2021.3.15 07:55/ Jun
「他者に対する働きかけ」というものは、次の世代に、容易に「再生産」されてしまうものです。
教育の世界には、
「教師は、教えられたように、教えてしまう」
という名言があります。
これと同じように、
「マネジャーは、マネジメントされたように、マネジメントしてしまう」
ものだと思いますし、
「コーチは、コーチされたように、コーチしてしまう」
「カウンセラーは、カウンセリングされたように、カウンセリングしてしまう」
「ファシリテータは、ファシリテートされたように、ファシリテーションしてしまう」
ものだと思います。
もちろん、すべてのひとがそうだとは言いません。ただ、すこしでも油断していれば、その危険性が、忍び寄ります。
「過去の、他者からの自分への働きかけ」は、いわば「原型」のようなものです。この「原型」は、自らの身体に「深く潜り込み」、ふとした瞬間に、表面にでてきます。
かくして、知らず知らずのうちに、自らは気付くことなく、「過去に自分が受けた行為」を「再生産」してしまうものだと思います。
▼
それでは、この循環を断ち切るためには、何が必要でしょうか。ひとつは、とにもかくにも「学ぶ機会をもつこと」です。
いえいえ、「学ぶ」というよりは、「自らがどのような姿勢で、他者に働きかけているのか」に関する「鏡」をもつことです。「鏡」を通して自己を見つめて変わること(=学ぶこと)が、再生産の循環の呪縛を逃れるきっかけになるかもしれません。
ここで「鏡」とは明らかにメタファです。
具体的には、他者からのフィードバック、自分が他者に対して働きかけている様子の記録などが、「鏡」として機能することになるでしょう。
ですので、「他人に対する働きかけ」を仕事にするひとは、「孤独」になってはいけないですし、「ブラックボックス」に閉じこもっていては危険なのだと思います。
▼
今日は「他者に対する働きかけ」を仕事にすることひとにとって留意したいことを、書かせていただきました。
考えてみれば、そもそも
「子どもは、”親にされた”ように、”親をしてしまう”」
ものでしょう。
その再生産の強固な循環を断ち切るのは、そう容易なことではありません。
ああ、今日も明日も
閉じぬこと
オープンであること
そして人生はつづく
ーーー
新刊「チームワーキング」発売初日・重版決まりました! AMAZON「マネジメント・人材管理」カテゴリー第1位! 手にとってくださった皆様、お読みいただいた皆様に、心より感謝いたします。
https://amzn.to/3esCOrW
すべてのひとびとに、チームを動かすスキルを! これがこの書籍のメインメッセージです。チームを動かす新たなアイデアとして「チームワーク」ではなく、「チームワーキング」を提唱しています。データとビジネスケースから、チームを動かすためのスキルを学び取ることができるようになっています。どうぞご高覧くださいませ!
ニッポンのチームをアップデートせよ!
ーーー
拙著「経営学習論」の増補改訂版が、東京大学出版会より刊行されました。新たに「リーダーシップ開発」の章を追加し、カバーの装いも変わっています。人材開発の基礎的な理論を体系的に学べる一冊です。どうぞご高覧くださいませ!
ーーー
【新刊予約発売中】
新刊「学校がとまった日」の特設サイト完成!&予約販売開始中! 緊急事態宣言・全国一斉休校で「学びを継続できた子どもの特徴」は?学びをとめないために学校にできることは?:書籍の内容が概観できます!どうぞご覧くださいませ!
新刊「学校がとまった日」の特設サイト
http://toyokan-publishing.jp/stop/index.html
新刊「学校がとまった日」予約販売開始中(AMAZON)
ーーー
【好評発売中】1on1の失敗・成功ケースをまとめ、映像教材を中原とPHP研究所さんとで開発しました。失敗しない1on1について、具体的なイメージをもって学ぶことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
ーーー
【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます!
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
ーーー
ラーニングエージェンシーさんと中原研究室の共同研究により開発した「女性の視点で見直す人材育成:トランジションサポートプログラム」のご提供がはじまっています。ライフステージに応じて、役割移行を支援する、きめ細かい研修となっています。共同研究の成果は書籍「女性の視点で見直す人材育成」としても刊行されています。
女性の視点で見直す研修 トランジション サポート プログラム
https://www.learningagency.co.jp/service/transition/
ーーー
。AMAZONの各カテゴリーで1位記録!(会社経営、マネジメント・人材管理・労働問題)。
長時間労働はなぜ起こるのか? 長時間労働をいかに抑制すればいいのか? 大規模調査から、長時間労働の実態や抑制策を明らかにします。大学・大学院の講義調で語りかけられるように書いてありますので、わかりやすいと思います。どうぞご笑覧くださいませ!
また残業学プロジェクトのスピンアウトツールである「OD-ATRAS」についても、ご紹介しています。職場の見える化をすすめ、現場マネジャーが職場で対話を生み出すためのTipsやツールが満載です。ご笑覧ください。
対話とフィードバックを促進するサーベイを用いたソリューション「OD-ATLAS」の詳細はこちら
https://rc.persol-group.co.jp/learning/od-atlas/
ーーー
「研修開発ラボ」(ダイヤモンド社)が、フルオンライン化して大幅リニューアルしました。人材開発の「基礎の原理」を学ぶことのできるトレーニングプログラムです。どうぞお越しくださいませ!
研修開発ラボ 特別講座「人材育成の原理・原則を学ぶ」
https://jinzai.diamond.ne.jp/seminar/SEMINAR0495/
ーーー
「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
中原研究室では、一般社団法人ピアトラストさんとの共同研究で、相互称賛アプリ『Peer-Trust(ピア・トラスト)』の研究を行っています。
相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が導入された職場では、職場のメンバー同士が、お互いの日々の仕事を観察し、そこにキラリと光るものがあったときに「称賛カード」というものをメッセージとともに送りあいます。利用人数20名までは「無料」だそうです。ご興味があえば、ぜひ、ご利用くださいませ。
あなたの会社のリーダー・管理職は「部下の強み」を観察できますか?:相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が示唆する「リーダーの条件」とは?
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12062
ーーー
【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約32000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
https://twitter.com/nakaharajun
最新の記事
2024.10.31 08:30/ Jun
2024.10.23 18:07/ Jun
【御礼】拙著「人材開発・組織開発コンサルティング」が日本の人事部「HRアワード2024」書籍部門 優秀賞を受賞しました!(感謝!)
2024.10.14 19:54/ Jun
2024.9.28 17:02/ Jun
2024.9.2 12:20/ Jun