2017.8.25 05:39/ Jun
ビジネスパーソンがよく用いる言葉のひとつに「2:6:2(にーろくに)」という言葉があります。
一般に「2:6:2」とは、「ある集団における優秀さ」とは「2割:6割:2割」の割合で、偏って生まれてしまうということです。要するに、ある集団においては「優秀な人が、だいたい2割」「フツーの人が6割」「もひとつな人が2割」くらいが、自然に発生的に生まれてくるということですね。
皆さんの職場、チームではどうでしょうか? 見事に「2:6:2」ですか?
それとも「4:5:1」の幸せな状態? それとも「1:4:5」の状態?(笑)
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ところで、この「2:6:2」・・・たいへん興味深いのは、そうした集団を率いる管理職の「注意力」を別途換算してみると、「2:6:2」に対して「まったく違う割合」が生まれてくる傾向があるから、面白いものです。
管理職が、この3つの集団に対して、どれだけの注意資源を配分しようとするのか・・・。
特に「量的な研究」があるわけではないのですが、僕が、これまで、ビジネスパーソンにヒアリングしてきた傾向からいうと、その割合は、だいたい「4:2:4」くらいになるような気がするのですが、いかがでしょうか?
要するに管理職は
「できる部下に4の注意資源を配分する=気にかける=目につく」
一方
「できない部下にも4の注意資源を配分しなければならない=目が離せない=気になる」
しかし、その反面
「粛々と仕事をするフツーの部下には、あまり注目しない(2くらいしか注目しない)」
傾向があるということです。
ワンセンテンスで申し上げるならば、
管理職には「できる部下」と「できない部下」しか目を向けない
管理職は「できる部下」と「できない部下」しか視野に入らない
ということですね。
ヒアリングを繰り返していると、「いやー、できる部下とできない部下は、どうしても目につきますよね」とかいう発言がよく聞かれることがあります。
あるいは、「6:1:3」という割合もよく伺います。
この場合、管理職は、「できるひとに注意資源を6配分」して「できない人には3の注意資源を配分する」ということですね。いずれにしても、「ふつーの人」は、視野に入らず、忘れ去られる傾向があります(笑)。
皆さんの場合、あるいは、皆さんの上司はいかがでしょうか?
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一般に「できる人」というのは、たしかに仕事はできるのですが、「ハイメインテナンス人材」でもあります。要するに、彼 / 彼女が飽きないように、またもてあまさないように「常に成長に資する仕事」を与え、メインテナンスを行わなければ、もてあましてしまいます(泣)。だから目が離せません。どうしても注意が向きます。
一方で、「できない人」というのも、同じように「ハイメインテナンス人材」です。こちらの場合は、危なっかしくて目が離せません(泣)。だから、どうしても注意が向きます。
この2つの人材の影に隠れて、忘れ去られてしまうのが、まじめに仕事を粛々とこなす「フツーの人」です。なんか、納得いかないよねぇ(笑)
人を動かし、成果を残さなければならない立場になったのだとしたら、
自分の視線や注意資源がいったいどこに配分されているのか?
をときおり考えてみたいものです。
自戒をこめて申し上げますが、「まなざしの先に何を見ているか」を、折に触れてふりかえってみたいものですね。
そして人生はつづく
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