人は、ある組織で熟達し、組織の中心メンバーになっていくと、知らず知らずのうちに、様々な「生活習慣病」に罹患しやすくなってしまいます。
　　　
　すべての人が、かかってしまうわけではありません。また、生活習慣病といっても、高血圧とか、糖尿病とかいった「リアルガチな病気」ではありません。
　組織において仕事をしていることよってかかってしまう生活習慣病、略して、仕事習慣病といったものです。
　　
　たとえば、仕事習慣病としてもっともよく知られているのは・・・・
　　
　俺の村有能症候群
　　
　とか
　　
　ここだけジャイアン病
　　
　という恐ろしい病気があります（笑）
　　
　ネーミングはユーモラスではありますが、実は、これらは「深刻な病」です。命に別状はありませんが、友達や職場メンバーの信頼は失う可能性が高いです（笑）。
　　
　俺の村有能症候群とは、文字通り、「自組織の中では有能だと勘違いしているけれど、外の基準から見ると、そうでもない残念な状態」をいいます。
　同じ組織に長く居続ける人が、組織の中でしか通用しない「特殊スキル」に熟達したのはいいのですが、外の世界では、まったくそれが通用しません。これが「俺の村有能症候群」です。
　　
　一方、「俺の村有能症候群」が進行すると「ここだけジャイアン症候群」に罹患しやすくなってしまいます。
　「ここだけジャイアン病」とは、「自組織の中だけにおいて権力をふりかざし傍若無人に振る舞えるけれど、外ではおとなしい、かなり残念な状況」です。　
　組織の中では「ジャイアン」です。しかし、外の世界では「借りてきた子ネコ」のような愛らしさです。このギャップに萌えてしまう希有な人もいるかもしれません。
　　　
　これらはどちらもいわゆる「生活習慣病」です。
　　
　生活習慣病というからには、食事、運動、休養、喫煙といった日々の生活習慣によって引き起こされる病気ではありますが、チチチ、志郎、まだわからんのか、志郎！　一方、仕事習慣病とは、そういう習慣で罹患するのではありません。
　　
　仕事習慣病の要因となっているのは
　　
　長時間労働を続けて、社会から疎遠になっている
　　
　とか
　　　
　長時間労働によって疲労困憊し、読書や学習を怠ってしまう
　　
　とか
　　
　自組織だけに人脈が伸びていて、外の世界の人脈がない
　　
　とか
　　
　自分の住んでいる地域に縁がなく、地域とは無縁の生活をしている
　　
　とか・・・そういった要因によって生まれる可能性が高いものです。
　　
　端的に言ってしまえば、
　　
　「組織の外の世界との出会い」「新たなものごとの学び」「社会に伸びる人的ネットワークの広がり」の不足
　　
　が「俺の村有能症候群」や「ここだけジャイアン病」を生み出してしまう要因です。
　　
　自戒をこめて申し上げますが、皆さんは、知らず知らずのうちに、「俺の村有能症候群」や「ここだけジャイアン病」に罹患してはいませんか？
　　
　　　▼
　　
　今日は、同じ組織の中に居続けてしまうことでかかりやすくなってしまう症状を、生活習慣病にたとえてお話をいたしました。
　　
　もちろん、同じ組織にいつづけても、これらの病にかからない人の方が圧倒的多数であることは言うまでもありません。しかし、一方で、こうした病に罹患して、寿命を縮められる方も少なくないような気もします。
　　
　「仕事習慣病」には注意が必要です
　　　
　あなたには「組織の外の世界との出会い」がありますか？
　　　
　あなたはすでに「俺の村有能症候群」や「ここだけジャイアン病」にかかっていませんか？
　　
　そして人生はつづく
　　　
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