2019.3.13 07:34/ Jun
先生、わたしは、「スキル」とか「知識」を体系的に学びたいです。
大学で、「確固たるもの」を学んだんだ、と言いたいのです。
その方が、将来、役に立つのだと思って・・・
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冒頭のような言葉は、この一年、ことあるごとに、学生から耳にした言葉のひとつです。とてもよく共感できるし、そのたびごとに、僕は、学生と「これから、どうしようか?」と話をしてきました。
しかし、彼らの言葉が耳にこだまするのを感じつつ、一方で、僕は、「遠い昔ー自分の過去」を思い出していました。
嗚呼、おれも同じだったな。
かつての自分も、同じ思いをもっていたな
おれも、「ほにゃらら学」を修めたって、言いたかったな・・・
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話は、もう四半世紀も前のことになります。
当時、大学に入ったばかりの僕は、今から考えれば、「ほにゃらら学」を修めたい、という思いが強い学生でした。「ほにゃらら学」の「ほにゃらら」は、いまだ決まっていない。しかし、大学時代には、「確固たる知識体系」を「体系的」に学びたい、という思いが比較的強かったように思います。
だから、僕は、すでに確立した「ほにゃらら学」を体系的に学ぶことに、とても興味がありました。
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しかし、学年があがり、この思いは、少しずつ裏切られることになります。
10代の頃の僕は、「ほにゃらら学」という確固たるものが、この世には存在しており、それを体系的に学び取ることができると思っていました。しかし、次第に、この「ほにゃらら学」の「体系」というのが「幻影」であったことに気がつきはじめるのです。
これは分野にもよるのかもしれませんが・・・
(国家資格などに規定されている分野は事情が異なるかも知れません。下記は、僕の個人的な事例としてお読みくださいませ)
1.まず「ほにゃらら学」の学の「境界」は極めて曖昧でした。書店にいって、「ほにゃらら学」の教科書を何冊か勝ってきて、それを読みこんでみると、すぐにそのことに気がつきました。複数の異なる教科書で、どのような知識がとりあげられているのかを比べてみると、驚くほど、その内容には違いがありました。「ほにゃらら学」は、本の数だけ存在してた。
2.つぎに「ほにゃらら学」で取り扱われる「問題」は極めて多様で、その問題へのアプローチも、これまた極めて「多様」でした。よって、そこで身につけられるようなスキルや経験といったものも、また多様でした。
3.僕は「ほにゃらら学」を修めたいと思っていたのに、教員からかけられる言葉は「おまえは何がしたい?」でした。僕は「ほにゃらら学を学びたい」というと、「それは手段で目的ではない」と言われました。「おまえが、研究をしたいのなら、ほにゃらら学に何かを付け足すのが、研究だ」と言われました。
結局、「ほにゃらら学」というのは「境界が曖昧で多様な幻影」のようなもので、「おまえは、何の課題に取り組みたい?」という言葉だけが残りました。
僕は「ほにゃらら学」の「幻影」を追うのをあきらめ、自分の課題を追うことにしました。
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今日は「ほにゃらら学」について書きました。
「確固たるもの」を学びたい
という学生さんの気持ちも、かつての自分がそうだったので、よくわかります。
よくわかる。
だから、もう少し、ゆっくりと話をしよう。
もしかすると・・・世の中には
「確固たるもの」が「ある」のだと思っていたら「なかった」
「確固たるもの」を「確固たるもの」にしていくことが、仕事として残っていた
ということが、結構、ありえるかもしれない。「拍子抜けが過ぎる」と思われるかも知れないけど、そうかもしれない。これは、おいおい、また話そう。
あなたは学生時代、何を、どのように学びたかったですか?
そして人生はつづく
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