NAKAHARA-LAB.net

2021.12.8 08:31/ Jun

ハイパーアクティブ気味の「わたしのオンライン授業」!?

「ひとづくり・組織づくりの大学院」・・・立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コースでは、フルオンラインでの受講提供を行っています。
    
立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コース
https://ldc.rikkyo.ac.jp/
  
 授業は金曜日夜と土曜日終日。2年間で修士(経営学)を取得できます。日本各所から、1学年20名程度の学生さんが、この大学院で学んでいます。
     
 この大学院、当初は、対面での授業提供を考えていました。しかし、コロナ禍の影響をもろに受け、オンラインにやむなく転換。
 しかしながら、これがやってみると、社会人大学院生に好評でした。「働きながら、学べる」ということが評価されているのだと思います。
    
 社会人の場合は、いまや、誰も、対面に戻りたくない(笑・・・ここが学部生とは異なりますね)。ということで、結局、永久にフルオンラインでの授業提供と決定しました。
(年間に2回程度のスクーリングはありますが「、ハイフレックスで中継しているので、オンラインだけで修了できます)
     
  ▼
    
 授業がフルオンライン提供となったこともあり、オンラインでの授業をいかに作成すれば、学習効果として最大をめざせるのかを、わたしもこの2年間探究してきました。
  
 一応、かりそめの結論は、下記のようになっています。
  
 わたしの授業は、
  
 1)オンデマンドビデオ
 2)ZOOM双方向のリアルタイム授業
 3)グループ課題
 4)個人で取り組むショートレポート
 5)授業終了後のリフレクション
  
 の組み合わせでできています。絵にすると、こんな感じ。もちろん、これは、わたしだけが開発したかたちではなく、受講生からのフィードバック、事務局・スタッフのみなさんからの提案、さまざまなものを活かしながら、ようやくここに到達しました。
   

 
 具体的には、下記のように展開していきます。
  
1.まず、「一方向の講義」は「オンデマンドビデオの反転授業」として作成しておき、事前に予習してもらう。
(時間のない社会人学生は、1.2倍ー1.5倍で視聴できるので、これが好評)
  
2.1を見たあとでショートレポートを300字程度で書いてもらう。学生には、このショートレポートのほかに、グループで取り組むグループ課題がある。。
(オンデマンドビデオは見っぱなしにしない。かならず、インプットにはアウトプットを組み合わせる)
     
3.まず、ZOOM双方向のリアルタイム授業時間では、このショートレポートをチャットにはってもらい、それを使いながら、インタラクティブに授業する。ちょうど、ラジオのDJがはがきを読むように行う。チャットを大活用
(ZOOMでせっかく顔出しで集まるのだから、それを活かして授業する)
  
3.それが終わったら、ZOOM双方向のリアルタイム授業で、「おさらい」を行う。オンデマンドビデオで学んだ内容で、わからなかったところを質疑応答する。前回の授業のリフレクションを取り上げ、他の学生にも紹介する。チャットを利用して、お葉書を読むかのように授業をする
(学生に書いてもらったものは、すべては無理でも、かならずピックアップする) 
     
4. そのあとのZOOM授業では、1)学生同士のプレゼン&フィードバック、2)教員からのフィードバック、3)卒業生や外部からのゲストのトークなど、極力、「リアルタイム」だからこそのコンテンツを盛り込む。極力、インタラクティブに楽しく授業をする。
(ZOOM双方向、リアルタイムならではを活かす。特に、外部からのゲストスピーカーは、とてもいい。呼ぶ側も、呼びやすい)
  
5. 最後は、次回までの課題+ビデオを提供し、終了。学生には、この授業で学んだことを掲示板にリフレクションしてもらう。リフレクションは、次回の授業で数名とりあげる。
 (リフレクションにはじまり、リフレクションに終わる) 
  
 ・
 ・
 ・
    
 こう書いてみると、ずいぶん、多動(Hyper active)な気もしますが、いろいろ試行錯誤した結果、これが一番、しっくり来るような気がしています。まぁ、まだまだ修行中ですが。
    
 ポイントは
   
1.「そのメディアならでは」を活かす
  
2.学生が書いたものは、必ず取り上げる、フィードバックする
  
3.極力インタラクティブにやる!
  
4.リフレクションにはじまり、リフレクションに終わる
  
5.インプットとアウトプットを「セット」にする
    
 ですね。ハイパーアクティブ気味ですが。
    
 ▼
  
 今日は、わたしのフルオンライン授業について書きました。立教大学大学院では、授業評価がしっかりと教員に返る仕組みを整えていて、わたしの授業も、それらを活かしながら、改善していきます。
  
 僕は「二度同じ授業はしない」と決めているので、おそらく来年は、また改善がなされるでしょう。学生のみなさんには、忌憚のないフィードバックをお待ちしております。またスタッフのみなさんからも、どしどしご意見をお待ちしております。小生、まだまだ修行の身です。
  
 フィードバックから逃げるな!
 逃げてばかりいると、逃げ癖ついちゃうよ
   
 そして人生はつづく
   
  ーーー
     
【イベント参加者募集中!】
     

   
「人づくりと組織づくり」の仕事に興味のある方はぜひおこしください。そういう人材を採用したい会社との架け橋になるといいなと思っています。人づくり・組織づくりに貢献する人材を探している企業の方々も大歓迎です。社会貢献・特別企画!無料です!
   
「会社を選ぶ就活・採用」よりも「仕事で選ぶ就活・採用」へ!? : HR Youth Camp(エイチアール・ユース・キャンプ)イベント参加者募集中!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/13556

      
 ーーー    
       
【立教大学大学院で大学院生として学びませんか?】
 立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コースでは、経営学を基盤にしながら、人材開発・組織開発・リーダーシップ開発を実践できるアカデミックプラクティショナーを養成しています。別名、「ひとづくり・組織づくりの大学院」です。
 授業は「フルオンライン」。授業は金曜日夜と土曜日だけ行われており、2年間で、修士(経営学)が取得できます。
 今年は、3期生の募集になります!ご興味がおありの方は、ぜひ、お申し込みくださいませ!
   

      
 なお、在学生などの声、リーダーシップ開発コースでの授業の様子について知りたい方は、ぜひ、下記のニュース欄をお読みくださいませ!
  
ひとづくり・組織づくりの大学院での「学び」とは?
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/

 

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.10.31 08:30/ Jun

早いうちに社会にDiveせよ!:学生を「学問の入口」に立たせるためにはどうするか?

2024.10.23 18:07/ Jun

【御礼】拙著「人材開発・組織開発コンサルティング」が日本の人事部「HRアワード2024」書籍部門 優秀賞を受賞しました!(感謝!)

本当の自分の姿は「静止画」ではなく「動画」じゃなきゃわからない!?

2024.10.14 19:54/ Jun

本当の自分の姿は「静止画」ではなく「動画」じゃなきゃわからない!?

2024.9.28 17:02/ Jun

サーベイを用いた組織開発が「対話」につながらない理由とは何か?:忘れ去られた「今、ここ」の共有!?

2024.9.2 12:20/ Jun

【参加者募集中】研修開発ラボで「研修開発・評価の基礎」をすべて学びませんか?