2020.3.18 08:05/ Jun
ZOOMで「新人の組織社会化」は可能なのか?
オンラインでの「チームビルディング」は可能なのか?
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中原ゼミ「オンライン合宿」が無事終了しました。
新型コロナウィルスの感染拡大がなければ、例年のようにホテルで2泊3日で行っていたはずの合宿。
例年の中原ゼミ合宿には、1年生から3年生まで全ゼミ生60名ほどが集まります。そのうえで、
1)お互いに(ほぼはじめて)顔をあわせ
2)顔と名前を一致させ、仲良くなり
3)ゼミ生としてのアイデンティティをもち
4)組織へのコミットメントを高め
5)これまでの活動を振り返り、4月以降の活動計画をねること
を目的としていました。
要するに、中原ゼミの合宿とは「新入生のための組織社会化のためのイベント」であり、既存の学生にとっては、「チームビルディング」「活動のリフレクションとプランニングのための会」だったのです。
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しかし、この合宿、今年はコロナウィルスにより、あえなくキャンセル。かわりに実施したのが「オンライン合宿」です。
2月・・・その苦渋の決断をしたときの、ゼミ生のモティベーションダウンは、それはそれはスゴイものでした。
それから苦節1ヶ月。
ゼミの有志(中心人物は2年生のともや、しうん、りゅうた、しんたろう。そのほか、れいた、りんかなどなど、相談にのってくれた1期生!ありがとう!)の尽力によって、
ZOOMをつかって【オンライン合宿】
というものを実施することになりました。
もちろん、この【オンライン合宿】はメタファです。
個々人は、自宅のPCでアクセスしているので、集合できるわけではないし、まして宿泊できるわけでもありません。彼らは、それぞれ別々のところから、オンラインで接続しているだけです。
しかし、どんな過酷な環境におかれても、
人づくり・組織づくりのゼミは「めげない」!
人材開発、組織開発に関わるひとは「下」を向かない!
というわけで、午後半日かけて、ZOOM上でつどい、様々なワークをゼミ生全員で行い、オンライン合宿を実施することになりました。
オンライン合宿は、
1)顔と名前を一致させる(声をかけやすくする)=チームの下地をつくるくらい
2)中原ゼミで学ぶことに意欲をもってもらう
あたりを目的にしました。
すべてを行うのは無理。
敢えてハードルを下げて、オンラインでの課題解決を嫌いにならないように配慮したことになります。
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さて当日、まずは全員が集まります。
久しぶりの再会に、なんだか少しホッとしました。
本当に自宅にこもっているメンバーが多かったようです。
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というわけで合宿はスタート!
今回のオンライン合宿のワークは、ほぼゼミ生がすべてオリジナルで考えました(僕はタイムスケジュールにコメントしたくらい)。 また、オンラインの操作も、すべてゼミ生に任せました(ていうか、僕よりも、ずっとずっとオンラインに長けています)。
詳細は省きますが、オンラインならではのチームビルディング的なワークをやってみたりしました。下記は一番最初のワークで、みなで協力しながら「ハート」をつくって、写真に収める、というワークです。これもチーム対抗戦になっています。
チーム対抗の「オンライン謎解きコンテンツ」をやってみたりしました。とにかくチームでオンラインで動くこと、コミュニケーションすることにこだわりました。
あっという間の半日間で、気づけば、夕方になっていました。
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この合宿の事後アンケートの結果は、下記の通りです。
簡単なアンケートなので、この結果だけではなんともいえませんが、目的は達成できたのではないか、と思っています。
こちらはゼミの一体感
こちらは顔と名前の一致度
最後はゼミで学ぶ意欲です。
アンケートに寄せられた定性的なコメントとしては
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家に籠りっぱなしで、しかも就活もありメンタルズタボロだったけど、すごい元気出た!ありがとう!椎名町で遭遇したら南天奢るね!お疲れ様!
大満足です!企画ありがとうございました!
今までzoomを話し合いでしか使ったことがなかったけどこういう使い方もできるんだ!って思うことが多くて今後活かしていきたいと思いました!お疲れさまでした!
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といった肯定的なコメントもありました。
一方で、課題もたくさん。
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あんまりお話に積極的じゃない子が上手くしゃべれるような配慮をもっと戦略的にやりたかったね!グループ分けるときに重要な役を渡すとか。
もう少し絆を深めるなら、フリートークやシャッフルをしても面白いと思う!
沈黙がやっぱり難しいから、音楽を流したり、沈黙にらないような取り組みをあらかじめ全体のルールとして入れておくと良いかも!
オンラインだとどうしても反応が見えず不安になってしまうので事前に聞いているリアクションの示し方(スタンプやスレッド)などを決めておくと良いのかな、って思いました。
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といったような意見も出ました。
中原ゼミのゼミ訓は
フィードバックは「ごちそう」!
