2021.1.21 07:37/ Jun
テレワークは「新参者に手厳しい」!
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新型コロナウィルスの感染拡大はとどまるところをしらず、まだまだ、わたしたちの組織は「揺れ続けて」います。
業種・業態によっては、テレワークが「常態化」し、もう1年弱にわたり、ひととひととが、顔を合わせないままに仕事をしている状況が続いている組織もあります。
そのようななか、表面化している課題のひとつが冒頭にかかげたものです。
テレワークは「新参者に手厳しい」
すなわち、新入社員や中途採用社員、そして異動したばかりのひと、さらには、はじめてリーダーや管理職になって新たな職場を率いなければならないひとにとって、テレワークは、まことに「甚大な課題」を提示します。
これまで顔をつきあわせてきた職場のメンバーであるならば、たとえ、テレワークに移行したとしても、お互いの性格も、ワークスタイルの違いも、ある程度は、見知っているものです。相互のあいだには信頼関係も樹立している場合もありえます。
よって、急速にテレワークに移行したとしても、蓄積してきた「信頼」などの「貯金」を使って、仕事をある程度円滑に行うことはできます。
信頼とは「貯金」
なのです。
しかし、完全テレワークの状態で組織に参入したばかりの、いわゆる「新参者」は、こうはいきません。
新参者には、まず「職場のメンバー」が見えません。
新参者にとって「画面が職場」です。
よって、限られた時間とオンライン会議では、お互いのひととなり、ワークスタイルの違い、そのキャラなどを見抜くことはできません。
また、テレワークでは「隙間のコミュニケーション」が失われています。
ここで隙間のコミュニケーションとは、コミュニケーションの「あいま」、仕事の「あいま」、偶然に出会ったとき、など、非意図的なタイミングによって行われるコミュニケーションです。
廊下で偶然出会った時に行われる
「中原さん、あの件のことなんですけど、ちょっと時間ありますか?相談したいことあるんですけど」
といったコミュニケーション。
クライアントに先輩と商談に出かけた帰り、山手線のなかで行われていた
「先輩、さっきの商談なんすけど、なんで、あのお客さん、あんなことをいったんですかね」
といったような偶発的タイミングにまかされていたOJT。
そうした、コミュニケーションや仕事の「あいま」に、非意図的に埋め込まれ、偶発的のなかで営まれていたコミュニケーションが、リモートワークでは失われます。
考えてみれば、職場のOJT(人材育成)というものは、その多くが、こうした「隙間のコミュニケーション」に埋め込まれていたのです。これが、いまは、なかなか期待できません。
だから・・・
テレワークは「新参者に手厳しい」
なのです。
逆にいえば、これから組織に入ってくる新入社員や中途採用社員は、もちろんのこと。異動したばかりのひと、さらには、はじめてリーダーや管理職になって新たな職場を率いなければならないひとには、これまで以上の「支援」が必要だ、ということになります。
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今日は、進展するテレワークの盲点を「新参者(新規参入者)」という観点から書いてみました。
あなたの組織には、テレワークで仕事迷子になっている「新参者」がいらっしゃいませんか?
あなたは、テレワークで仕事迷子になっている「新参者」に、どのような支援を行えますか?
そして人生はつづく
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