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2019.12.17 09:40/ Jun

あなたは「自分の上司」とともに「泥船」に乗って「死の航海」をしていませんか?

 上司である「あなたの影響力」は、「あなた個人」だけで決まらない
 部下は、「あなたと、あなたの上司との関係」を、いつも見つめている
 あなたが「部下」を動かせるかどうかは、あなたと「上」との関係による
   
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 せんだっての、大学院・中原ゼミでは「リーダーの上方影響力と下方影響力」についての議論をしました。
 高橋さんによってまとめられた重厚なレジュメをもとに、議論ができたことは、なかなか楽しいものでした(お疲れ様&感謝です!)。
  
 今日は、そのお話をしようと思います。
  
  ▼
  
 まず、「リーダーの上方影響力」とは、あるリーダーが「自分より上位のものに対して、どの程度の影響力を行使しているか」ということです。
 このパワーが強ければ強いほど、そのリーダーには「ボスを動かす力(Boss mamanement)」があるのだとされます。
  
 一方、「リーダーの下方影響力」とは、「あるリーダーが、部下に対して行使する影響力」です。これは、シャバでは、「リーダーシップ」と形容されます・・・要するに「部下を動かす力」です。通常、研究のメインの焦点は、この「部下を動かす力」に焦点があてられがちです。
  
 しかし、すこし考えてみると、一般に「別物」のように考えられる「上方影響力」と「下方影響力」とは密接に絡み合っていることがわかります。
  
 とりわけ、
    
上方影響力(ボスを動かす力)は、下方影響力(部下を動かす力)に大きな影響を与える
  
 ことがよく知られています。
  
 これが古典的な研究ですが「Pelz効果(ペルツ効果)」と呼ばれているものです。1951年の研究で、Pelzという研究者が、この効果について述べたので、その名前が冠されています。
  
 冒頭で、僕は、下記のように申し上げました。
  
 上司である「あなたの影響力」は、「あなた個人」だけで決まらない
 部下は、「あなたと、あなたの上司との関係」を、いつも見つめている
 あなたが「部下」を動かせるかどうかは、あなたと「上」との関係による
  
 Pelz効果に関しては、皆さんも思い当たるところがあるのではないでしょうか?
   
 たとえば、あなたに上司がいるのだとします。
  
 その上司が、上から「ケチョンケチョン」に言われ、目をつけられているとします。さらに、その上司には、上を動かす能力がないのだとしたら、あなたは、その上司に心から心酔し、ついて行きたいと願うでしょうか?
  
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  ・
  
 これ、いやだよね。
 だって上から目をつけられてる「泥の船」に誰も同じ乗組員として乗船したいと願わないでしょう。
  
「泥船」にのって「死の航海」するのはいやだよ、誰だって。
 行くなら、ひとりで行ってくれ(笑)
  
  ▼
  
 今日は、リーダーのもつ「上方影響力」と「下方影響力」のお話をしました。一見別物に見える、それらも、密接に絡み合っている。組織とは、まことに「複雑怪奇」なものです。
  
 卑近なところでは、リーダーの中には、「自分の上司の悪口をいうひと」もいますよね。それが、部下の目から見たら、どのように見えるか・・・そういうことも考えた方がいいかもしれませんね。
  
 あなたは、上をどのように動かしていますか?
 あなたの部下は、そんなあなたを、どのように見ていますか?
  
 あなたの上司は、「さらに上」とはどのような関係にありますか?
 あなたは、上司とともに「泥船」に乗っていませんか?
 
 そして人生はつづく
  
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