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2021.3.31 09:19/ Jun

新刊「働くみんなの必修講義 転職学」のご案内!:すべての働く人々に、1万2000人の大調査からわかった「転職のエビデンス」を!

 このたび新刊「働くみんなの必修講義 転職学」がKADOKAWAさんから刊行になりました。転職に興味のある方、長期化する仕事人生を「完走」なさりたい方には、ぜひおすすめの一冊です。また「自らが転職」というわけではなく、従業員の離職問題や中途採用をお考えの企業人事・経営企画・経営者の方々にとっても、役立つ内容です。どうぞご高覧いただけますよう、よろしくお願いいたします。
  
 
「働くみんなの必修講義 転職学」
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  ▼
    
 人生100年時代、仕事人生が長期化するなかで、転職は、いわば多くの人々にとって、一度は経験する「人生の一大事」になりつつあります。 
    
 実際、転職は「パートナの死別」とともに「人生における最大のストレス」とも言われています。しかし、この最も重要な契機を「いかに乗り越えるか」については、エビデンスをもって語られてきた、とは言えません。
    
 このたび、本書「転職学」では、1万2千人の方々に対する大調査をもとに、この「人生最大の危機」をいかに乗り越えるかについて迫ります。転職学は、パーソル総合研究所さん、パーソルキャリア、そして中原の共同研究として2年かけて達成されました。
   
 この共同研究では、下記のような問いに迫ります。
   
 ・ひとは何をきっかけに「離職」を考えるのか?
    
 ・どの年代が、転職を考えモヤモヤするのか?
   
 ・どのように実際に転職活動を行えばいいのか?
   
 ・面接はどのように乗り切るのか?
    
 ・新たな組織にはどのように参加すればいいのか?
    
 ・転職先に定着するために気をつけることは何か?
   
 この調査の最大の特徴は「転職活動」だけを対象にするのではなく、「離職から転職、内定から組織への定着までを一気通貫したプロセスとしてとらえ、それを論じていることです。
   

 もうひとつの特徴は、従来の転職本で語られてきた「神話」をいくつか疑い、新たな提案をしていることです。
   
 その最大の特徴は「転職とは、マッチングである」という概念への挑戦です。
 これまで従来の転職業界では「転職とは、転職希望者と、採用企業のマッチングである」と考えられてきました。しかし、いくつかの理由から、私たちは、この常識に挑戦しています。
   
 むしろ、本書では、調査データをもとに「転職とはマッチングではなく、ラーニング(学び直し)である」という主張を行っています。
    
 ・転職を機会に、自己を見つめ、セルフアウェアネスを高めること 
  
 ・客観的にフィードバックをくれる他者と出会うこと
  
 ・自らを変えることを放棄しないこと
  
 ・変わり続ける覚悟をもつこと
   
 が幸せな転職にとって非常に重要なことです。
  


  
 また中途採用を行う企業の目線も、本書では失っていません。
 せっかく採用した社員にはやく定着して、成果を上げてもらうためには、どのような支援が必要なのか。いわゆるオンボーディング(組織への定着・活躍:Onboarding)についても本書で論じています。少しだけ結果をお伝えすると、本書では「クローズオンボーディング」という概念と「オープンオンボーディング」という概念を新たに提唱しています。
   
 端的にいってしまうと、
  
 組織に慣れたければ、組織の内部に閉じこもっていてはダメなのです!
 詳細は、ぜひご覧くださいませ。
    

   
 ちなみに、転職学のなかでは、中原自身の転職(というか大学移籍のエピソードも述べられています。この大学移籍において、僕は、どのような経験をしたのか・・・どうぞお楽しみに!)
    

  
 働くみんなの必修講義「転職学」いよいよ開講です。
 こちらが目次となります!
 皆さんは「転職方程式」から学ぶことになりますよ!
  


 

  

  
  ▼
     
 最後になりますが、謝辞を記させていただければと思います。冒頭お話ししましたように、このプロジェクトは、パーソル総合研究所とパーソルキャリアさんと中原の共同研究で遂行されています(このような機会をいただきまして、両社の関係者の皆様には、心より感謝いたします!)。
      
 本書の著者名は、私とパーソル総合研究所の小林祐児さんとなっていますが、しかし、じつは本書には隠れた著者がたくさんいらっしゃいます。共同研究をともに遂行してきたパーソルキャリア株式会社の吉村優美子さん、平田沙織さん、藤田悠さん、影山大輔さんも、本書の共著者の一人です。
 本書は私や小林さんと、吉村さん、平田さん、藤田さん、影山さんとの数十回にわたる議論の先に生まれました。この場を借りて御礼を申し上げるとともに、彼らもまた共著者であることを、ここに刻ませていただきます。
     
また、パーソル総合研究所の渋谷和久さん、フェローの櫻井功さん、パーソルキャリア株式会社の大浦征也さん、勝野大さんにもプロジェクトの立ち上げに際し、多大なご支援をいただきました。心より感謝いたします。
    
 また書籍化に関しましては、KADOKAWAの藤岡岳哉さん、編集協力をいただいた秋山基さんにも、たいへんお世話になりました。さらには、質問紙調査にお答えくださった多くのみなさんにも、深く感謝いたします。
    
 多くの方々とのご縁とご協力によって、「働くみんなの必修講義 転職学」が2年かけて完成いたしました。心より感謝をいたしますとともに、この本が、社会の多くの方々にお届けできることを願っております。
    
 転職・・・この「学びに満ちた世界」へようこそ!
 ご高覧くださいますよう、よろしくお願いいたします!
   
 そして人生はつづく
  
 
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