2018.10.11 06:32/ Jun
組織開発とは何か?
組織開発の実践事例と実践のヒント
組織開発の歴史と思想
組織開発のこれからと未来
人材開発と組織開発の共通点と違い
人材開発と組織開発の未来
これらの「すべて」が1冊にまとまった本が、このたびダイヤモンド社より刊行されます。
まるごと一冊で「すべて」がわかります。「人材開発の未来」、そして、「組織開発の未来」にご興味をお持ちの方は、ぜひぜひ手にとっていただけますと幸いです。
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中村和彦先生(南山大学)との共著「組織開発の探究:理論に学び、実践に活かす」が、いよいよ10月17日発売になります。AMAZONでの予約販売がはじまりましたので、この場でお知らせいたします。
「組織開発の探究」のご注文はこちら!
端的に申し上げれば、組織開発とは、
「組織をWORKさせる意図的な働きかけ」
です。
1.ひとを集めても、テンデバラバラで、
2.なかなか組織やチームとしてのまとまりが生まれず、成果を産出できないようなときに
3.組織やチームをまとめ、WORKさせていくための技術やスキル
が組織開発です。多様性のあふれる職場や組織が次第に増えてきた現在、組織開発は、新たな人材マネジメントの手法として、近年、注目されるようになりました。
本書を通じて、僕が主張させていただきたかったことを、端的に、ひと言で申し上げれば、
よき組織開発は、人材開発とともにある
よき人材開発は、組織開発とともにある
ということに尽きます。
このたび、本書を、中村和彦先生(南山大学)という最強の共著者にご参加いただき、この本を編み上げることが出来たことを嬉しく思います。
神戸大学の金井壽宏先生は、帯の推薦文に「最強で絶妙なコラボレーション」というお褒めの言葉をいただきました。金井先生におかれましては、ご多用中、本書をお読みいただき、推薦のことばをいただきましたことを心より御礼申し上げます。
自らチームを率いて、悩む方々
人材開発のこれからを模索する方々
組織開発のいまやこれからを学びたい方々
チームビルディングに興味をもつ方々
ワークショップという言葉や出自に興味をもつ方々
働き方改革を組織をあげて取り組みたい方々
イノベーションを生み出せる心理的安全性のある組織をつくりたい方々
ダイバーシティあふれる組織をいかに実現するかに心を砕かれている方々
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要するに「ひとと組織に興味をもたれる、すべての方々」におすすめの一冊です。
秋の夜長、ひとり、本書をぜひ手に取ってみませんか?
気の置けない仲間と、ともに読書会をしてみませんか?
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「組織開発の探究:理論に学び、実践に活かす」は、「入門書」でもあり、「専門書」でもあり、「実務書」でもあります。「1粒で3度おいしい」がその執筆コンセプトです。
まず、「組織開発の探究は」
1. 組織開発の「初学者」の方が、なるべく専門用語を廃して、組織開発をまなぶことができるように書かれた「入門書」でもあります。
同時に
2. 組織開発の「玄人」の方が、その思想や歴史を詳細に学び取ることができるようにかかれた「専門書」でもあります。
さらには
3. 組織開発を実践している「実践者」の方が、実践のヒントを得ることができるように書かれた「実践書」でもあります。
「入門書」でもあり、「専門書」でもあり、「実践書」でもあるという「1粒で3度おいしい本」を1冊で実現するために、わたしと中村先生は、この2年間苦闘してきました。
まず「入門書」の部分。
本書の冒頭部分では、徹底的に「専門用語」を廃し、様々なメタファを用いたり、図を用いたりして、組織開発にまったく馴染みのない方でも、「組織開発を体感」いただけるように記述を行いました。
また、具体的な組織開発の実践の流れは、下記に示すような流れで行われます。このように、なるべく直感的に、なるべく見てわかるように、本書の冒頭部は書かれています。これが「入門書」の部分です。
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次に「専門書」の部分。
こちらは「すでに組織開発を実践し、より深い理解をなさりたい方」向けの章になります。
