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2019.10.3 06:28/ Jun

ひとは、年をとると、なぜ「話」が長くなるのか?:「小話モリモリ」と「権力への甘え」で「御大」が生まれるメカニズム!?

 ひとは、年をとると、なぜ「話」が長くなるのか?
    
  ・
  ・
  ・
  
 先日、まったく暇こいてるわけではないのですが、電車のなかで、この問いについて考えてみました。
  
 といいますのは、僕自身も、ここ5年ほど、話が長くなってるな、という自覚があるからです(自爆・・・ちゅどーん)。
 15年弱前の30歳のときと比べると、たぶん、当社比「120%増量」(自爆)。
 なんとかかんとか、話が長くなるのを抑制しようと、躍起になっています。
  
  ▼
  
 僕自身も、まだ血気盛んで、鼻息をフンフンとしていた若い頃には、話の長いひとを見るにつけ、
  
 このひとの話は、要約すれば、20文字でまとまるな
  
 とか
  
 このひとの話は、最初の5分で結論がもう見えてるな
  
 とか、思っていたものです。憎たらしい。
 僕自身も、かつては、それほどまでに、話が長いことを嫌悪していた。
  
 しかし、「そこまでひどくはない」とはいえ、僕も話が長くなっている(自爆)。
  
 今日のブログでは、それがなぜかを考えてみました。
 思いついた要因は5つ。
  
 1.エピソード量の増加
  
 2.刺さらない小話の冗長な繰り返し
  
 3.権力への甘え
  
 4.時間通りに終わらないことに対するNo feedback状態
  
 5.年齢があがるがゆえの登壇機会の増加
     
 以下では、それをそれぞれ論じてみましょう。
  
  ▼
    
 1「エピソード量の増加」とは、まず、そもそもにして、年を重ねて経験が増えているだけ、話すネタ、エピソードが豊富になり、話が長くなる、ということです。これは本当にそう思う。
  
 かつてだったら、「ひとつのトピック」に、「ひとつの小話」を入れていたものが、過去の経験がますだけ「小話」が、あれよあれよと、増えていく。
  
 どんどんと、小話が盛られていくわけだから、当然、話が長くなる、ということです。
  
 小話モリモリ
  
 ▼
  
 2「刺さらない小話の冗長な繰り返し」とは1に連動して起こる。
  
 ひとつのトピックについて、さして重要でもない小話を繰り返していくわけだから、聞いている人は、だんだんと「この人が何を言いたかったのか」がわからなくなっていく。
  
 また、加齢と同時に、取り上げられる小話自体が、古いものになったり、時代にあっていないものになっていくと、なおさら、聴衆は、目の前の論者が「何を言いたいのか」がわからなくなる。小話にもついていけない。
  
 かくして、モリモリと展開される小話は、聴衆にはあまり「刺さらない」
  
 そうすると、「きょとん」としている聴衆をみて、講演者は、余計に「伝えよう」と思い、さらに話を盛っていくのです。
  
 伝わらないから、盛る。
 盛るから、伝わらない。
 伝わらないから、盛る。
 盛るから、余計に伝わらない
  
 この繰り返し。
  
 ヘイYO。 
 さ、そろそろ、話が長くなるデフレスパイラルが回ってきたYO。
   
  ▼
   
 そこに今度は3「権力への甘え」が、頭をもたげる。
    
 いわゆる「長幼の序」が浸透している、この国では、やはり年齢があがればあがるほど、「権力らしきもの」を持ちやすくなる傾向がある。
 論者、演者の年齢があがればあがるほど、聴衆や主催者が、年齢の下のひとの可能性が高くなる。
  
 そうすると、論者・縁者は、だんだんと「権力に甘える」ようになる。
   
 かくして「権力への甘え」は「時間通りに終わらなくても、聴衆も主催者も、許してくれるだろうという甘え」に転化していく
  
 そして、いよいよ「たが」が外れるのです。
  
 パーン、と音がしたYO
 マヂかYO?
  
 かくして、権力をもった人には、誰も、何も言わなくなる。
 そうすると、4「時間通りに終わらないことに対するNo feedback状態」あるいは「No claim状態」が生まれる。
  
 さらにさらに、たがが外れる。
  
 パーンパーンパーンと音がしたYO
 マヂうけるYO
  
  ▼
  
 しかし、それでも皮肉なのは、「年齢」があがるがゆえに、職位や立場などがあがり、人前で話す機会は増加してくるのです。
  
 どうしようもない小話ばかりで、焼き畑みたいなプレゼンなんだけれども、それでも、権力をもった人だから、と登壇機会が増える。
  
 そうすると「負の学習」は猛烈な勢いで進行する。
   
 エピソード増加、小話モリモリ、権力に甘えて、NO Feedbackでも、それにもかかわらず、登壇機会が増えるんです。ひとに求められてる。承認されるんです。
  
 そうか、これでいいんだ
  
 と「負の学習」の無限ループが回る。
  
 合掌
 チーン
 いっちょあがり。
  
 ちなみにね・・・こういう状況が生まれたら注意!
 まず、自分の名前に「節」をつけられて、自分の登壇やプレゼンを「評される」ようになったら、注意が必要です。
 たとえば「中原+節」、「中原節」のように。
  
 久しぶりに「ほげほげ節」を聞きました!
 「ちょめちょめ節」は相変わらずですね!
    
 恐怖、中原節(笑)。
  
 あとね、自分のことを誰かが「御大」と呼ぶようになったら、かなりの確率でやばい。
 ていうか、もう詰んでる。
  
 要するにね・・・かなりの確率で、
  
 話が長い
  
 って、みんな、心の底で、言いたいんだよ。
  
  ▼
  
 今日は、自戒をこめて、話が長くなるメカニズムを論じてみました。
 わたしも気をつけます。毎日毎日、話を短くするように言い聞かせてる。
  
 あなたの周りには、最近、小話が増えているひとがいませんか?
  
 あなたの周りには、「時間通りに終わらなくてもいいや」を学習しきったひとはいませんか?
  
 あなたは、最近、自分の登壇やプレゼンにフィードバックをもらっていますか?
  
 あなたは、最近、「ちょめちょめ節」をぶちかましていませんか?
   
 「何を話そうか」を考え、話を長くすることは簡単。
 「何を話さないか」を決め、話を短くすることこそ難しい
  
 そして人生はつづく
  
  ーーー
      
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