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2018.3.9 05:44/ Jun

今年の新入社員がまもなく直面する「補助輪がはずれる2年目問題」!?

「補助輪がはずれる2年目問題」
   
 というものがあります。以前ブログでもご紹介をさせていただきましたが、ここ数年、よく人事・人材開発の領域で、聞くようになった問題です。
  
「補助輪がはずれる2年目問題」とは、新入社員として企業・組織に入られた皆さんが、1年目の新入社員時期を終えたあと、「2年目になって経験する受難」のことを意味します。
  
 要するに、1年目の頃は「まだ新入社員だから」とメンターや先輩が、手取足取り、様々なサポートや面倒を見てくれていたのが、「もう2年目だから・・・」と急激にサポートが消失し、いわば「補助輪がない」状況で、自分で走らなければならなくなってしまうことです。まぁ、社会は学校ではありませんので、いつかは自分で自律することが求められます。これも、いつかはおとずれる事態です。
  
 かつて、みなさんも「補助輪あり」で自転車にのっていた時期はございましたでしょう?
 それがいきなり「補助輪なし」になる。
 あのときの不安定さや不安を思い出していただければと思います。
  
 当然、これまでの「サポート」があっただけに、ここでは「受難」を経験します。
  
  ▼
  
 これは僕の私見ですが、ここ15年くらいで、新入社員の人材開発はかなり変わった印象があります。
 端的に申し上げれば、新入社員を迎える制度や仕組みは、かなり整備されてきたような気がします。企業や業種・業態にもよりますが、メンター制度なども整えられ、新入社員を円滑に組織適応させるべく、さまざまな取り組みがなされてきました。
  
 要するに、サポートが「手厚くなった」ということです。
  
 しかし、ここに最大のアイロニー(皮肉)が生まれます。
  
 サポートが「手厚い」ということは、「サポートなしの状態」になったときとの「段差」は相対的に「大きくなる」ということです。そこで起こるのが「補助輪がはずれる2年目問題」ですね。
  
 今まで「補助輪あり」の状態で「パラリラ、パラリラ」(暴走族をイメージしてください)とブイブイ爆走していたのが、突然「補助輪なし」の状態になります。
  
「パラリラ、パラリラ」どころか、よろけてしまって、ドブに前輪ごとつっこんでアチャパー(最近、ドブ、見ませんね)、といったこともないわけではありません。
  
 とはいえ、サポートを少なくすれば、初期適応に失敗し、最悪の場合、離職やメンタル問題につながります。昨今は、人材不足が非常に深刻ですし、採用費用も企業によってはかなりかけていると思います。初期適応の失敗は、そのままコストになってはねかえってくるので、それはできません。
  
 ということは、これからの人材開発にとっては
  
「サポートをしていくこと」よりも「サポートを解除していくこと」
  
 の方に注力して、なるべく「段差」をつくらないようにしておくことが重要なのかな、と思います。要するに「補助輪をつけること」も大事なのですが、「いかに補助輪をはずすか」ということですね。
  
 子どもの「補助輪」をはじめて外してあげるとき、路面が石だらけの砂利道で外す人は、あまりいないのではないでしょうか。また、最初は手を添えて押してあげるといったことをするのではないかと思います。「いかに補助輪をはずすか」ということは、要するに「コケたとしても、あまり被害が大きくならないような場所で、試行錯誤をさせつつ、手を離していくこと」に他なりません。
  
 対して、突然の「補助輪はずし攻撃」・・・すなわち、
  
「もう4月から2年目だから、新入社員じゃねーんだよ。ドカーンといくぞ、コルァ」
  
 というのでは「なく」、徐々に徐々に仕事の負荷や、裁量のある仕事をまかせていくことが求められるのかも知れません。
  
 まぁ、机上で言うのは簡単なのですけれども(泣)
  
  ▼
  
 今日は「補助輪がはずれる2年目問題」のお話をしました。
  
 今日の話の要点を、ワンセンテンスでいうのならば、
  
 サポートを「手厚く」すれば「段差」が生まれるよ
  
 ということです。
  
 人材開発というのはまことに難しいものです。何かのサポートを整備すれば、またどこかに課題が生まれます。まぁ、だからこそ奥深い。だからこそ、面白い、とも言えるのですけれども。
  
 そして人生はつづく
  
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