2019.10.28 06:56/ Jun
「学びの機会」を貪欲にとらえて、「自分の糧」にするひとがいます。
一方で、
どんなに機会を与えても、自ら動こうとせず、何もしない人もいます。
教員というものをやっておりますと、そういう、なんとも「もどかしい場面」に、毎週、一回は遭遇するのではないでしょうか?
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本来ならば、教員として「機会を活かして欲しい」のは「これまで、自ら動こうとせず、何もしなかった人」です。しかし、現実はそう甘くありません。
たいがいの場合、教員が与えた機会を貪欲に活かそうとするのは「これまでも、機会をとらえて、自分の糧にしてきた人」なのです。
本来動いて欲しい層は、てこで押しても、ブルドーザーで引いても、動きません。どんなに機会を与えても動かずに、「学んでいない」と不平を述べる。全く「不燃」ということもないのですが、「難燃」であることは間違いございません。
ここで、わたしたちは「皮肉なテーゼ」に至ります。
ひとつ、あなたが「よかれ」と思ってつくった「学びの機会」は、「本来届いて欲しいひと」には届かない
ひとつ、あなたが「よかれ」と思ってつくった「学びの機会」が届くのは、本来、そうした機会が必要ではない層(自ら動ける層)である
結論、あなたが「よかれ」と思ってつくった「学びの機会」は、「動ける層」と「動けない層」の格差を拡大する
結局、
動くひとは、動く。
動かない人は、動かない
ただ、それだけのことなのです。
しかし、高等教育機関の教員としては、だからといって、「学びの機会」をつくらないわけにはいきません。だからといって、あきらめるわけにはいかない(笑)。教員というものは、なかなか「あきらめられない存在」なのです。
「動かないこと」は「動かないことを選択している層」の「主体性」です。その「主体性」を最大限尊重しつつ、やはり、教員として「よかれ」と思っていることを、為そうと思います。いつか、それが「届くこと」を夢見て。
要するに「ほっとけない」のです。
ため息を漏らしつつも、自己嫌悪に陥りつつ、ついつい、こんな言葉が、口にでます。
「君にとって、本番は、いつくるんだ?」
「君の本番は、今日じゃなくて、いつでも明日だよね」
なんとも、もどかしいものです。
でも、教員が下を向くわけにはいきません。
そろそろ「本番」にしようよ
あなたの「本番」はいつ来るんだ?
ま、オレは諦めないからね。
おれと、根性勝負だな
そして人生はつづく
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