2017.11.15 06:35/ Jun
最近、仕事の現場で、テレビ会議(テレカン)を用いることが、本当に増えてきました。
その背景には、急速なネット環境の向上もあるのだとは思いますが、働き方改革のかけ声のもと、なるべく無駄を省きたい、なるべく出張を避けたい、という心理が透けて見えます。
これからの仕事におけるチームワーク、これからの仕事のあり方は、「遠隔・分散であること」を前提に、いかなるリーダーシップやフォロワーシップを発揮できるかが問われるようになるでしょう。
しかしながら、テレビ会議は「厄介」です。
経験ある方にはおわかりいただけるのではないかと思うのですが、テレビ会議というのは、「発言」するタイミングをつかむのが、なかなか難しいものです。
まず、相手と1対1で2名ならまだ「まし」です。これはさして問題にならない。
でも「相手が複数で3名以上で会議」をしていて、こちらが「1名」で遠隔から接続しているという状況であると、かなり「絶望的」であるように思います。
複数人でやっている会議に、やむなく自分一人だけが遠隔から会議に参加するのは、シンドイものです。
発言しようと思った瞬間に、相手との発言がかぶってしまったり、誰かが発言してしまったりする、ということがよくおきます。
あるいは、発言が滞り、誰もしゃべらない沈黙の時間が、ひょんなことから生まれてしまい、気まずい感じになったりすることがあります。
わたしたちは、対面状況では、相手のしぐさ、目の動き、呼吸の様子をよく見ています。
発言をしようとする人は、「これから発言をしそうな感じやオーラ」?をだしているものです。
対面状況の会議では、メンバー双方がそうした些細なしぐさを観察して、適切にタイミングをうかがいます。が、テレビ会議であるとそうした観察ができません。よって、発言にダブリがでたり、妙な間が生まれたりします。
さらに、こうした発言のダブリや微妙な間がなぜ生まれるのかを「深掘り」してみると、テレビ会議において「独特に経験される心理」も作動しているような気がします。
遠隔から1名で接続する側、複数で会議をしている側、双方に、「独特の心理状態」が生まれているような気がするのです。
遠隔から1名で接続する側としては、テレビ会議で、ついつい
「何か、発言して、貢献しなきゃ」
という気持ちにかられます。せっかく先方に迷惑をかけて接続してもらっているので、何か発言して貢献したい。
あるいは、
「発言して、存在していることを知ってもらわなきゃ」
という気持ちにかられます。
なぜなら「発言」をしなければ、「いたこと」にならないのです。あまりにも発言しないでいると、複数の人数が会議している方に「忘れ去られて」しまう可能性もある(笑)。
よって、ついつい「前のめり」になって発言して、発言がかぶったりする、といった事態が生まれてしまいます。
一方、対面状況で複数で会議をしている側の方も、独特の心理状況に陥ることが想像されます。
そのとき、こちらはこちらで、ついつい、
「相手には、何か、発言をしてもらわなきゃ」
「相手に、ふらなきゃ、意見をもらわなきゃ」
という気持ちになる。
あるいは「相手のことは忘れていませんよ」という意思表示をするために、とんでもないタイミングで、話題をふります。
そんな感じで、タイミングがズレたり、ちぐはぐになったりすることが頻発します。
皆さんには、そんな経験はございませんか?
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今日はテレビ会議の話をしました。
よくよく考えてみると、この言葉、少し変です。なぜ、いまどき「テレビ」というのかすらわからないのですが(笑)、いわゆるテレビ会議は、さらにさらに今後、広がっていくものと思います。おそらく数年後には、「テレビ会議」という言葉すら「死語」になるほどに。もう、すでに死語ですか?
そのとき必要なのは、「うちのテレビ会議は4Kですけんのー」的なテクノロジー的な話題もさることながら、
テレビ会議をしている双方にどのような心理が生まれているのか?
テレビ会議をしている双方に、何が意識されているのか?
を見ていくことのように僕は思います。
いわゆる「テレビ会議の心理学」ないしは「テレビ会議の現象学」?
テレビ会議をめぐって、そこに参加していく心理状態を見ていくと、大変興味深い研究テーマが埋まっているように思えるのは、僕だけでしょうか。
あなたはテレビ会議で、どんな心理状態を経験していますか?
あなたのテレビ会議、今日も「発言ダブリ」や「妙な間」が生まれていませんか?
そして人生はつづく
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