、自由な読み方を、自分で選べばいいのです。
    
  ▼
  
 第三の自由は「読むのを途中で止める」自由です。これは「悦楽」です。おそらく「教育の現場では、やってはいけないこと」のように語られることが多いから。
    
 途中まで読んで面白くないと思えば、ただちに読むのを止めたっていいのです。そのとき、罪悪感を感じる必要は、一切、ありません。
   
 なぜなら、その本は、今の自分に「あっていなかった」だけで、また機会があったら読み直せばいいのです。その本を楽しめる状況に、自分がなったら、また出会えばいい。
    
 読むのを止めることを恐れて、読書をしない、という選択はしないほうがいいでしょう。
    
  ▼
      
 このように、読書とは、本来「自由」なものです。
 自分で決めて、自分のやりたいように、読めばいい。
 わたしたちは「読書感想文コンクール」や「熟読・精読選手権」で入賞するために「読んでいる」わけではないのですから。
      
 さぁ、あなたは、自由きままに、何の本を読みますか?
     
 そして人生はつづく
      
 ーーー
     
武蔵野大学・島田徳子先生、ダイヤモンド社の皆さん(広瀬一輝さん、永田正樹さん)との数年にわたる共同研究と、NPO法人日本ブラインドサッカー協会との連携で、スマホで手軽に受検できる「アンコンシャスバイアス測定テスト」と、内製化研修(プレゼンキット)を開発しました!。この問題は、学術的な背景などは、わたしどもが、テスト結果に基づき動画像(ビデオ)で解説させていただきます。ご利用くださいませ! ご自身の組織にもっともフィットしたアンコンシャスバイアス研修をつくることができます。どうぞご利用くださいませ!
       
ダイヤモンド社が「アンコンシャスバイアス研修」を開発
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000045710.html
    

    
 ーーー
           
新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください! 
      
リリースしました!「チームワーキング研修版」
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/
     
 書籍「チームワーキング」おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。
     
    
 
https://amzn.to/3esCOrW
            
すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!           
       
 ーーー
    
 職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
   

職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発) 
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
   
  ーーー
       
【好評発売中】1on1のコツをまとめた映像教材を、中原とPHPさんで共同開発しました。上司用、部下用あります。1on1について「同じイメージ」をもつことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
     
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
  
経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061   
  
  ーーー
   
【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます! 
     
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
   
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
  
 ーーー
        
中原研究室では、一般社団法人ピアトラストさんとの共同研究で、相互称賛アプリ『Peer-Trust(ピア・トラスト)』の研究を行っています。
       
相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が導入された職場では、職場のメンバー同士が、お互いの日々の仕事を観察し、そこにキラリと光るものがあったときに「称賛カード」というものをメッセージとともに送りあいます。1カ月間は無料トライアルだそうです。ご興味があえば、ぜひ、ご利用くださいませ。
     
強みの自己認知と意欲を高める『ポジティブ1on1』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000059483.html
   
仲間から実際に認められた行動のデータから、自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加されました。職場における相互称賛を、自分の強みの発見と目標設定に役立てられます。
 
自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000059483.html
   
あなたの会社のリーダー・管理職は「部下の強み」を観察できますか?:相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が示唆する「リーダーの条件」とは?
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12062
    
ピアトラストお問い合わせ
https://www.peer-trust.com/contact/
   
ピアトラストの効果まとめページ
https://www.peer-trust.com/research/2020/
    
 ーーー 
    
【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約35000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
   
中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
https://twitter.com/nakaharajun
 

 

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.11.15 15:01/ Jun

【無料カンファレンス・オンライン・参加者募集】AIが「答え」を教えてくれて、デジタルが「当たり前」の時代に、学生に何を教えればいいんだろう?:「AIと教育」の最前線+次期学習教育課程の論点

2024.11.9 09:03/ Jun

なぜ監督は選手に「暴力」をふるうのか?やめられない、止まらない10の理由!?:なぜスポーツの現場から「暴力」がなくならないのか!?

2024.10.31 08:30/ Jun

早いうちに社会にDiveせよ!:学生を「学問の入口」に立たせるためにはどうするか?

2024.10.23 18:07/ Jun

【御礼】拙著「人材開発・組織開発コンサルティング」が日本の人事部「HRアワード2024」書籍部門 優秀賞を受賞しました!(感謝!)

本当の自分の姿は「静止画」ではなく「動画」じゃなきゃわからない!?

2024.10.14 19:54/ Jun

本当の自分の姿は「静止画」ではなく「動画」じゃなきゃわからない!?