2018.3.13 06:00/ Jun
「経営者の仕事は、大きいことを考えることと、小さなことを大切にすることである」
(松下幸之助)
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このところ、ゆえあって、経営学の入門書や教科書を急いで読み直しております(笑)。そのときに出会った言葉が、こちらの松下幸之助さんの言葉です。僕が申し上げるのも何ですが、非常に含蓄に富む言葉で、グッときました。
この言葉の専門的な解釈はわからないのですが、僕は下記のように受け取りました。
経営者、ないしは、リーダーにとって、まず大切になのは「大きいことを考えること」。おそらく「大きいこと」とは、事業の構想であったり、競争戦略であったり、ビジョンでしょう。
しかし、同時に経営者には、それとは一見相反することを大切にする姿勢が必要だといいます。それが「小さなこと」です。おそらく「小さなこと」とは、日々の職場マネジメントであり、部下への指示・フィードバックをさしているのではないかと考えられます。
要するに、名経営者・松下幸之助さんは、この2つの、どちらもを「両立」することが大切なのだ、としています。
しかし、一般には、これら2つは、ともすれば、偏ったかたちで実現されてしまうのでしょう。
今、仮に「大きなことを考える / 考えない」「小さなことを大切にする / しない」をそれぞれ縦軸・横軸にとって、4象限をつくりますと、下記の図のように4つの経営者タイプが生まれます。
まず、ドサイアクゾーンから。
4の「大きなことを考えず、小さなことも大切にしない経営者やリーダー」は「論外」ですね。一方、1の「大きなことを考えて、しかも、小さなことを考える経営者やリーダー」はいわば「理想」です。
しかし、問題はここからです。
2の「大きなことを考えてばかりいるけど、小さなことはガン無視してしまうリーダー=夢見がちのリーダー」や、3の「大きなことは何一つ考えられず、小さなことばかりに固執するリーダー=ケ○の穴の小さなリーダー」は困ったものだということになりますね。
皆さんの周囲には、どのようなリーダーがいらっしゃいますか?
自戒をこめて申し上げますが、
皆さんは、大きいことを考えて、小さなことを大切にしていますか?
嗚呼・・・反省。
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今日は、松下幸之助さんの言葉から、経営者やリーダーのことを考えてみました。
わたしが好きな松下幸之助さんの言葉としては、このほかにも、こんなものがあります。
曰く、
任せて、任せず
これは、松下幸之助さんが、部下に仕事を与えたり、部下育成をするときに、常に頭においていた言葉なのだそうです。こちらもなかなか含蓄にとむ言葉です。
おそらく「部下に仕事を任せるときには、任せるけれども、任せっぱなし=放置しない」ということなのかな、と思います。
このように松下幸之助さんの言葉の中には、
一見相反するものを「ANDの思考」で抱きしめる
といった特徴があるような気もしました。
わたしは経営者論などは専門ではございませんが、名経営者・松下幸之助さんの思考法が、ここに宿っているような気もします。
そして人生はつづく
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