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2020.2.24 13:49/ Jun

大金はらって「組織調査」で組織を「見える化」しても、現場メンバーが「シャッターガラガラ」で心を閉ざしてしまうのはなぜか?:新刊「サーベイフィードバック入門」予約発売中!

※本日2月25日はブログの記事更新を中止させていただきます。3連休頑張りすぎました。どうぞご笑覧くださいませ! 明日から復活します!
    
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サーベイ(調査)によって明らかになった「データ」に対して、現場のメンバーが、どのような「反応」をみせるのか?
  
現場の管理職は、現場のメンバーがデータを「前向き」に受け取り・解釈して、話し合いに迎えるような「安心・安全な場」を、いかにつくることができるのか?
    
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新刊「サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】」
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 2月28日発売の新刊「サーベイフィードバック入門ー「データと対話」で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】」で、僕が、もっともこだわったのは、この点でした。一般論として「調査」は、取得したデータのなかに因果関係・相関関係を抽出することが目的とされる。でも、「現場を変革するための調査」とは、それ以上に、調査データをステークホルダーがいかに受け取るのか、というところが課題になるのです。
  
 要するに、
  
 現場のひとびとが、データを「受け取る」のか?、受け取らないのか?
 現場のひとびとが、どのような「反応」をするのか、しないのか?
  
 そのうえで
  
 現場の管理職が、前向きな話し合いをファシリテートできるかどうか?
  
 本書を書くにあたり、僕は、この点にこだわりぬいたつもりです。
    
 近年、HRテック、エンゲージメントサーベイ、従業員調査は、確実に多くの会社で取り入れられてきますが、「データをいかに現場にかえすのか?」「データをかえすことで、どのような話し合いを促すか」に関しては、いわゆる【現場任せ】になってしまっているところは少なくありません。
  
 なかには
  
 そもそもデータをかえすか返さないかは管理職に任されていて、多くの管理職は、データを自分の机の引き出しの奥にしまっている
  
 とか
  
 データを返したはいいけれど、現場のひとびとは、心をとざして、シャッターをガラガラと下ろしてしまった!
  
 とか・・・そういう「むごいフィードバック事例」をよく耳にします。
    
 本書では、現場の方々、管理職に読んでもらえるよう、この部分に2章分の紙幅をさきました。
        
 今日は、過去2日の記事に続いて、このことについて論じていきましょう。
       

   
  ▼
   
 まず本書では、現場の管理職が現場のひとびとを集めて、ミーティングをおこなうときの基本型を下記のように「6つのステップ」で論じています。
 基本的には、このステップに従っていけば、「ぺんぺん草もはえないような惨いフィードバックミーティング」によって「オオゴケ」を経験することはないように、対話が組織化されています。
   
     
  
 現場の管理職がファシリテートする対話は、なるべく「タイムリー」に行われなければなりません。フィードバックは「鮮度」が命なのです。ですので、調査を行ってすぐに「熱が冷めない」うちに、フィードバックを行う必要があります。
    

  
 フィードバックの機会では、
  
「何を話すか」も重要なのですが、
「いつ話すか」もまた極めて重要
  
 ということですね。
  

  
  ▼
  
 つぎに、いよいよ現場の管理職がホストになる「話し合い」です。
   
 フィードバックのときに、職場で管理職がどのように話をするかは、例示のスクリプトも用意しています。
 現場のひとびとが心を閉ざしてしまうような「シャッターガラガラワード」をいかに避けて、円滑に建設的な対話に持ち込んでいくかが論じられています。
    

   
 会話のなかでは、現場の管理職が、自分の意見や考えを、どの程度前面にだすのかも問題になるので、それについても解説を加えました。
    

   
 現場の管理職が、目的をしっかり打ち込むことは言うにおよばず・・・
  

   
 メンバーをまじえた話し合いのなかでは、現場の管理職が、データを通じて、いかに自分のビジョンを「ストーリーテリング」するかも、極めて重要です。
  
 そのストーリーテリングを通じて、現場のひとびとにデータを受け取ってもらい、しっかりと現場に変革をもたらす必要があるからです。
  

  
  ▼
  
 もうおわかりのとおり、本書では、このようにかつての書籍では語られることのなかった、
  
・現場のメンバーが、データに対してどのような「反応」をみせるのか?
・現場の管理職が、いかに話し合いをファシリテートするか?
  
 について執筆されています。
  
 HRテック、エンゲージメントサーベイ、従業員調査、教学IR、カリキュラムマネジメントなどなど、各種の調査データを現場にお届けし、何らかの改善や変革を現場にもたらしたい方には、ぜひお読みいただければと思います。
  
 また、そのような方々で、もし本書を気にいってくださったら、現場の方々を巻き込んで読書会などを行っていただければ、より効果的なサーベイフィードバックができることと思います。
  
 2月28日、新刊「サーベイフィードバック入門」、いよいよ発売です。
 どうぞご笑覧くださいませ!
  

  
 そして人生はつづく
  
 ーーー 
  
追伸.
 すこし専門的なことを申し上げると、「察しのいい玄人の皆さん」は、おわかりのとおり、本書で僕が行おうとしたことは「対話の理論、ナラティブの理論(社会構成主義的な解釈学的アプローチ)のエッセンスに、「いにしえのサーベイフィードバックの理論やテクニック」を位置づけなおすこと」でした。
   
 サーベイフィードバックが隆盛を極めていたのは、今から50年前の、1970年代。その当時のサーベイは、そのデータが「組織」を診断し、「理想の組織の在り方」を指し示す、とされています。当時の論文もかなり読みましたが、文献には、科学主義、合理主義の色彩がみてとれます。今からかんがえれば「理想の組織」という言葉自体、「ホンマカイナ」という感じもしますが、そういう時代だったのです。
    
 僕が本書の執筆で狙いを定めたのは、この科学主義、合理主義をいったん相対化しながら、「サーベイフィードバックで得られた数字・データ」を「対話のリソース」「ナラティブを構成するリソース」として位置づけなおし、それらをもとに「いかに現場のひとびとが、自分たちの未来を、自分たちで意味づける場」をつくるか、という問いに焦点をうつすことでした。
  
 もちろん、一般書ですので、そんなことは「難しいこと」は1ミリも書いてありません。
 ですが、やりたかったことはそういうことです。
  
 近年隆盛を極めているHRテック、従業員調査、エンゲージメント調査などの背景にある考え方は、1970年代のサーベイフィードバックの論文の背景に流れていた考え方と、さほど変わらないことがわかります。それほど、この分野は、理論的発展が少なかった
  
 せっかく大枚をはたいて、現場にコストをかけて調査するのですから、ここに「対話」を持ち込み、しっかりと「変革」につながる場を組織化できるのではないか、と僕は思います。
  
 玄人の皆様には、ぜひ、そんな隠された思いも、感じてくださるとうれしいことです。
 

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