2020.7.10 07:12/ Jun
朝っぱらから、4つの質問です。
朝っぱらから、クソ眠てーとは思いますが(!?)、あなたの職場を思い浮かべて、下記の質問におこたえください。
「職場のほとんどの人は基本的に正直である」
「職場のほとんどの人は信頼できる」
「職場のほとんどの人は基本的に善良で親切である」
「職場のほとんどの人は,職場内の他の人を信頼している」
という4つの質問項目について、あなたは「どんな回答」を持ちますか?
「とてもそう思う」を5点
「そう思う」を4点
「どちらともいえない」を3点
「そう思わない」を2点
「まったくそう思わない」を1点
として、各質問項目の得点を「足していくと」合計で何点になりますでしょうか?
各5点満点で4つの質問項目がありますので、満点(最高点)は20点。最低は4点ということになります。
冒頭の4つの質問文・・・これは、いわゆる「特定的信頼」とよばれるものを測定するために、よく用いられている質問項目のひとつです。
ここで「特定的信頼」とは、「ある特定の所属組織・職場などで、ひとびとが、そこにいる他者に対している信頼感」のこととします。要するに、「職場レベルの信頼感」ですね。
ややこしいことを5秒だけいえば、「信頼」は、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)のひとつです。これが職場にあるかないかで、様々な職場のパフォーマンスやメンバーの行動が変わります。5秒、社会科学講義、終わり。
さて、あなたの職場の「信頼感」は何点でしたでしょうか?
20点満点?
おっ、そりゃ、すごい!
信頼しあっている、ナイス職場ですね?
えっ?
よ、よ、4点
それ、やばくないすか。
ぺんぺん草もはえないような不毛職場ですね・・・
そろそろ転職でしょうか・・・
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なぜ、朝っぱらから、こんな、けったいな!?質問項目を持ち出したか、というと、この「職場の信頼感」というものが、昨今広がる「リモートワークの成否」に関連していると考えられる、からです。
アタリマエダのクラッカーですが、
リモートワークが成立する職場というのは、職場メンバーのあいだに「信頼感」が樹立しています
逆にいうと
信頼感なきリモートワークは、なかなか成立しません。
信頼感なきリモートワークは、疑心暗鬼、ねたみやそねみ、上司による部下の監視に成り果てます。
なぜって、それはすぐにわかりますよね。
なぜなら、
「リモートワークでは、職場メンバーの仕事をしている様子が、まったく見えないから」
です。
仕事をしているふりをしていて、ソファーにねそべって、ポテチを食いながら、映画を見ているだけかもしれません。
リモートワークでは信頼感が樹立していなければ、「相手の仕事ぶり」を常に疑います。
「本来、見えないもの」を「見よう、見よう」と画策します。
そのなれの果ては、「監視ツールの導入」です。
リモートワークで「監視ツール」が導入されているということは、「あなたのことは信頼していませんよ」というメッセージなのかもしれません
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リモートワークと信頼感・・・先行研究を紐解いてみると、このことはすぐにわかります。リモートワーク関連の研究で、職場レベルの信頼感、上司ー部下の信頼感に言及しているものが、なんと多いか。
あっ、また信頼感か
こっちも、そっちも信頼感か、
先行研究を紐解いていけば、信頼感が「ノラネコぐんだん」のようにオンパレードする様子を、あなたは、先行研究に見るでしょう(笑・・・ノラネコぐんだんがわからないひとは、ぐぐろう。僕は好きです)。
細かいことをいえば、信頼感を細かく分けた研究、認知的信頼、情緒的信頼、個別信頼ホゲホゲとわけた研究も存在します。しかし、基本的に問うているのは、下記のことです。
「あなたの職場のほとんどの人は、基本的に正直ですか?」
「あなたの職場のほとんどの人は、信頼できますか?」
「あなたの職場のほとんどの人は、基本的に善良で親切ですか?」
「あなたの職場のほとんどの人は,職場内の他の人を信頼していますか?」
要するに、
職場レベルの「信頼」とは、リモートワークの成否をわける「資源」のようなもの
なのです。
あなたの職場には、「信頼」という資源は、豊富に存在していますか?
(※中原OBの関根さんが、ここ最近、リモートワークに関する英語文献を読んでおられます。関根さんは、コツコツとした努力を重ねる努力家です!ブログに公開なさっているので、ご覧ください)
せきねまさひろぐ:「リモートワーク」関連文献
http://learn-well.com/blogsekine/2020/07/_200708.html#more
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今日は、リモートワークと信頼感のお話をしました。
たかが信頼感、されど信頼感
です。
リモートワークの成否を考える前に、ぜひ一寸考えていただければと思います。
あなたは、職場のメンバーを「信頼」してますか?
あなたの上長は、部下のことを「信頼」していますか?
そして人生はつづく
ーーー
追伸.
昨日、学部の春学期の授業が、授業終了しました。
下記は、2期生ゼミ生の新沼紫雲君が、春学期のZOOMのゼミメンバー個人画像でつくってくれた僕の「自画像」です。毎週のゼミで撮った集合写真、笑顔の数は537枚で構成されているそうです。1期生から3期生まで全員の写真で構成されているとのこと。とてもびっくりしました! すごい、ありがとうございます。
考えてみれば、この数ヶ月のオンライン授業、なりふり構わず、中原ゼミのゼミ生と走りきりました。ゼミ生も、素晴らしいリーダーシップを発揮して、毎回プレゼンをしてくれました。本当にお疲れ様でした!
秋学期、また元気な明るい笑顔を見せてくれることを、ひとりの教師として、願っております。
オリジナルサイズの画像
https://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/07/jun_mosaic.jpg
立教大学経営学部 中原ゼミ 2020春学期 ZOOMモザイクアートビデオ
製作:新沼紫雲
出演:立教大学中原ゼミ1期生ー3期生のみんな
あと3期生(現在の2年生)とは、ほぼ、はじめて写真を撮影しました(下記)。3期生は、これから「20’s展ーワークショップの祭典」めがけて、課題解決を本格化させます。さらに面白くためになるワークショップを社会にお届けいただけるとうれしいです。頑張れ!
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新刊「サーベイフィードバック入門ーデータと対話で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】」が好評発売中です。AMAZON人事・マネジメントカテゴリー1位を記録しました。組織調査を用いながら、いかに組織を改善・変革していくのかを論じた本です。従業員調査、HRテック、エンゲージメント調査、教学IRなど、組織調査にかかわる多くの人事担当者、現場の管理職の皆様にお読みいただきたい一冊です!
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「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
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