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2019.7.16 06:44/ Jun

新卒採用は「楽勝」だったのに「中途採用」で「めちゃめちゃ苦労」する人がハマりやすい「3つの罠」!?

「中途採用の面接と新卒採用の面接は「違う」んです。「過去に自分が経験した新卒採用時の面接の常識」をアンラーン(学習棄却:学び捨てること:Unlearn)できていない方が、中途採用面接では苦労するんです」
   
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 ここ半年、不肖・中原は、パーソル総合研究所とパーソルキャリアさんとの共同研究で「転職学」というプロジェクトに邁進しています。「転職学」は、「学習の視点」と「トランジションの視点」を組み入れた「離職ー転職ー定着」にまつわる一連の研究群です。プロジェクトは、半年にわたり活動をすすめ、せんだって、第一回目の6000人規模の調査を終えたところです。
  
 中原が、このたびコラボさせていただいているのは、今回3回目のタッグを組むパーソル総合研究所の小林さん、櫻井副社長、渋谷社長です。パーソルキャリアの吉村さん、平田さん、影山さん、藤田さんを中心に、ときおり、doda(デューダ)編集長の大浦さん、執行役員の勝野さんらにフィードバックをいただきながら、プロジェクトが進行しています。ありがとうございます。
 かくして、多くの方々との議論の中から、「離職ー転職ー定着」を一気通貫する「転職学」という「新たな研究領域」を生み出していきたいと考えています。
    
  ▼
   
 ところで、この「転職学」のプロジェクトの、せんだってのミーティングのなかで、議論になったのが冒頭の台詞です。
  
 どのような中途採用面接では、どのようやりとりを行えば、それを突破することができるのか。
 逆にいうと、中途採用面接の阻害要因となるものは、いったいぜんたい、何か?
  
 この一連の問いに対して、「中途採用面接」を「新卒採用」と対照づけて考えたのが、せんだっての会合でした。
   
 中途採用面接は、新卒採用面接と「違い」があるので、そこでつちかった「面接スキル」や「面接の作法」が、そのまま通用するわけではない。場合によっては、「新卒採用でつちかった経験をアンラーンしなければならない」ということも起こりえる。
  
 冒頭の問いは、こうしたことを示しています。
   
 それでは、新卒採用の面接と、中途採用の面接では、いったい何が違うのでしょうか?
 あなたは、どのように思われますか?
  
  ▼
  
「差異」に向かう前にまずは、新卒採用面接と中途採用面接の「共通点(同じところ)」から。
  
 実は、新卒採用においても、中途採用においても、面接官と求職者のあいだで消費されているものは「物語」であるという点については、どちらも変わりません(ストーリー論で面接を語るならば)。
   
 人間の能力やスキルというものは「目には見えません」。
 よって、面接官とは、「ストーリー」という代替物において、潜在的な人間の能力やスキルを推定することしか、できません。
 かくして、面接において最も多く消費されているのは「課題解決のストーリー」です。
  
 すなわち、面接においては新卒採用においても、中途採用においても、
  
 1.他でもないあなたは、
 2.過去の人生をいかに過ごし、
 3.何を「課題」として設定して
 4.みずから、どんな仮説をもって
 5.どんなことを、他者と成し遂げ
 6.どんな成果をだしてきてきたのか?
 (だから、わたしは・・・な能力・スキルがあり・・・な貢献ができる)
        
 という「首尾一貫したストーリー」が求められます。
 これらと「志望動機」と「志望理由」が首尾一貫性・合理性をもつことが重要なことはいうまでもありません。
   
 しかし、ここから先は違う。
 新卒採用と中途採用の差異は、ここから先の「ディテールの違い」にあるのではないか、というのがプロジェクトの話し合いで出た仮説です。
   
 新卒採用と中途採用の面接を比較すると、
   
 1) 主語が変わる
 2) 貢献対象が変わる
 3) 未来の語り方が変わる
    
 という差異が認められるのではないか、という妄想的仮説を、わたしたちは議論しておりました。
 これを以下、見ていきましょう。
 
  ▼
   
 1) 主語が変わる
 2) 貢献対象が変わる
 3) 未来の語り方が変わる
  
 まず、1) 主語が変わるとは、「面接で開陳されるストーリーのなかで、もっともハイライト(強調)しなくてはならない部分が、「わたしが・・・」ではなく「会社が(事業が・部署が)・・・」に変わるということです。
  
