2019.8.27 06:32/ Jun
個で考え、みなで対話し、個に戻す
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桐蔭学園理事長であり、盟友の溝上慎一先生は(以降は、いつものように、溝上さんと呼称させていただきます)、「効果的なアクティブラーニング」のためには、こうした「個と全体の往還活動」が重要だと、と指摘なさっておられます。
アクティブラーニングといいますと、一般には「みなで対話すること」がとにもかくにも重視される。個よりも「全体」、考えるよりも「活動」が重視される傾向があります。場合によっては、ウェイウェイと活動することが、よしとされる傾向がある。
しかし、溝上さん曰く、もっとも重要なことは、
「みなで対話」をする「以前」に、しっかりと「個(個人)で考えさせる時間をもつこと」
そして、
みなで対話した「あと」にも、やはりしっかりと「個にかえって、考えさせること」
だといいます。まさに我が意を得たり、慧眼です。
それではいったい全体「個で考えさせる」とはどういうことか?
溝上さんが推奨するのは「書くこと」です。
みなで対話を行う前に、ワークシートや発問に応じて、しっかりと「個で考えをまとめ、書かせること」。効果的な学びにとっては、これが決定的に重要であると、溝上さんは指摘なさいます。
素晴らしいご指摘です。
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先日、これに関して、深く考えさせられることがありました。以降は、恥を忍んでお話しします。
実は、せんだって、学部のゼミ生とともに、南山大学の中村和彦先生と、中村ゼミの皆さんが主宰し、開催された組織開発のワークショップ(3大学合同ワークショップ:南山大学中村ゼミ・玉川大学川本ゼミ・立教大学中原ゼミの3ゼミ合同合宿)に参加させていただいておりました。
合宿自体は、素晴らしい企画と進行で、3大学合同で、深く「診断型組織開発」を学ぶ機会になりました。この場を借りて、中村先生、中村ゼミの皆さんに心より感謝いたします。
合宿では、グループワークで診断型組織開発を学んだのですが、その各所に、「振り返りの時間」がもうけられていました。そして、この「振り返りの時間」に
「個で考え、みなで対話し、個に戻すこと」
が重視されておりました。
みなで対話をするまえに、しっかりと書く。
対話をしてから、やはり書く。
書くこと、話すこと・・・じっくりと数日かけて行われた濃厚なワークショップの至る所に、こうした往還的な学習活動が組み立てられていました(素晴らしいことです!&大変お世話になりました)。
すると、そこに参加していた中原ゼミの学生が、僕に、こんなことを言っていました。
「先生、うちのゼミの振り返りは、薄っぺらい。わたしは、こんなに濃密に振り返ったことがなかった。ちゃんと書かなきゃだめだと思います。薄い振り返りしかなされていない」
ぐうの音もでません。
スパイシーすぎる。
しかし、あなたは正しい。
そう、ああ、「汗顔の至り」なのですが、そうなのです。
ゼミの時間は100分、たいして合宿は3日という時間的猶予の違いはたしかにあります。
しかし、ときに振り返りを行うときに、しっかりとした時間をかけて行うことを行えていなかった、という実感は教員である僕にもあり、ものすごく反省しました。
これではいかんな、と。
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しかし、この問題はさらに根が深いのです。
正確にいうと、昨年、現大学に赴任(移籍)してすぐの頃は、学生たちが行う「短い振り返り」に僕は違和感を感じていました。「時間をかけて、しっかりと考えさせて、振り返らなきゃダメだ」と考えていました。
そのことは、赴任してから半年にかけて付け続けた「違和感ノート」にしたためられているのです。
しかし、そこで1年半過ごすことで、僕も、だんだんと「当初の違和感」をもたなくなってしまっていた。
今回、そのことを深く反省できたことは、僕にとっては、とても大きな収穫でした。
このままじゃ、あかんな。
この問題・・・学生たちとしっかりと考えていきたいと思っています。
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今日は、学びにとって、振り返りにとって「個で考え、みなで対話し、個に戻すこと」は重要だ、ということを書きました。反省至極です。
そういえば、昨日、参加した研究会(この話題は、また別の機会に書かせていただきます)では、こんな名言を目にしました。
「書くことができないのなら、あなたは、それを知らない」
(Allport)
あなたは、みなで対話するまえに、しっかりと自分の頭で考えていますか?
あなたは、学習者を対話させるまえに、個で問題に向き合う時間をもたせていますか?
反省至極、人生再挑戦
そして人生はつづく
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フィードバック入門等で御一緒させていただいているPHPさんで、登壇の機会をいただきました。「部下育成のスキルを伸ばす」というテーマで、1on1やフィードバックのやり方、効果について講演させていただきます。9月10日・東京開催です。どうぞお越しいただけますと幸いです!
9月10日・東京開催「部下育成のスキルを伸ばすー1on1とフィードバック」
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