2017.12.25 06:26/ Jun
※本年のブログ記事の更新は、今日12/25日で最後になります。次回は1月5日くらいに、またひょっこりお邪魔する予定です。今年も1年お世話になりました!また来年も頑張って更新いたしますので、どうかお楽しみに! それでは皆さん、よいお年を!
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「最近、うちの会社では、2年目問題というのが浮上しているんです・・・」
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毎年、研究室には、多くの人事・人材開発担当者の方々に、ご訪問いただきます。
今年は、慶應MCCの僕の授業で、人事・人材開発担当者の皆さんにゼミナールを開催したこともあり、そこでは、活発な議論が繰り広げられました。
興味深いのは、人事・人材開発担当者の方々が数十名から百名近く、お集まりになっていただけると、
日本全国で、今、どのような人事・人材開発の課題が生じつつあるのか?
が、ある程度、浮かび上がってくることです。
業界や業種は違う企業の皆さんでも、人事課題を持ち寄ると、かなり似通る問題でお悩みのことも多い。今年、僕が強く感じた問題のひとつに、冒頭の問題ーいわゆる「2年目問題」があります。日本全国で、こんな課題が起きていないだろうか・・・そんなことを感じた1年でした。
ここで「2年目問題」とは、
新入社員の時期を終えて、2年目以降ー10年目未満の実務担当者の時期に、会社を離職してしまう(それも優秀な)若手社員が少しずつ増えていること
です。
正確には「2年目以降問題」かもしれませんが、ここでは「2年目問題」と形容することにいたしました。
この問題、皆さんの会社では、いかがでしょうか。そちらでも起こっていますか?
過剰な一般化は慎まなくてはなりませんが、少なくとも、わたしのお知り合いの方々で、この問題に頭を抱えておられる方は、去年から今年にかけて、ぐっと増えた印象があります。
経営的観点からすると、採用ー新入社員教育で、ひとりあたり、おそらくX百万円のコストをかけているものと思われます。それがほぼ離職で無になってしまうのですから、かなり痛い事態です。
また、職場的にも、若いメンバーの離職というのは、職場にそれなりのダメージを及ぼすことも少なくありません。働き盛りのメンバーの離職は、周囲に負担をかけますし、そもそも「若いメンバーに見限られる職場」というラヴェリングが、ボディーブローのように周囲に痛みをあたえてしまいます。
この問題がなぜ起こっているのか、僕の方では、この問題に関する詳細なデータを持ち合わせていないので、確固たることはいえません。
ただ、
・将来の見通しのなさ
・専門性や能力が高まっているのかわからないことに対する不安
・このままいった場合の先行きが見えてくること
・管理職に対するあこがれが失われていること
などが、その要因のひとつではないか、とは思っています。
また、かつて、僕は、「日本の人材開発はドカーンとチョロン」だということを書きました。
日本の人材開発はドカーンとチョロン
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/7903
下記の図に見るように、日本の人材開発は、新入社員時期には大きな投資をいたしますが(ドカーン)、それ以降の長い実務担当者時期は「放置」であることがおおいものです。
長い実務担当者時期には、「No Feedback」のまま、
「もう新入社員ぢゃねーんだから、だまって、仕事しろ、仕事!」
と追い立てられる。
新入社員後の投資といえば、管理職直前にならないとおこらず、それでも「チョロン」としたものである、という傾向があるように思います。
かつて、社会全体が右肩上がりの時代で、管理職が輝いていた時代なら、こういう「No Feedbackで、長い実務担当者時期のモティべーションを保てたのかもしれません」が、それが怪しくなっているのではないかと思うのです。
すなわち、長い実務担当者時期に、仕事におわれ、少しずつ「気枯れ≒モティべーションや働く意味を失う」ていくといったことが起きてはいないでしょうか。もしそうなら、この人材開発モデルそのものを見直す時期にきている気がしますが、いかがでしょうか?
あなたの会社では、「2年目問題」が起きていますか?
長い実務担当者時期に「気枯れ」るメンバーは増えていませんか?
そして人生はつづく
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