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2019.7.4 06:42/ Jun

組織のなかで死んでいくのは「ゆでがえる」ではなく「オタマジャクシ」であるという「ホラームービー的現実」!?

「今日の組織」では、多くのひとびとが「死んでいる」
「肉体的」にではなく「精神的」に
  
  ・
  ・
  ・
  
 衝撃的なセンテンスを多々用いることで、今、「日本の多くの組織が陥っている病」を的確に表現している書籍に、ロバート・クイン(ミシガン大学大学院・教授)の書いた「ディープ・チェンジ(Deep Change : 根本から変わる)」があります。組織変革を考えているひとにとっては、定番中の定番の書籍です。
  

  
 組織が「現実」から目を背け、「緩慢な死」に向かうのか?
 それとも根本的変化(ディープ・チェンジ)に挑み、未来を切り開くか?
  
 そして、「組織にいる個人」はどうするのか?
 あなたも自ら「ディープチェンジ」を行うのか?
 それとも「精神的に死んだ」状態で、組織に生きるのか?
  
 要するに、この本が問うているのは、上記のような問いです。
  
 ズドーン。
 
「早朝バズーカ」で一撃的な問いですな。
(高田純次がサンコンを早朝バズーカでたたき起こす企画がありましたね・・・懐かしい。わからないひとは、ぐぐって映像を見てみよう!)
  
  ▼
  
 ところで、この本の中盤、非常に興味深いお話が展開されます。
 組織変革本ではよく知られている「ゆでがえるの悲劇」という事例が引用され、さらに、それが「おたまじゃくしの死」というメタファにまで昇華されています。これがまことに素敵。とても印象的です。下記、同書(p35-36)を引用しながら、これらを説明しましょう。
  
「ゆでがえるの悲劇」とは、組織変革の本では、おなじみの寓話ですね。
「一匹の生きたカエル」を「煮えたぎった鍋の湯」のなかにぶち込むと、びっくりして、鍋からは飛び出す。よって、カエルは死なない。
  
 しかし、今度は「生きたカエル」を「鍋の水」のなかにいれて、徐々に徐々に加熱していくと、カエルは、その状況変化に気づくことなく、加熱されて、やがて死んでしまう、という話です。
  
 このカエルと、組織のなかにいる個人を喩えて、よく組織変革本では引用されます。
 すなわち、組織の中のメンバーが、組織のなかで徐々に腐っていくときも、これと同じです。
 徐々に加熱されてはいるけれど、それに気づかず、「いつのまにか茹で上がっているカエル」は、「周囲で行っている変化」に気づかず、徐々に「緩慢な死」に向かっていく組織の個人に喩えられています。
  
 ところで、この本では、この事例をさらに発展させ「オタマジャクシの死」というメタファに昇華させています。
 これが素晴らしい。
   
 つまり、こういうことです。
  
 徐々にゆでられて「緩慢な死」を選ぼうとしているカエルのなかには、老獪なカエルがいるのです。つまり、「徐々に水の温度があがっていること」に気づいているカエルがいる。ただし、老獪なカエルは動きません。なぜなら、彼は知っているからです。
  
「あと数年、持ちこたえれば、自分だけは鍋の外に出してもらえる。
あとすこしだけ知らぬ存ぜぬのふりをしていれば、次の世代に責任を押しつけることができる」
  
 おわかりでしょうか。
 「動かない老獪なカエル」とは、このまま動かなければ、組織のメンバーがみな「緩慢な死」に向かうことはわかっていながら、ただただ持ちこたえているカエルなのです。それでは、このカエルは誰でしょうか。当然のことながら、老獪な年長者であり、経営陣ですね。
  
 老獪なカエルは、あと数年すれば、問題を何一つ解決しないまま、鍋の外に自分だけ出してもらえます。
 そして鍋のなかに残されるのは・・・次の世代(若い世代)=オタマジャクシです。
  
 だから「オタマジャクシの死」(笑) 
  
 ズドーン・・・またまた早朝バズーカ(笑)。
  
 
 
 いやいや、この話、身震いしませんか?
 僕は、ホラームービーを見たかのように、身震いした。
 
 ていうか、日本のそこら中の組織で「あるある過ぎて」、首もげそう(笑)
 「動かぬ老獪なカエル」と「死んでいくオタマジャクシ」、めちゃくちゃ、いそう。
 
 ちなみに「死んでいくオタマジャクシ」の葬式には「老獪なカエル」は出ないからね。
 今頃、軽井沢の高原の朝を楽しんでいるよ。
 
 ダバダー
 
 とコーヒーをすすりながら。
 
  ▼
  
 今日は組織変革について考えるため、ディープチェンジをご紹介しました。「オタマジャクシの死」の寓話から、皆さんは何を感じ取りましたか?
    

  
 あなたの組織には、あと数年たてば鍋の外に出してもらえる「老獪なカエル」がいませんか?
 あなたの組織には、水温の上昇に気づかず、無邪気に明日を夢見て泳いでいるオタマジャクシがいませんか?
 あなたは、無邪気におよぎ緩慢な死をまつ「オタマジャクシ」になっていませんか?
 
 動くことも「選択」
 動かぬことも、また「選択」
  
 そして人生はつづく
  
  ーーー
   

日本初!立教大学に「人づくり・組織づくり」の大学院新コース「リーダーシップ開発コース」2020年より設置 Webサイト
https://ldc.rikkyo.ac.jp/
    

2019年度 リーダーシップ開発コース説明会開催
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/2019/0701-02/
  
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