2019.5.23 06:42/ Jun
今、若手ビジネスパーソンは、「働くこと」に関して、どのような課題をもっているのでしょうか?
彼らの語りに耳を傾けてみましょう
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就職して、会社に実際に入ると「絶望」するんです
就職のときには、
「何でもやれるよ、希望の部署にも行けるよ」
と言われていたのに、大嘘なのです
部署間の異動は、ほとんど御法度。
本人が望んでも、受け入れ先があっても、異動はNO。
出す側の上司がNOといえば、それだけで異動できません
ああ、わたしは「一生、ここなんだ」と思ってしまう
わたしは「一生を、この村で終える」のでしょうか?
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うちの会社は、5年いれば、「いっちょあがり」です。
どんなに優秀で技術をもった若手でも、
5年間、うちの会社で仕事をすれば、
技術に、ついていけなくなります
なぜか?
それは、プロジェクトの多くは下請けにだして、
自分たちは、プロマネしかしていないからです。
外注するのが仕事なのです
だから、実際の物づくりは、下請けで行われている
だから、技術は、外につくのです
5年たてば、いっちょあがりなのです
うちの会社のなかで、仕事をするほかは、なくなってしまうのです
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自分で企画を立ち上げて、自分でやりきりたいのです
今の会社では、35歳から40歳にならないと、
自分の企画を通せません
300万回「素振り」をしないと、
バッターボックスに一度も立てないよ
と言われているようなものです
素振りをしているあいだに、
他の会社で働くひとたちは、
どんどんとスキルをあげている
300万回素振りをした40歳は、
本当にバッターボックスで、
ヒットを打てるのでしょうか?
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会社の上役のひとたちとは、「ここで働くこと」の意味が
ズレているような気がします
今の若手はわかっていない
30になって1000万円
40になって1200万円
50になって1500万円
ここまで約束されているんだ。
何にもしなくたって、仕事中に、ヤフーニュース見てたって、
それだけ、もらえるんだぞ。
それなのに、若手は、うちの会社を辞めるんだ?
もう「この会社で働くこと」の意味がズレているのです
そんな働き方で、会社が存続するわけがないのに・・・
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先生、結局、私たちの憂鬱は
「いま、やりたいことが、やれないこと」なんじゃないでしょうか?
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じゃあ、転職かってことにもなりますよね。
でも、こうも思います
結局、日本企業同士で転職しても、
どこもたいした変わらないのです
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でも、今の会社も、確実に変わってきているんです
数年前とは、危機感が違う
僕たちの考えていることをしっかりと反映しよう
としてくれている役員もいる
最近、うちの会社というハコを使って、
インパクトを残す仕事ができる気もしてきています
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冒頭申し上げましたように、先だって、ある優秀な若手ビジネスパーソンのみなさまに、聞き取りをさせていただきました(貴重なお時間をいただきました方々には、この場を借りて御礼を申し上げます:ありがとうございました)。
上記、ICレコーダーからの録音おこしではないので、正確ではございませんが、おおよそ、上記のような主旨の、非常に興味深いお話を伺うことができました。
聞き取りのテーマのひとつは「若手ビジネスパーソンが働くことに関して、どのような課題感をもっているのか?」ということです(それ以外のメインの主題もございましたが、今日のブログでは、ここだけを切り取ります)。
今日は、これらの語りを、皆様にご提示させていただき、どのようなことをお感じになるかを、それぞれにお考えいただくことにしたいと思います。
ちなみに、僕は、これらの語りをうかがっていて、
このままでは、優秀な人から、会社を去って行くだろうな
人事の仕組みが理由で、経営にインパクトを残せない現実が生まれているな
と強く感じました。
皆さんは、どんなことをお感じになりましたでしょうか?
これらの若手の意見に「そうだ、そうだ」と思う方もいるでしょう
「いやいや、昔から、そうだったんだ、若い奴はやっぱりわかっちゃいない」とか「みんな我慢してきたんじゃないか」という方もいらっしゃるでしょう。
今日は、敢えて、モヤモヤを皆様にプレゼント差し上げたいと思います。
そして人生はつづく
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