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2021.12.13 08:36/ Jun

新刊「ファシリテーションとは何か」のご案内!:「ワークショップ」や「ファシリテーション」はどこから生まれてきたのか?

 新刊「ファシリテーションとは何か」のご案内です。社会学者の井上義和先生、牧野智和先生らが編著となった新刊が刊行されました。中原も著者のひとりに加えていただき、1章書かせて(語らせて)いただきました(心より感謝いたします。)。
    

https://amzn.to/33q703F
   
 この本は「風変わりな本」です。
   
 本書のどこを読んでも、ファシリテーションをうまくなるスキルは書いてありませんし、手続きもありません。
  
 著者の何人かは、自らのキャリアを振り返りながら、「ファシリテーションが生まれてくる前夜」に何が起こっていたのかを物語っています。そして、そのことからファシリテーションが必要になる社会とは何か、を浮かび上がらせることが、本書の眼目なのかな、と思います。わたしが担当した章は、そういう物語章のひとつです。
     
 中原は「野生の学びとしてのワークショップ」というタイトルで、自らのキャリアを振り返りながら、ワークショップやファシリテーションというものが、いかに生まれてきたのかを語らせていただきました。
 
 わたしのキャリアは「解放としての学び」「大学教育への絶望」「いくつかの脱線」から成り立っている、のだとつくづく思いました。そのなかの各所で、ワークショップ、ファシリテーションという言葉と付き合ってきたような気がします。
  
 仕事人生を振り返っていると、多くの方々に対するTHANK YOU LETTER(サンキューレター)のようになってしまった気もします。それはよかったな、と思います。恥の多い人生でした。お世話になった方々に、心より感謝いたします。我がヨレヨレ人生、ご笑覧ください(笑)。わたしの章は下記です。
       
■ 「野生の学び」としてのワークショップ 中原 淳
  
1 初期インターネットと出会う
2 「創り出す」研究への歩み
3 「野生の学び」との出会い
4 「野生の学び」を広げるために
5 これからの世代に何を求めるか
  
 異領域の、他の先生方の章も大変印象深いものです。各章を読むにつけ、つくづく感じるのは「ファシリテーション」というたかが、このひと言にも、様々な思いや歴史があるのだな、ということにつきます。
 中には、わたしとは異なる考えもございます。が、それはそれで、なるほど、と読ませていただきました。本書こそが「対話空間」だと思います。
  
 下記に目次をつけておきます。
  
ワークショップやファシリテーションの手続き、スキル、ノウハウに食傷気味のあなたに、ぜひおすすめします!
 
 最後になりますが、お誘いいただいた井上義和先生、牧野智和先生、そして共著者の先生方、また、ナカニシヤ出版の米谷龍幸さんに心より感謝いたします。
  
 次は2月に、いよいよ「M&A後の組織開発入門」、3月に「新しい研修評価の教科書」が刊行されます。
  
 そして人生はつづく
   

   
 ーーー
  
■「ファシリテーションとは何か」
  
はじめに――三つの仮説とアンビバレンス
井上義和

   
第I部
ファシリテーションの時代はいつ始まったか
 
■01 もう一つの道を求めるなかで
ワークショップとの出会い 中野民夫

  
1 生い立ち:高度成長期の都心育ち
2 遍歴と探究:旅と出会いと精神世界
3 次の旅は就職戦線だ:就職活動と卒業論文
4 現実世界との葛藤のなかで
5 アメリカCIISへの留学(1989–91)
  
■02 さまざまな分野へのファシリテーションの展開
中野民夫

  
1 日本での環境問題の展開
2 『ワークショップ』(2001)刊行までの経緯
3 『ワークショップ』の影響
4 会社のなかでもワークショップ・プロジェクト
5 日本でのファシリテーション小史に関する質疑応答
6 コロナ時代のファシリテーション
  
■03 「野生の学び」としてのワークショップ
中原 淳

  
1 初期インターネットと出会う
2 「創り出す」研究への歩み
3 「野生の学び」との出会い
4 「野生の学び」を広げるために
5 これからの世代に何を求めるか
  
第II部 
ファシリテーションを歴史と社会のなかに位置づける
  
■04 ワークショップ/ファシリテーションは
どのように注目されてきたのか 牧野智和

  
1 はじめに
2 ワークショップへの注目・前史
3 日本におけるワークショップへの注目
4 ワークショップにおける「ファシリテーター」論
5 「ファシリテーション」論の分化
  
■05 ファシリテーション概念の整理および
歴史的変遷と今後の課題 中村和彦

  
1 はじめに
2 ファシリテーションの概念整理
3 ファシリテーションの歴史
4 ファシリテーションの現代的意義
  
コラム1 人間関係の体験学習と組織開発
のあいだで 中村和彦
  
■06 熟議民主主義におけるファシリテーション
 熟議システム論の視座を踏まえて
田村哲樹

  
1 はじめに:相性のよさ?
2 熟議民主主義がファシリテーションを必要とする理由
3 熟議システム論に依拠したファシリテーション概念の拡張
4 「緊張関係」の再検討
5 おわりに
  
コラム2 「熟議」との出会い
田村哲樹
  
  
第III部 ファシリテーションを相対化し,実践と向き合う
  
■07 国策アクティブ・ラーニングの何が問題か
 新書『アクティブラーニング』のその後を語る
小針 誠×井上義和

  
1 はじめに:新書『アクティブラーニング』はどう読まれたか
2 国策アクティブ・ラーニングへの警鐘
3 理念(理想)―実践―政策(施策)の三者関係を解きほぐす
4 多様化する子どもと学校
5 学界の内部事情と多様化する学校現場
6 大学教育とアクティブラーニング
  
コラム3
「アクティブラーニング」を理念として捉えなおす
元濱奈穂子

  
■08 反省性を統治する
 ワークショップ/ファシリテーションの社会学的考察
牧野智和

  
1 社会的現象としてのワークショップをいかに捉えられるか
2 リフレクションという要点
3 反省性をめぐる非対称性とそのデザイン
4 反省性を統治する
  
おわりに 牧野智和
   

    
 ーーー

【参加者募集中!】        
最近、とみに、「中原の仕事人生を語っていただけませんか?」というご依頼が増えてきていました(12月に3本)。島田由香さん(ユニリーバ)率いるTeam WAAさんののイベントもそのひとつです。杉江美樹さんからお声がけいただき(感謝!)、登壇を決意しました。せんだっては、島田さん含め、関係者の方々で顔合わせ、打ち合わせをさせていただきました(ありがとうございました)。
      
新刊「ファシリテーションとは何か?」や、今回のTeam WAA!さんのイベントを最後に、キャリア系のご依頼は最後とさせていただきますが(笑)、「自分が何をしてきて、何に向かわなければならないのか」を考えさせられるよい機会になりました(心より感謝いたします)。下記のイベントでは、恥の多い、わたしの仕事人生と、そこから何を学んできたのかをお話ししようと思います。もしよろしければ、お越しくださいませ。
    

    
Team WAA! 第58回セッション【中原淳先生特別講演/ 2021 Team WAAward発表・表彰会】申し込みはこちら!
https://peatix.com/event/3085065?fbclid=IwAR38tr5EQnChoVbry5RzyKLYGDuxCg10ewveiFrtDNhP99ok4ey99WXuKrU

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