2021.12.1 08:20/ Jun
「グループワークをやるんなら対面で行った方がいい」は僕らのイリュージョン(幻想)だったかもしれない
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最近、学部生から、こんなことを言われました。
「先生、次の授業に、グルワ(グループワーク)だけをやるんなら、ぶっちゃけ、オンラインの方がいいです。資料とか印刷しなくていいし、その方が、集中できますよ。バイトが終わったあとに、ちゃちゃっと夜に集まれますし」
そんなこともあるのかなぁ・・・と思っていたら、大学院生の社会人のある方が、同じ時期に、同じようなことをおっしゃっていました。
「僕らは、いつもはフルオンラインで、グループワークをやってますよね。でも、先日はじめて、対面授業のあとに、対面でグループワークをはじめてやったのです。
対面のグループワークは生産性が低いですね。画面共有で「同じ資料」を見ながらグループワークができないし、資料も印刷しなきゃならないし、お互いの顔の様子も、マスク越しなので、わかりにくい。断然、オンラインの方がいいです。終電とかもないですから、万が一でも、時間も気にすることもありません」
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N=2の事例にしか過ぎませんが、これらの事例から、僕は2つの仮説を思いつきました。
まず、
「学生はグループワークを対面でやりたいはずだ」は僕らのイリュージョン(幻想)だったかもしれない
です。
このイリュージョンは、多くの大学関係者が、ひそかに心のなかで思い込んでいることのように思います。僕も、そうでした。
しかし、実際は、学生が対面でやりたいのは「グループワーク」なのではなくて「友達づくり」「交流」「食事」なのではないか、と思います。
実際に、話を聞いてみると、必ずしもそうとも言い切れない事例がでてきました。
つぎに
「生産性だけを見るのであれば、グループワークの生産性は、対面よりもオンラインの方が高いのかもしれない」
です。
考えてみれば、オンラインの対話環境(ZOOM)とはいうのは、強烈なコントロール(統制力)が可能な環境なのです。
1)ボタン一つで「画面共有」を行い、同じ資料に対して「共同注意(Joint attention)」を向け、視線の管理を行うことができます。
また、2)すべてのひとが真正面を向いて対話を行う環境が強制的につくられます。
このことによって疲労感は感じるものの、生産性があがる。おそらく、社会人の方が、生産性を気にしていたのは、こういうことでしょう。もちろん、この議論は「生産性」だけの議論です。グループワークには、お互いに仲良くなる、とかいった効果もあります。ここでは生産性だけに限った議論をしていることをご承知おきください。
ちなみに、「対面がよいか、オンラインがよいか」は、マスメディアや新聞などの論調は、常に片方に偏ります。しかし、実際に現場で教えていると、この問いに対する答えは、学生ひとりひとりによって違う、一概には言えないことがわかります。
学生ひとりひとり、置かれた環境、大学と自宅の距離、自宅の内部の通信環境、家庭の状況によって、その答えは違います。
しかし、この問題を考えるとき、わたしたちは、自分たちの思い込みをハズして、イリュージョン(幻想)をいったん脇において熟慮する必要があるのかな、と思いました。
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あなたにとって、「対面での会議」は、本当に生産性があがるものですか?
そして人生はつづく
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「心理的安全性をワンワードで解説! 教えて、中原先生!」
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自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加!
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