2020.2.23 08:07/ Jun
3連休の2日目、皆さんはいかがお過ごしですか?
さて、昨日のブログで、僕は、新刊「サーベイフィードバック入門」のご紹介をさせていただきました。
おかげさまで、「サーベイフィードバック入門」は、AMAZONの「マネジメント・人事管理」カテゴリーで「1位」をたまわり、総合でも30位ほどにランクインしました。早速、ご注文いただきました皆様に、心より感謝いたします。ありがとうございました。
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ところで!「お調子コキ太郎」の小生としては、今日は、全然「別の角度」から、僕が、この本の執筆にかけた思いをお話させていただこうと思います。
その思いは、実は本書の冒頭「はじめに」のところで述べられていますので、すこし長くはなりますが、そこを引用してみましょう。
端的に申し上げますと、僕が、この本の執筆にかけた思いのひとつは、人材開発・組織開発の業界に蔓延する「二分法」を超えて、実務のために有用なことを書き上げる、ということです。
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(はじめにの一部)
なお、本書を執筆するに当たり、僕は「覚悟を決めて取り組んだこと」があります。
それは、「人づくり(人材開発)」や「組織づくり(組織開発)」の領域に存在する、様々な二分法、分断をなるべく乗り越える「知的努力」を為しながら本書を執筆することです。
初学者の方々には、まだわからないかもしれませんが、実は、「人づくり(人材開発)」や「組織づくり(組織開発)」の領域には、様々な二分法、分断が存在しています。
この二分法や分断に、その道のプロフェッショナルが口角泡を飛ばし、現場の人々がそれに翻弄される構図が見て取れます。
見える化するデータは、定量がいいのか、定性がいいのか?
組織開発の手法は、診断型組織開発なのか、対話型組織開発のどちらがいいのか?
組織開発が依拠する哲学は、客観主義なのか、社会構成主義なのか?
いや、そもそも企業に必要なのは、人材開発なのか、組織開発なのか?
僕は、本書をしたためるにあたり、これらの二分法、分断を「いったん脇におくこと」を試み、実務の観点から、それらを統合しつつ論じることに気を配りました。
現場を裏切らないこと、現場に応えることだけを考え、様々な理論的系譜に存在する知を「混合」して取り扱っています。
この本は、僕が、「有用なものこそリアルである」という「プラグマティズム」の極地に、自分の信じるものの価値のなかに身をおいて書いた本です。その道のプロからみれば、本書には、様々な場所に「パラダイムコンフュージョン(異なる理論的系譜にあるものを混合していること)」が含まれるでしょう。
しかし、そんなことは、「現場」にとっては、どうでもよろしい。
わたしたちの「未来」にとっても、どうでもよろしい。
「パラダイム」か「現場」のどちらかひとつを選べ、と言われたら、
僕は「現場」を選ぶ。
「過去の学説」と「現場の未来」のどちらかひとつを選べ、と言われたら、
僕は迷わず「未来」を選ぶ
本書「サーベイフィードバック入門」は、そういう著者によって編まれた本です。
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上記の文章にありますように、「人づくり・組織づくりの現場」には、トレードオフ思考(二分法:あっちが立てば、こっちが立たないという思考)が蔓延っているように、僕には見えます。
人材開発か、組織開発か?
データか?、物語か?
定量か?、定性か?
診断型組織開発か?、対話型組織開発か?
客観主義か? 社会構成主義か?
僕は、どちらの主張をも理解したうえで、この手の「二分法」には、決して、自分自身は「与しない」「関わらない」ことを心に決めています。僕は、僕の道を行く。ただ、それだけです。
そりゃ、ひとつに決めた方が「楽」です。潔いし、気持ちいい。ロマンティシズムを感じられるし、陶酔できる。片っぽの立場から、他方を小気味よく批判すればいい。ひとつの視点から物事を描き出すので、「世界」はよりクリアに見える。
しかし、世界がどんなにクリアに見えようとも「シャバの世界」はそうなっていない。
シャバの世界は、
・常に現在進行形で
・複雑怪奇な要因が絡み
・政治的にドロドロで
・魑魅魍魎な不確実空間
なのです。
そこは
「ひとつの理論」だけを頭にたたき込み
「おめめ」をキラキラさせて
「ひとつの武器」を片手にもつだけで、しのげる世界ではない。
僕は「シャバの課題解決」はそういう「二分法」に陥っている場合ではない、というのが僕の立場です。おそらく、「シャバの課題解決」は、「ひとつの武器」「ひとつの視座」では戦えない。いろいろな「理論的レンズ」をもち、いろいろな「武器」「防具」を手にして、現実と格闘し、課題解決を行わなければならない。
本書「サーベイフィードバック」は「実践をめざした入門書」です。
だからこそ、本書を執筆する著者としては「プラグマティズム(実用主義)の極地」に身をおき、有用だと思われるものを、何でもブリコラージュ(組み合わせ)しながら、用いていく柔軟な姿勢を貫くべきだと思いました。
今回、本書では「サーベイフィードバック」という営為を扱いました。
サーベイフィードバックとは、
1)組織調査(従業員調査やHRテックを含む:サーベイ)によって職場・組織をデータによって「見える化」することを通して、
2)そのデータによって、職場メンバーが対話を行いつつ、組織を変革する手法
です。
そして、このようにドロドロの実践をともなうからこそ、
サーベイフィードバックとは「異種格闘技」なのです。
今回、この本のサーベイフィードバックの手続きを書くにあたり、1)調査手法やデータ収集の部分は「古典的な理論」を用いながら書いています。一方、後者の2)フィードバックや対話の部分は、構成主義や物語論的なソリューションを用いながら、書いています。
それが「現場の皆様に受け入れられる記述」になったか、「目も当てられないクソ本」になったかは、どうぞ読者の方々の判断に委ねたいと思います。
「パラダイム」か「現場」のどちらかひとつを選べ、と言われたら、
僕は「現場」を選ぶ。
本書「サーベイフィードバック入門」は、そういう著者によって編まれた本です。
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サーベイフィードバック入門は、2月28日、いよいよ発売です!
どうかご笑覧くださいませ!
まだ詳細は決まっておりませんが、3月・春には、オンラインで読書会などもやってみたいなと思っています。また、そうした場でお会いしましょう!
サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】
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