2022.1.17 09:17/ Jun
「うちの会社では、パルスサーベイっていうのをやっているんですけどね、これを、告げ口ツールと、勘違いしているメンバーもいるんですよ。本当にややこしいです。
管理職ですから、場合によっては、ちょっとわたしがメンバーに厳しいことをフィードバックしたり、助言したりしなければならないこともあるんです。しかし、そういうフィードバックをすると、次の日から1週間くらいは、部下のパルスサーベイの結果が、エグルようにおちて、底辺をはいます。管理職への反撃開始です。
そうすると、僕の上役の部長が飛んできて、僕が、どうなっているんだ?と言われるんです。完全に、「一足飛び越えの、告げ口ツール」じゃないですか。
それに、最近は、それを使って駄々をコネることもはじまっています。いろいろ無理難題をいっていて、拒否すると、パルスサーベイの結果を下げてくるんですね。完全に、駄々こねツールですよ。」
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先日、ある会社の、管理職の方と話していたとき、こんな一言を投げかけられました。非常に印象深いものでした。
ここで「パルスサーベイ」というのは「パルスのように(心拍が変動するがごとく)」、高頻度で、短い間隔で行われる組織調査のことを指しているものと思います。
メンバーの体調や、今の仕事の状況を「見える化」するツールとして、すでに多くの会社などで導入されているものと思います。
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冒頭の方が不満タラタラでおっしゃっているのは、要するに、こういうことだと思います。
「管理職として、部下に、耳の痛い働きかけをせざるを得ないこともある。あるいは、部下の要望がすべて通せないこともある。
しかし、部下は、それで機嫌をそこねて、パルスサーベイの結果で反撃してくる。パルスサーベイの結果を意図的に1週間程度、低く報告し続けて、部長が出てこさせる。あるいは、そうすることで、管理職の評価を下げようとしている。
パルスサーベイを、そういう告げ口や、駄々コネに利用している、ちょっと勘違いしているメンバーもいる」
ということですね。みんながみんなそうなわけじゃないですよね。中には、適切に利用しているケースもあるし、役立っているパルスサーベイもあります。
しかし、このケースは、まことに涙ぐましいことです。
くどいようですが、このケースで、大切なことは、パルスサーベイそのもののでは悪いわけではありません。頻度のことはともあれ、ただでさえ「見えない化」しやすい、現代の複雑な職場や、チームに、様々な「見える化ツール」が導入されることは、管理職の理解があるならば、否定されることではありません。
ただ、パルスサーベイの目的の打ち込み、利用のされ方、そして運用が決定的にまずいのかなと思います。とりわけ、「なぜ、パルスサーベイが存在するのか?」「パルスサーベイとはなんの目的で用いるのか?」について、組織ぐるみの理解が得られていない。なんだか、「よじれて理解」されて、「ひんまがって」運用されてて、そのことに「誰も手をつけようとしない」。
かくして、
「目的が理解されていないパルスサーベイは、告げ口ツール化する」
という事態に陥っているのだと思います。
知らないうちに
「パルスサーベイが、管理職への反撃ツールになっている」
から目も当てられません。人事は、ひとと組織の観点から「現場を元気にすること」が求められているのに、それとは異なる方向に話がいってしまっている。
もっともサーベイとは、それとあわせて「結果をフィードバックすること」と「セット」になることが重要です。
このケースでいうと、メンバーが「低調」を報告したときに、そもそも管理職とメンバーが「対話」ができる環境と時間が、現場になければなりません。だからパルスサーベイを導入する方は、サーベイの頻度をあげるための「余力」や「資源」を同時に現場に渡さなければならないのです。
パルスサーベイは、ただでさえ「調査の頻度」をあげます。その調査頻度に対応するための「対話の時間」が、今の多くの現場にあるのかな、とわたしなどは思ってしまいます。
それがない場合には、
「対話なきパルスサーベイは、告げ口ツール化する」
ということになるのです。
で、ところで、なんでパルスサーベイ導入したんですか?
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あなたの会社のパルスサーベイは「告げ口ツール化」していませんか?
そして人生はつづく
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