2019.6.25 06:35/ Jun
※6月26日(水曜日)は、所用にてブログの更新をお休みさせていただきます! また明日、お逢いしましょう!※
我が社の管理職が100名が一同に会する場があるのですが、その1時間をつかって、コミュニケーション能力を高められないでしょうか?
社長以下、管理職200名が集まる会合が年に一度あるのですが、その場で、マネジメント能力を高めることができないでしょうか?
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昨日、わたしは、人材開発・組織開発の「あるあるご依頼」として、下記の2点を書きました。
「チョメチョメ型の研修をしたい」とご依頼を受けた案件は「チョメチョメ型研修」に「着地」しない
「組織開発をしたい」と言われた案件は「組織開発」に「着地」しない
「組織開発をしたい」と言われた案件は「組織開発」に「着地」しない!? : 「何」と闘うかを考えて「武器」を選ぶ!?
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/10410
この記事、いくつかの会社の人事部やら経営企画部やらで回覧をいただいたようで(どうぞどうぞご自由に回覧なさってください・・・もし、回覧しても、怪しい壺の案内が届くことはありません)、調子にのって、今日は、別の角度から「人材開発あるある」をお話ししましょう。それが冒頭のものです。
我が社の管理職が300名が一同に会する場があるのですが、その1時間をつかって、コミュニケーション能力を高めるような講演ができないでしょうか?
社長以下、管理職200名全員が集まる会合が年に一度あるのですが、その場で、マネジメント能力を高める講演ができないでしょうか?
こんな依頼、皆さんは受けたことがないですか?
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さて、この問題、先方には様々な事情があることも承知しております。また、年に複数回、小さなグループにわけて、管理職を呼ぶことが難しいこともよくわかります。
しかし
1.数百名を相手にした講演スタイルで
2.講演内容に必然性や必要性も感じていない管理職を相手に
3.1時間、どんなにお話ししたところで
4.おそらく、ねらう「能力向上」は果たせない
だろうな、と僕は思います。
よく考えてみて下さい。
子どもに「自転車に乗るスキル」を教えるときと、ほぼ同じことです(たとえが子どもで恐縮です)。
子どもに自転車を教えようとするとき、数百名の子どもを集めて、1時間の講演を行って、乗せる人は、ほぼいないはずです。
子どもに自転車を乗るスキルをつけさせいのなら、実際に自転車に乗せなくてはならない。
そのうえで、最初はサポートをしながら、どこかで手を離さなくてはならない。
世の中で大切なものは、手をかえ、品をかえ、現場での実践を通しながら、サポートを通して学び通せるものなのです。
ですので、まことに心苦しい気持ちをもちつつも、こうしたご依頼も、確実なインパクトをお約束することができないので、わたしはお引き受けすることができません。せっかくの1時間を他の内容にお使いになったほうが、経営にインパクトをもたらせると確信します。
一方で、この問題は、かけるコストに対して「登る山の高さ」が「エベレスト級」に高いことが原因でもあります。
「数百名への講演で、1時間で、能力を高めなければならない」というのは、エベレスト級の課題です。しかも、数百名の講演スタイルなので、もっている防具(装備品)は、Tシャツと短パンみたいなものです。
Tシャツと短パンでエベレストにアタックしようとするのは、ほぼほぼ「自殺」ではないでしょうか。
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もちろん、「登る山の高さ」を、ぐぐっと下げることもできます。
たとえば、この講演のあとで、管理職研修をシリーズでうっていくので、その意識付けを1時間で行う、ということであれば、いっきに「登る山の高さ」が下がります。
いかがでしょうか?
あなたの研修の「登る山の高さ」は、適切でしょうか?
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今日は研修にかけるコストとゴールについてのお話をしました。
この問題、現場の苦悩は痛いほどわかるので、お話しするのも気が引けました。が、「コストに応じたゴールを設定しなければ、不幸になるのは学習者」ということで思い立ち、今日のお話をさせていただくことにいたします。
あなたの研修の「登る山の高さ」は、適切でしょうか?
そこに、いくらのコストをかけた、どんな装備品をもっていきますか?
そして人生はつづく
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