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2020.11.10 08:17/ Jun

あなたは「倍速ラーニング」と「どこでもドア」で「学びの場」をチャンネルザッピングしていませんか?:今後の学びに必要な「グルーヴ感」とは何か?

「倍速ラーニング」と「どこでもドア」を手にいれた僕らの「学び」に、今、必要なのは「グルーヴ感」ではないだろうか?
   
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 せんだって、日経さんの取材を受け、日経電子版に下記の記事を掲載いただきました。
  
学び直しは激変時代の「命綱」 転職準備にも一役
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO65755370S0A101C2000000/
    
 この記事では「変化する社会に応じて、どのような学びが大人には必要になるか?」を論じております。もしご興味があれば、ご覧くださいませ!
  
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 ところで「大人の学び」という観点から「現代」という時代をふりかえった場合、「今年2020年」というのは、大きな転換が生まれた年になると思います。
  
 端的にいってしまえば、
   
【大人の学び・オンライン元年!】
    
 といってもよい変化が、この業界におとずれました。
  
 新型コロナウィルスの感染拡大は、いやがおうでも、これまで対面環境で行われてきた授業・講義・セミナーに大きな転換を迫ることになりました。
  
 大規模なイベント、対面で実施されてきたセミナーなどはなりを潜め、それらが「オンラインでの学び」に転換したのです。
  
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 この「オンラインでの学び」というとき、わたしたちの学び方も、また大きく転換しつつあるような気がします。
  
 とりわけ気になるのは「大人の学び」に
  
 「倍速ラーニング」と「どこでもドア」
  
 が加わったのです。
 
「倍速ラーニング」とは「オンデマンド化されたビデオ教材」を2倍速・3倍速で効率的に見て学ぶことですね。学生のビデオ視聴行動などをうかがっておりますと、それは「顕著」に起こっている変化のように思います。
  
 もはや90分の授業のビデオを90分かけてみているひとはいないのではないでしょうか。と・・・思うくらい、みな、倍速ラーニング。賛否両論あるとは思いますが、効率よく学んでいる様子がみてとれます。
  
 かくして、単なる「知識の伝達」であれば、2倍速・3倍速で、倍速ラーニングで再生される時代が出現しました。
  
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 もうひとつの「どこでもドア」とは「セミナー・フォーラムへの参加が、ZOOMなどによって、あたかも”どこでもドア”を使うかのように飛躍的に簡単になったこと」をさします。
  
 時空間は大幅に縮約し、わたしたちは、どこにいても、どこでも、遠くで行われているイベントに参加できるようになりました。
  
 しかし、これは、学びのサプライサイド(提供者)には、大きな問題をもたらします。
  
「どこでもドア」で、簡単に「アクセス」できるようになったおかげで、「イベントの掛け持ち」というものが可能になり、イベントが「チャンネル化」するといった事態
  
 が生まれるのです。
  
 どこでもドアを用いれば、私たちは、同時期、同時刻に開催されている、Aというイベント、Bというイベント、Cというイベントに参加するということが可能になります。
  
 あとは、順番に、イベントを回遊していけばいい。で、そこで一番面白そうなイベントに出れば良い。
 途中で面白くなければ、他のイベントに動くこともできるようになる。出入りは比較的自由なので、面白いところに人が集まる構造ができる。
  
 あたかもチャンネルをザッピングするかのように、イベントにでていけばよくなります。
  
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 単なる「知識の伝達」であれば、2倍速・3倍速で、倍速ラーニングで再生される
  
 また
  
 内容が面白くなければ、ザッピングされ、ただちに「どこでもドア」で出入りされてしまう
  
 といった変化が、今、わたしたちの「オンラインの学びの場」には生まれています。
  
 それでは、そうした学び方の変化に対して、学び手を引き止めるためには、何が必要になるのでしょうか。
  
 この問いに対する答えを、今のわたしは、すべて持ち合わせていません。 
 しかし、そのひとつに考えられるのは、グルーヴ感(Groove)だと思っています。
  
 グルーヴ感とは、厳密な定義のない言葉ですが、あえて端的に定義するとすると、下記のような感じです。
  
 グルーヴ感(Groove)とは
  
 1. 「今ここ」でしか体験できない「一回性の感覚」
 2. 自分も場の作り手として「この場に参加している感覚」
 3. みなが集って感じることのできる「一体感」
  
 のことではないかと、今、ここでは「仮置き」しておきましょう。
     
 いずれにしても、このように極めてライブ的な要素が、学びの場に、これまで以上に必要になっているような気がします。これは言うのは簡単ですが、極めて難しい。
  
 なぜなら
  
 グルーヴ感を対面ライブ環境でつくるのも難しいのに、さらにそれをオンラインで作り出さなければならない
  
 のですから。こりゃ、無理ゲーだわな。というか、おそらく、限られたスキルや資質のあるひとにしか、それは難しいでしょう。かくして、教育のサプライサイドの「選別」と「競争」が激化していくというのが、ありうるシナリオです。
  
  ▼
  
 今後「倍速ラーニング」と「どこでもドア」を手にいれた僕らの「学び」は、さらに進化していくものと思います。
  
 人材開発の研究をわたしが着手しはじめて、もう20年近くになりますが、この1年の変化は、20年の変化よりもずっと大きい気がしております。
  
「倍速ラーニング」と「どこでもドア」にあらがう「グルーヴ感」の正体を、今日も探しに参りたいと思います。
  
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 あなたは最近「倍速ラーニング」していませんか?
  
 あなたは最近「どこでもドア」で、イベント掛け持ち・チャンネルザッピングをしてませんか?
  
 あなたの学びの場には「倍速ラーニング」と「どこでもドア」に耐えうる「グルーヴ感」がありますか?
  
 そして人生はつづく
  
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11月14日は、音楽座ミュージカルさんをゲストにお招きし、【オンラインでの学び】について、皆さまで楽しみながら「体感」しながら学び考える「場」をご提供したいと思います。とても楽しい場になると思います!どうぞお楽しみください。
        
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https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12319
   
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 昨日は、パーソルさま・エンジャパンさま・ビズリーチさま・立教大学中原ゼミの産学連携プロジェクト、中間成果発表会でした。
  
 3社のみなさまには「めっこりとした愛あるフィードバック」をいただき、ゼミ生一同、心より感謝いたします。中原ゼミでは「フィードバックはごちそう」を合言葉にしております。たまわりました「ごちそう」をしっかりと消化して、よい成果を生み出したいと願っております。
  
 3月の本成果発表向けて、ゼミ生ともども努力していく所存です。どうか引き続きよろしくお願いいたします。そして人生はつづく!お疲れ様でした! 
 
 
 
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【好評発売中】1on1の失敗・成功ケースをまとめ、映像教材を中原とPHP研究所さんとで開発しました。失敗しない1on1について、具体的なイメージをもって学ぶことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
     
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス
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https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
   
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研修開発ラボ 特別講座「人材育成の原理・原則を学ぶ」
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約30000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
   
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