2019.6.13 06:18/ Jun
「明日の受講生」は「他人」である
「クドイくらい」が「いい案配」
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人材開発などの研究をしておりますと、仕事柄、研修やワークショップなどをお引き受けすることが少なくありません。研修やワークショップなどの世界も、最近は、少しずつですが、そのデザインが変わってきております。
わたしの目からみた研修業界に訪れている、もっとも大きな変化は、下記のようなものです(たくさんの変化がありますが・・・)。端的にいえば、「研修で学んだ内容」を、「現場で実践すること」を含みながら、研修が進行するスタイル」に変わってきている、ということです。
1.研修で学んだ内容を現場で試すことーすなわち「研修転移」をうながすようなデザインに変わってきている
2.よって研修は「いっかいこっきり」で終わるのではなく、複数回の研修であいだにインターバル(あいだの期間)をおきながら、実施されることが多くなってきている
3.インターバル期間には、研修で学んだ内容を現場で実践することが試みられている
このような変化が訪れるのは「当然のこと」です。
なぜなら、企業の研修やワークショップは「実施されること」や「研修内容が記憶されること」が目的ではありません。受講生が、現場にかえって、学んだ内容を「実践」し、成果をだすことが目的だからです。
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ところで、このインターバル型の研修スタイル(アクションラーニング型の研修スタイルといってもいい)ですが、簡単なようでいて、難しいのです。実施の際には、注意を払わなければならないことが多々ございます。
そのノウハウをすべて紹介するのは、別の機会にゆずるとして、もっとも研修効果に深刻な影響を与えてしまうのは、「研修目的の忘却」にあります。
すなわち、
インターバルのあいだに「研修目的」を忘れてしまう
期間をおくので、研修目的が「見えない化」しやすい
結果として
なぜ、この研修を行っているのかが、わからなくなってしまう
ということです。
気がつけば「なんで、ここにいるんだっけ」ということになりがちです。つまり「研修の目的」が完全に忘れ去られている。
研修やワークショップを行う方とすれば、
1回目の冒頭に「研修目的」は話しているので、それは覚えていてくれている・・・
と思いたい。
また、さらにいうのであれば、
1回目の内容はすべて記憶されているので、2回目はいきなり次のコンテンツから入ることができる・・・
と思いたい。
しかし、ここで真逆のことを考えてみましょう。
あなたが「研修を行う側」ではなく「研修を受ける側」なら、どうでしょうか?
たとえば、一ヶ月のインターバルをおいた2回目の研修で、1回目で話された研修目的や研修内容は覚えていますか?
おそらく、多くの人々が「記憶にございません」だと思うのです。
そこで冒頭の言葉です。
「明日の受講生」は「他人」である
「クドイくらい」が「いい案配」
すなわち、「野に散っていった明日の受講生=現場に戻っていった受講生」は「赤の他人」と思った方がいい。すなわち、次回あったときには、もう一度「赤の他人」が来たかのように接して、「研修目的を打ち込み」+「研修内容のおさらい」をしなくてはならない、ということになります。
そして、その程度は
「クドイくらい」が「いい案配」です。
受講生からすると
この研修講師、何度もおんなじ事をいいやがって、クドくない?
と思われるくらいが、ちょうどいいです。
おそらく、半分くらいの人々は、たとえば一ヶ月の間隔をおいていれば、本当に「記憶にございません」ですので。
南無阿弥陀仏。
だから、実践を含む研修というのは、思ったように時間が使えないのです。
2回目にも1回目のおさらいをやるのだから、2回目のコンテンツは相当減る。
でも、何度も何度も大切なことを繰り返し伝えることで、定着を上げることができるのかもしれません。
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今日は、研修やワークショップの際には、「研修目的」をグリップしましょうね、何度も何度もグリップしなおしましょうね、というお話をさせていただきました。
あなたの研修では、受講生と「研修目的」をきっちり握れていますか?
そして人生はつづく
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