2020.10.30 08:20/ Jun
大学生は「長期インターン」で何を学ぶのか?
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秋学期になり、中原ゼミのメンバーは、ミニ卒論(3年生で書く1万字のミニチュア版卒論)・卒論(4年生で書く)、企業のみなさまとのコラボレーションプロジェクト(2年生)へと邁進しています。
ゼミが開かれる木曜日は、朝の8時台の博士ゼミから、夜の学部2年生ゼミまで、僕も、連続で個別フィードバックをしています。
探求を行う学生も大変でしょうけれども、教員である僕も、木曜日ごとにゼミが終わる頃には「死にかけ人形」。頭からは「ぷすぷす」と白い煙が出ているありさまです。
あと数ヶ月、なんとか、ゼミ全員で、この難局を「乗り越えたい」と願います。
大丈夫。
明けない夜は、ない。
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ところで、昨日、フィードバックした学生のひとりに、4年生の西岡茉優(にしおか・まゆ)さんがいました。
4年生の彼女は、
【大学生の長期インターン経験が、大学生のキャリア観等に与える影響】
を明らかにする卒論に挑戦しています。
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大学生にとって「就活」経験は、社会にもっとも近接する経験のひとつです。中原ゼミのメンバーの中には、就活を探求テーマに選ぶ学生も少なくなく、西岡さんも、そのひとりです。
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西岡さんがテーマにした「大学時代の長期インターン」は、近年、かなり普及しています。
肌感では、ベンチャー企業から大企業まで、数ヶ月にわたる「就業経験」を大学生に提供してくれている企業は、近年、ますます増えている印象があります(コロナ禍で今年はかなり困難がありますが・・・)。
企業のなかには、就業にともない、学生への指導を行なってくれている企業もあります。西岡さんによると、今回調査した結果のなかには、
企業の方が、インターン学生のために
毎週1on1をしてくれた事例
週ごとにフィードバックの時間をつくってくれていた事例
も少なくなかったようです。結局、学生は、そうした「成長機会を与えてくれる企業」をインターン先に選びます。
僕の肌感では、
「成長できるインターン」を提供できるかどうかは、優秀な学生を集められるかどうかの指標
になりつつある印象があります。
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さて、西岡さんの卒論で、個人的に興味深いなと思ったのは、こうした1on1やフィードバックによって「学生が何を学んだのか」ということです。詳細は、彼女の卒論に譲りますが、昨日、聞いた話のなかで僕が面白いな、と思ったのは、彼女が聞き取り調査を行なった学生のなかには、
長期インターンで「自分の長所」を発見した
インターンのなかのフィードバックで「自分の強み」に気づいた
という学生が少なくなかった、という報告でした。
まことに興味深い。
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一般に、長期インターンは、「就職活動のひとつの形態」として定着化しつつあります。
一般的な学生のなかには「インターン」を
やらなくてはならないもの
しんどいけど、やらざるをえないもの
と認識しているひともいます。
しかしながら、
長期インターンで「自分の長所」を発見した
インターンのなかのフィードバックで「自分の強み」に気づいた
ということが、もし「是」ならば、学生のインターンに対するイメージも、ずいぶん変わってくるはずです。
西岡さんには、このことも含め、長期インターンがもつ学生へのインパクトを考察してほしいと願っています。きっと、彼女ならば、やりきるでしょう。
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今日は西岡さんの卒論を紹介し、大学生の長期インターンの効果について考えてみました。インターンといっても「ピンからキリまであります」ので、過剰な一般化はできませんが、
自分の「強み」に気づくポジティブインターン
のイメージは、興味深いものだな、と思いました。もちろん、ポジだけでなくネガにも気づいて欲しいのですが、そう考えると、結局「成長を実感できるインターン」が重要だということになるのでしょうね。
そして人生はつづく
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追伸.
卒論に関しては、せんだって「フィードバック問診票」を紹介しましたが、これを導入してから、かなりフィードバックの精度があがりました。とりわけ3年生は素晴らしい。フィードバックの前にしっかりと自分の考えをまとめてきてください。それは、あなたのためにもなります。
「よいフィードバック」を受けるための「フィードバック問診票」!?
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12269
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中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
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