 新卒採用面接のときには「わたしが・・・する」「わたしが・・・できる」を語ることが求められた。しかし、中途採用では「わたしが・・・する」「わたしが・・・できる」のは、もはや「あたりまえ」である。
  
 さらに「その先」に「わたしが・・・したこと」「わたしが・・・できること」(手段)によって、「会社「が」(事業が・部署が)どんなメリットを享受できるのか」を語らなくてはならない、ということになります。
   
「わたしが」のストーリーから「会社が(事業が・部署が)」のストーリーに変わるところがもっともきをつけなければならないポイントかと思います。
 「わたしが・・・する」「わたしが・・・できる」とは、中途採用においては、もはや「手段」です。そのことによって「組織内部に、どんなメリットが生まれるか」を語れるかが重要なのではないか、ということです。
  
  ▼
  
 次に2)貢献対象が変わる、です。
  
 これは、新卒採用の面接のときは、「この会社に入りたい」「この会社に貢献したい」というかたちで、貢献対象が「会社(全社)」を意味するとことが多かった(職能給制度の日本企業は、たいてい、そうでしょう・・・なぜなら、まだ配属がなされていないし、職務で採用されているわけではないから)
  
 しかし、中途採用のときには、これが変わる。むしろ「この事業に貢献したい」「この部署に貢献したい」「この仕事に貢献したい」という風に、より貢献対象が「ミクロ化」する。
  
 新卒採用のときは許容されていた「貢献対象の曖昧さ」が、中途採用においては「貢献対象が焦点化」する。このことに気づかないでいると、かなり痛い。
  
 あなたは、中途採用面接で、うすらぼんやりと、会社に貢献したい、と述べていませんか?
  
  ▼
   
 最後に、3)未来の語り方が変わる、です。
  
 これは新卒採用のときは、「わたしは、将来・・・がしたい」「わたしは将来・・・をやりたい」と「曖昧な未来」をうすらぼんやりと語ればよかった。しかしながら、中途採用においては、未来の語り方が変わる。
  
 中途採用においては、未来を語るときには「これまでの過去(過去の業務経験)」と「つながり」のある「未来」を語らなくてはならない。別の言葉でいえば、未来を語るときに、「自分の過去の経験」をアナロジーにしながら、ストーリーを語ることが求められる。
  
 新卒採用のときには許容されていた「曖昧な未来の語り方」が、中途採用でも許されると考えていると、「かなり痛い子」になってしまう。
  
 あなたは、うすらぼんやりと、未来を明るく語っていませんか?
  
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  ・
  
 ほらね、新卒採用と中途採用は、こんなに違う(笑)。
    
 だから、新卒採用の面接をしっかりとアンラーンしておかないと、中途採用の面接はうまくいかないのではないか、ということですね。
   
 もちろん、他にももっとアンラーンしなくてはならないものもある。
 それが新卒採用時に入社できた「会社の格」です(社格というそうです・・・僕ははじめて知りました!)。
  
 中途採用時には「新卒採用のときに入社できた会社の格」=「社格」を、「現在の自分の貢献価値」が維持できるかはわからない。ひとによっては、「新卒採用のときに入社できた社格」を、一生維持可能な「偏差値」のようなものと勘違いして、アンラーンできないひともいる。このケースでも、転職では、非常に苦労します。
  
 転職は、いずれにしても、自分を知ること(Self-Awareness)が重要ですね。
  
 この世で一番遠い場所は「自分自身の心」である
 (寺山修司)
  
 ▼
  
 今日は、新卒採用と中途採用面接では、いったい、どのような違いがあるのか、ということを、「アンラーン(学習棄却)」という観点から考えてみました。
  
 今、転職をうっすら考えているあなたは、新卒採用をアンラーンできていますか?
 新卒採用の常識をひきずりながら、転職市場にでてきていませんか?
  
 そして人生はつづく
  
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日本初!立教大学に「人づくり・組織づくり」の大学院新コース「リーダーシップ開発コース」2020年より設置 Webサイト
https://ldc.rikkyo.ac.jp/
       

2019年度 リーダーシップ開発コース説明会開催
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/2019/0701-02/
   
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