2019.5.10 06:42/ Jun
「学びをあきらめる時代」は終わりました
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娘さんの送り迎えのなか、車の中から行われたプレゼン
出張中の居酒屋で、一息つきながら、本を片手に学んだ方
バーの片隅で、イヤホンをつけて、学んでいた方
マレーシアから行われたオンラインファシリテーション
1歳の子どもを寝かしつけながら、参加した読書会
介護のかたわらで、参加した方
昨夜、日本初・400人規模が参加する「オンライン読書会」を無事終えることができました。この読書会では、中原と中村和彦先生の著書「組織開発の探究」を素材に、みながレジュメをつくり、グループになってミニディスカッションをすることがなされました。
400人規模のオンライン読書会という「知的暴挙」を、志ある皆様と成し遂げられたことを、この場を借りて、まずは心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
企画者のひとりとして、著者のひとりとして、この読書会に込めた思いとしては、僕は5つの壁を越える、というものがございました。
1.地方と都市の「壁」を乗り越える
2.学ぶための時間の「壁」を乗り越える
3.著者・編集者・読者の「壁」を乗り越える
4.出版不況の「壁」を乗り越える
5.イベント・セミナー・研修中心の「学びのスタイル」の壁を変革する
「大人の学び」を阻害する「5つの壁」を打破せよ!:日本初400名が参加する「オンライン読書会」を実施!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/10207
当日は、予想されていたような甚大なトラブルに見舞われることなく、非常にスムーズに400人規模のオンライン読書会を終えることができました。
プレゼンターからの要約を聞いたり、著者のひとりである僕が、本には書いていないような話題をだしたり、グループに分かれてコメントを言い合ったり。
細かい改善点は、多々あるとは思います。
それらは主催者でもあり、今回の企画を御一緒させていただいたダイヤモンド社の藤田さん、永田さん、ZOOMのプロフェッショナルであられる田原さんらのグループと、何とか改善をしていきたいと思っております。
まずは、参加者の皆様のご協力によって、何とか、これらの「壁」を乗り越えることができたことを嬉しく思っています。
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昨日の勉強会でも、申し上げましたが、
400人規模のオンライン読書会は「壮大な社会実験」であった
と思っています。
実験は、この世から急速に失われているもののひとつです。
この世は「短期的な成果を追い求める風潮」がさらに強まっています。
そのようななかで、最も失われているのは「実験マインド」です。誰もやったことがない「たくさんの実験」がなされる社会を、わたしたちは、何としても、維持しなくてはならない。それが社会を変えていくきっかけのひとつになるからです。
文系の僕らには「試験管」は振ることはできない。
しかし、僕らには、自分の身をもって「社会実験」を為すことができる(笑)
この世には、学びたくても、地域、時間、個人の抱える様々な事情で、学べない方がたくさんいらっしゃいます。そうした方は、これまで「学ぶことをあきらめて」きました。今回の社会実験で、僕が、すこし試みてみたかったことのひとつは、
「学びをあきらめること」を終わりにできないか
ということでした。
もちろん、この手のテクノロジー、こうしたオンライン読書会だけで、これまで「学べなかった方々」すべてを救うことはできません。が、それでも、これまでよりも大きな規模で、よりクオリティの高い学びの機会をつくりだせることを実感できた日でした。
「学びをあきらめる時代」は終わりました
いいえ、まだ端緒についたばかりなのかもしれません。今後は、ここで得られた新たな学びの文法を、さらに極めていきたいと思います。
また、今回のオンライン読書会を経験した方々が、それぞれの地域、事情にあわせ、同様の試みをしてくださることを願っています。
大げさかも知れませんが、昨日は、
学びのパラダイムが転換する歴史的瞬間
だったかもしれません。
近い将来、「あー、あの日ね」と記憶される日になったかもしれませんよ(笑)。
いや、ほんと。
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最後になりますが、ダイヤモンド社の藤田悠さん、永田正樹さん、ZOOMに大変お詳しい田原真人さん、田原さんらのグループの皆さまには、サポートをいただきありがとうございました。
昨夜、オンラインファシリテーションをご担当いただいたZOOM藤田さん(改名なさいました?)は、ベストセラーを連発する同社の花形編集者のおひとりです。ふだん、ZOOMをお仕事になさっておられるわけではございません(笑)素晴らしいファシリテーションでした。ありがとうございました。
またZOOMにお詳しい田原真人さんは、昨日は、マレーシアからオンラインでファシリテーションをなさっておられました。マレーシアですよ! また田原さんたちのグループは、全国各地から、ZOOMを使えない、操作を間違ってしまった方々のためにテクノロジカルなサポートをいただきました。本当にありがとうございました。
また「組織開発の探究」に関する読書会を各地で実施いただき、レポートを担当いただいた岸智子さん(福岡)、塩川太嘉朗さん(大阪)、矢上清乃さん(名古屋)、新倉昭彦さん(東京)、本当にありがとうございました。
次回6月6日に開催される第二段は、小林一木さん(東京)、吉田創さん(東京)らにも後参画いただけるとのことです。ありがとうございました。
最後になりますが、各読書会にご参加いただいている会場の皆様にも感謝です。
そして、400名の皆様にも御礼を申し上げます。
超絶大風呂敷をひろげますが、昨日、僕は「これは、世直しのひとつになりえるな」と思っていました。
このようなテクノロジーを活用し、立ち上がり、一歩前に進めば、これまで「大人の学び」に存在していた、様々な「壁」を取っ払うことができるかもしれない。
もちろん、それだけではありません。
逆にいえば、相も変わらず「伝統的に行われている教育」「革新が生まれない学び」について「深い内省」が生まれるかも知れない。
わたしたちは、なぜ、「対面」で学ぶのでしょうか?
わたしたちは、なぜ、「ひとつの場所」に集まらくてはならないのでしょうか?
わたしたちは、なぜ「教室」で学ばなければならないのでしょうか?
講義を聞くだけなら、オンラインでもOKなのでは?
いやいや、講義を聴くだけじゃなくて、オンラインでも、400人規模で、40に分かれてグループディスカッションもできますよ
ならば、わたしたちは、なぜ「集まる」のでしょうか?そこにどんな付加価値がありますか?
もちろん、「教室」で「対面すること」の意味を「軽視」しているわけではないのです。
教育者のひとりとして、学生や生徒や児童と面と向かって向き合うことの意味は、重々承知しているつもりです。
まったく、そういう意図ではないのです。
僕が期待させていただきたいのは、上記のように、これまで「自明視されていた伝統的な学びの意味」そのものを、もう一度考え直すことです。
むしろ、テクノロジーが進展する時代だからこそ、わたしたちが対面で出会い、交歓し、経験することの意味は高まる。
だとすれば、より高い付加価値を残すために、わたしたちには、何ができるだろうか?
今回のオンライン読書会は、その、よい機会になるのではないかと思っております。
皆様には「世直しの同じ船」に乗っていただき、ありがとうございました!
次回のオンライン読書会は6月6日、またお逢いしましょう!
すでに申し込みが開始されているようですよ!
またお逢いできますことを楽しみにしております!
【オンライン読書会・2回目の参加申し込みはこちら!】
https://dbd-od02.peatix.com/view?fbclid=IwAR0kvaTYZRecYT_vE1sfPf_rEobPWaR4mchvatzh_gffav9MtDvcF-OB_nM
そして人生はつづく
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