2019.5.15 06:52/ Jun
Why are you here?(あなたは、なぜ、ここにいるのか?)
Why are we here?(わたしたちは、なぜ、ここにいるのか?)
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僕は、この2つの問いが、チームワークを考えるうえで、とても大切なキラークエスチョンだと思っています。この1年、様々なチークのグループワークを観察する機会に恵まれ、この2つの問いにたどり着きました。いつだって本質的なことは「シンプル」です。
僕が責任者をつとめる立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラムは、リーダーシップにまつわる、大学初年次のプロジェクト学習を学部単位で実践しています。
年間で、100を超えるグループワークが学部のあちらこちらで、なされており、日本で最大の「チームワークを観察できる場所」だと思っています。それにまつわるデータも、日本でもっとも生まれている場所でしょう。
その観察を通してたどり着いたのが、先の2つの質問です。
もう少しブレークダウンすると、下記のように、質問を下位展開できるでしょう。
Why are you here?(あなたは、なぜ、ここにいるのか?)
・あなたは、なにをしたいのか?
・あなたには、どんな貢献ができるのか?
・このチームワークを通じて、あなたは、どのように変わりたいのか?
Why are we here?(わたしたちは、なぜ、ここにいるのか?)
・わたしたちは、何をしたいのか?
・私たちが取り組む課題とは何か?
・このチームワークの果てに、わたしたちは、どのようなチームでありたいのか?
チームメンバーが、自分の言葉で、これらの質問にスラスラと答えられるのなら、経験上、おそらく、「機能しないチーム」というものはないように思います。経験上といいましょうか・・・手持ちのデータも、たいがい、それを示しています。
逆にいうと、チームワークを為していく中で、チームは困った状況に陥ります。
たとえば、
なぜ、自分がここにいるか、わからない
・自分が、何をしたいのか、わからない
・自分は、どんな貢献をしていいか、わからない
・どのように自分が変わりたいのか、考えたこともない
わたしたちが、なぜ、ここにいるのか、わからない
・わたしたちは、何を成し遂げたいのか、わからない
・私たちが取り組む課題が見えない
・このチームワークを通じて、どのようなチームでありたいのか、わからない
という状態に陥ってしまう場合が少なくありません。
そういう場合は、チームワークは、アタリ前田のクラッカーですが、多くの場合「機能しません」。機能したとしても、誰の仕事でもないような「こぼれ球」の仕事が、ボロボロと人々のあいだに落ちていくような状況に陥りがちです。
これは学生だけに言えるわけではありません。
さらにいうならば、世の中には、
「やりたくもないこと」を「仕事にしている」
「働きたくない」のに「働いてる」
「この組織にいたくない」のに「組織にいる」
ことが、実に多いのではないか、と思います。
これが「生産性の低さ」につながることは言うまでもありません。
もちろん、
人は「意味」だけで生きているわけではない
これは真実です。
しかし、
人は「意味の見いだせないこと」に継続的かつ意欲的に取り組むことは、できないものなのです。
たかが「意味」
されど「意味」
です。
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今日は、チームワークにまつわる2つのキラークエスチョンを考えてみました。
あなたが所属しているチームや職場では、この2つの問いに、メンバーは、どのように答えますか?
Why are you here?(あなたは、なぜ、ここにいるのか?)
Why are we here?(わたしたちは、なぜ、ここにいるのか?)
あなたが率いるチームは、いま、何をめざしていますか?
Why are you here?(あなたは、なぜ、ここにいるのか?)
Why are we here?(わたしたちは、なぜ、ここにいるのか?)
そして人生はつづく
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