きっと彼らは、今度やるときには、さらなる工夫をしてくれるのだと思います。
これは教員としての予感ですが、おそらく、今年の中原ゼミからは「オンライン人材開発」や「オンライン組織開発」を志してくれるひとや、デジタルを使いこなしながらリーダーシップ開発を志せるひとが、きっと、これからたくさん出るのではないか、と思います。
そうやって、一歩一歩、前に進もう。
ピンチをチャンスに変えるというのは、そういうことです。
ゼミの中には、たくさんのノウハウも生まれてきそうです。
そうやって、ひとつひとつ、賢くなればいい。
本当にお疲れ様でした。
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今日は中原ゼミのオンライン合宿の報告でした。
きっと、彼らは、この苦しい時期を乗り越え、4月以降のプランニングをしっかりしてくれるものと思います。
ちなみに、まだまだコロナウィルス禍は消えませんが、今回の試みをとおして、フェイスtoフェイスのときと「まったく同じ」というわけにはいかないけれど、オンラインでも「新人の組織社会化」に貢献できることはたくさんあるな、と思いました。
もちろん、対面状況下で行われる組織社会化、チームビルディングと比べると、全然、パワフル度は違います。
しかし、対面状況とオンラインを比較することが、それほど意味あることとも思えない。
そりゃ、めんと向かって、ひととひとが出会った方がいいに決まっています。
だけれども、今の状況下では、それを四の五の言っても仕方がありません。
オンラインでできることを、一歩一歩、試行錯誤していく他はないのですから。
ゼミ生一同、こんなときだからこそ、果敢にチャレンジしていきたいと願っています。
最後になりますが、企画に携わってくれたともや、しうん、りゅうた、しんたろう、などなど本当にありがとう。心より感謝です。
ゼミ生の皆さん、新学期、また逢える日を楽しみにしています!
そして人生はつづく
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追伸.
僕自身は、オンライン合宿に興じながらも、彼らの行うビデオコミュニケーションを子細に観察していました。下記のようなチャレンジングな課題があるように思います。端的にいってしまえば、
ビデオコミュニケーションとは「心理戦」だなと思いました。
下記は僕のメモ・・・
1.ZOOMでのコミュニケーションでは「反応」がキーになる。
・発話者は「孤独」になる=聴衆が聴いているかどうか不安になる
・発話者に対する反応を決めておくことも「ひとつの手」
・チャットや絵文字を用いた反応もOK
・ビデオ映像で反応するのも「手」(ex. OKサインなど)
2.コミュニケーションでは「沈黙」が不安になる
・とりわけチームワーク課題で「各人が思考」した際には
沈黙になりがち
・ひとつの手は「チーム課題」は最初から与えておき
各人に考えさせておく
3.「緊張感」をもたせるのも、モティベーションを継続するひとつの演出
・慎太郎が行っていた「突然マイクミュート解除」はいい
4.ZOOMがうまくいかなくなったときのために「別線」のコミュニケーションチャネルをもうけるといい
・「slack」や「Teams」などがいい
5.「沈黙」がやや怖いので、BGMをのっけるのも手だが、帯域を食うかもしれないので、これは実験
6.メインのファシリテーターの背後には2人ほど演出担当がいるといい
・「拍手」などを率先して行い、各人の拍手を促すとか
7.今回はりんかなどが、1人1人と1on1をしながら、ZOOMに接続する前に練習をしていたのがよかった。いきなり接続は厳しい。下記のように、個別の情報環境がセットアップされていれば、当日はスムーズになる。
・PCを用いる
(スマホ、ipadなどは厳しい場合が多い)
・自分しかいない静謐な環境で接続する
(カフェなどでは周りの音をひろう)
・1人で用いる
(複数人で用いない)
・安定的なWifi環境で用いる
(テザリングは避ける)
・最初に接続したときはマイクはミュートする
(マイクミュートを中央でコントロールするひとがいてもいい)
・ビデオ接続を必ずおこなう
(インターネットが不安定だとでるひとは、ビデオを切る)
・イヤホンを用いる
(ハウリングを避けるため)
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オンラインの世界からは、かなり離れていたけれど・・・昔の文献などひっぱりだしてきて、また読んでいます。音声のラグがあると、コミュニケーションの困難さはあがるよね。。。でも、今は対面環境とオンラインを比べても仕方がないけれどね。ラグがあろうと、なかろうと、それをどう克服するかを考えなくてはならない。
(Kappas and Kramer 2011 Face to face comminication over the Internet. Cambridge University Press. pp114)
でも、大切なことは、「困難があるから、やらない」じゃないよね。
今、できることを
今、工夫して
今、実践すること
だと僕は信じています。
学びをあきらめない!
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