こちらの章は、思い切りかじをきって「理論」と「思想」に切り込みました。
まず、組織開発の哲学的基盤を支える人物として、デューイ、フッサール、フロイトを紹介し、その後の組織開発をかたちづくる「集団精神療法の発展」にも言及しています。
おそらく、従来の書籍は、組織開発の発展の歴史を、1950年代あたりから記載してあると思います。本書は、それからさかのぼること50年。いわば、1900年代に時計の針をすすめ、組織開発の根源、源流を理解することをめざします。
ジョン・デューイは、当然、その祖のひとりとして紹介されます。
集団精神療法の祖のひとりである、モレノ、パールズもしかりです。
同様に、本書は、組織開発というものが、どのように生まれ、どのように発展し、どのような経営学的な基盤のもとに開花したのか。その源流を追うことができるようになっています。
ひるがえってみれば、1900年代に思想的基盤が形成された組織開発は、1950年代に「開花」しました。
そして、組織開発は激動の時代を向かえることになります。
1960年ー70年当時、世界は「人間性回復運動」などの諸運動がひとびとを魅了していた時代でした。人間性回復運動は、その周縁部に人間解放の技術を生み出していきました。そのひとつが、「人間性の解放をとなえた種々のワークショップ」です。
この時期生まれたワークショップとしては、エンカウンターグループも、この時期に発展したワークショップのひとつでした。またのちに様々な問題を引き起こすことになる感受性訓練(Sensitity Training)も、この時期に生まれます。
ワークショップは、さまざまにブレンドされ、新たなワークショップが日々「調合」されていきました。
組織開発が、直接、人間性回復運動のさなかにあったわけではありませんが、そのルーツにある集団精神療法は、その内部に巻き込まれていきます。
結果として、「組織開発とは似て非なるもの」と「組織開発」は1980年代になって混同される結果になり、また同時期に展開しつつあったハードな組織変革技術の影響を受け、さらには、質の低いファシリテータやトレーナーが世間にあふれ、いったん「組織開発は死ぬこと」になります。
本書には、「組織開発が死んでいくプロセス」も記載されています。なぜなら、今後、組織開発が「健全に発展していくため」の戒めとして。 著者たちが、組織開発の今後の健全な持続的発展を願っていることは言うまでもありません。
本書では、組織開発の健全な発展にとって、組織開発のファシリテータや実践者の倫理、スキルなどが重要になることを重ね重ね主張しています。大切なのは
組織開発実践者の「人材開発」なのです。
最新のところでは、対話型組織開発に関しても、理論・思想的基盤を論じてあります。
もちろん、具体的な手続きも、ひとめみてわかるように図解してあることが特徴です。
なお、この本の巻末には、「組織開発の発展の歴史」をまとめた「年表」がついています。
こちらは、僕が数年前にひとりでしこしこ書き足し、書き足していた、こちらのアナログの年表と、中村先生の年表がクロスされてつくられました。
組織開発の発展の歴史を一覧できる「年表」としては、世界で、ここだけで見ることができるものであると思います。
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最後に「実務書」の部分。
このたび、キヤノンさま、オージス総研さま、豊田通商さま、ベーリンガインゲルハイムさま、ヤフーさまのご協力を得まして、ふだん、なかなか外部の目に触れることのない組織開発の実践事例を5つ収録することができました。各社の関係者の皆様には、心より御礼を申し上げます。
キヤノンさまは、同社で実践されているCKI活動の事例をご紹介いただきました。
オージス総研さまは、現場の風土改革事例として「アジャイル改善塾」の事例をお話いただきました。
豊田通商さまには、働き方改革×組織開発ということで、「いきワク活動」をご紹介いただきました。
ヤフーさまは、組織課題に応じて同社の組織開発部門が、いかなる発展を遂げてきたのかをお話いただきました。
ベーリンガーインゲルハイムさまには、部門人事、人事ビジネスパートナーによる組織開発の事例をご紹介いただいたことになります。
いずれも素晴らしい事例で、著者ふくめ、大変学ぶところが多いものでした。
本当にありがとうございました。
