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2021.12.24 08:22/ Jun

トップの発するメッセージの凄みと覚悟!? : ソフトバンクさんの女性活躍推進委員会に参加して

    
    
本年もありがとうございました。立教大学は12月24日から1月6日まで冬期休業に入ります。この時期は、特別な業務以外は、わたしも休暇をとらせていただきます。ブログは1月10日から再開させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします!
    
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不肖・中原、今年から、ソフトバンクさんの「社内改革」・・・女性活躍推進委員会のお手伝いをさせていただいております。
  
 ソフトバンクは、誰もが知る情報通信大手。そのソフトバンクが「2035年度までに女性管理職比率を20%まで引き上げるという目標」を掲げ、社長以下経営陣がこの実現にコミットして、全社改革を行っております。詳細は同社の記事をご覧ください。
  
(数値目標を定めることには賛否両論あるでしょうが、登る山の高さをイメージできないことには、組織変革はうまくいかないことも、また事実です)
  

女性活躍なくして将来の発展なし。いまこそ本気で改革へ - 第二回女性活躍推進委員会
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20211222_01?fbclid=IwAR242i6yKB3MZY864ndvQa9OVr7-lEya1pjWnE4eQCD1ov4QS-jWe-C8Sp0
  
 不肖・中原の役目は、この委員会のアドバイザーです。同社の人事本部長の源田泰之さん、中島三絵さん、木戸あかりさんからのご依頼で(オファーに心より感謝いたします)、1)社長以下、経営陣の参加する委員会で、プチ講演を行ったり、2)各部門の課題解決への助言をさせていただいたり、3)質問紙調査へのアドバイスなどを行ってきました。
  
 この委員会に参加させていただいて、つくづく思うことは、
  
 トップがコミットする社内改革は「力強い」
  
 ということと、
  
 トップの発するメッセージは、とてつもなく「影響力がある=凄みがある」
  
 ということです。
   
 これは「アタリマエダのクラッカー」ですが、本当に、そう思うんだから、仕方がありません。
  
 実際、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一さんは、下記のように言い切り、プロジェクトを推進する覚悟を表明なさっておりました。
   
「女性活躍なくして当社の発展はありえない。事業モデル自身を根本から見直すために議論し直す良い時期なのではないか。本気で取り組み、本気で改造するというテーマで、わが社をこれから動かしていきたい」
  
 素晴らしい表明、覚悟だと、わたしは思いました。微力ながら応援させていただきたいと切に思います。
  
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 ソフトバンクさんは、情報通信業ですので、もともとエンジニア職が半数以上を占める企業です。そのなかにあって、「女性管理職比率を20%に引き上げる」の目標は、相当高いハードルだとも思います。
  
 また「女性管理職比率を20%に引き上げる」のようにいうと、とりわけ、男性なかには「女性ばかりズルイ」という意見もでてきます。
  
 しかし、男性は、これまで多くの「透明な下駄」をはいて(本人が望もうと、望まないとにかかわらず、社会的に優遇されてきたということです)「職位」についてきたところもあります。 プロジェクトは、女性を優遇することが目的ではないと思います。この「透明な下駄」の部分を正規化し、フラットに切磋琢磨できるまで、環境をアップデートすることが、重要だと思います。
  
 わたしは先だっての委員会で
  
「女性のキャリアと長時間労働是正の問題は、セットで考えなければ絶対に解決しない」
  
「女性のキャリア開発環境をより良くするためには、女性だけでなく、パートナーと、パートナーの働く会社あるいは社会が変わらなくてはならない」
  
 ということを申し上げました。
   
 この「ニッポンの課題」「みんなの課題」に対して、ソフトバンクのみなさまには、日本のリーディング企業として果敢に挑戦し、成果を残していただければと思います。また微力ながら、貢献させていただく所存です。
   
 地道な取り組みで、確実に、社会は変わっていきます。
 
 わたしは次の時代を牽引する企業は「全員参加型の経営」を実現出来た所からうまれると信じています。
  
 そして人生はつづく
   
     
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中原研究室では、一般社団法人ピアトラストさんとの共同研究で、相互称賛アプリ『Peer-Trust(ピア・トラスト)』の研究を行っています。
       
相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が導入された職場では、職場のメンバー同士が、お互いの日々の仕事を観察し、そこにキラリと光るものがあったときに「称賛カード」というものをメッセージとともに送りあいます。1カ月間は無料トライアルだそうです。ご興味があえば、ぜひ、ご利用くださいませ。
     
強みの自己認知と意欲を高める『ポジティブ1on1』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000059483.html
   
仲間から実際に認められた行動のデータから、自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加されました。職場における相互称賛を、自分の強みの発見と目標設定に役立てられます。
 
自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000059483.html
   
あなたの会社のリーダー・管理職は「部下の強み」を観察できますか?:相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が示唆する「リーダーの条件」とは?
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12062
    
ピアトラストお問い合わせ
https://www.peer-trust.com/contact/
   
ピアトラストの効果まとめページ
https://www.peer-trust.com/research/2020/
    
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約35000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
   
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