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本書の紹介文を締めくくるにあたり、最後にひと言だけ。
書き終えた感想としてまず脳裏に浮かぶのは、とてつもなく「変なセンテンス」なのです。
変なセンテンスなのですが、真っ先に思ったのは
「もう僕は、二度と、この本は書けないな」
でした。
同じ本を「二度書くこと」は、通常はありえないので、上記の記述は、とてつもなく変なセンテンスです。でも、40万字に及ぶ苦闘のすえ、脳裏に浮かんだのは、このひと言でした。
まず思うのは、本書の基盤のひとつになっている章に1900年代から1950年代の組織開発の発展の歴史がございますが、こちらは、ここ数年分の、僕の「ひとり研究」がベースになっています。
とりわけ、組織開発の思想・哲学部分、集団精神療法との接合の部分は、ひとりでしこしこと図書館に通い調べていました。
ほとんどの書籍は絶版されており、かび臭く、ここ数十年は誰の手にも触れられていないような状況でした。これを紐解いていく作業は、良質のミステリーを解いているようで、なかなか面白いものでした。
僕は、ふだんは「共同研究」が多いのですが、なかなか「ひとり研究」もよいな、と思いました。同時に思ったのは、僕は、根っからの「人文社会系の人間」であり「研究が好き」なんだな、と思いました。しかし、本当にこれには時間がかかる。そうした時間を今、。後もいかに確保していけるかが、今後の僕の研究者としての課題です。
しかし、もうこの本が書けないと思う最大の理由のこれではありません。
わたしにとって「最大の幸福」は、中村和彦先生という共著者に恵まれたことでした。その意味で、この本は「ひとり研究」として結実したものではございません。それはごくごく一部の論考です。多くは、中村先生との「共同研究」の所産であることは言うまでもありません。
先生がいなければ、先生に教え導かれなければ、そもそも、本書を最後まで書き上げることはできなかったと思います。
共著者として、中村先生には心より感謝をいたしたいと思います。
そして、本書の完成を喜びたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
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最後になりますが、この場を借りて本書の執筆にまつわる謝意を述べさせていただきます。
ダイヤモンド社の編集者・間杉俊彦さん、構成をご担当いただいた井上佐保子さん、人材開発の仕事で御一緒している永田正樹さんには心より御礼を申し上げます。
また、本書のきっかけとなったいくつかの組織開発イベントを支えてくれたODNJ(ODネットワークジャパン)の皆様、とりわけ内田桃人さん、大島岳さん、ODNJ中部のイベントを主宰いただいた高橋妙子さん、川内理恵さん、百野あけみさんには、心より御礼を申し上げます。また、経営学習研究所のみなさん(板谷和代さん、稲熊圭太さん、岡部大介さん、島田徳子さん、田中潤さん、田中聡さん、牧村真帆さん、三原裕美子さん、長岡健さん、松浦李恵さん)にも御礼を申し上げます。ありがとうございました。
また、企業の皆様のご協力なしでは、本書の完成はありえませんでした。
ヤフー株式会社の 本間浩輔さん、池田潤さん、小向洋誌さん、キヤノン株式会社の市川泉さん、小西大輔さん、早瀬信さん、株式会社オージス総研の山海一剛さん、東村奈緒美さん、豊田通商株式会社の辻沙希さん、ベーリンガーインゲルハイム株式会社の来海敬子さん、泰道明夫さん、相原修さん、大野宏さん、中嶋 香奈子さんには大変お世話になりました。この場を借りて 心より感謝申し上げます。
また、ここ数年、南山大学の組織開発ラボラトリーでともに学んだ多くの「学友」の皆様に、この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
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本をこの世に出すことができた、今日、僕は「達成感」に満ちあふれています。
しかしながら、明日には、また「わからないこと」が、きっと生まれるのでしょう。
研究は、「明日のわからないこと」からはじまる。
また「ゼロからの出発」です。
やれやれ
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