2017.6.26 05:50/ Jun
先だって、あるヒアリングで、ビジネスパーソンの方々にお集まりいただき、自分のマネジメントやリーダーシップについて語っていただいていたときのことです。
ここでリーダーシップとは、「目標をかかげて、人を動かし、成果をだすこと」と単純に、かつ、ゆるく定義します。
この会合において、僕が心の底から痛感したことがひとつあります。
それぞれの方々のお話をうかがいながら、
「なるほど、人のリーダーシップスタイルには千差万別、多種多様なんだな」
と心の底から思いました。
「結果として人が動き、成果がでればよい」。しかし、そのプロセスで行われていることは、多少の共通点はありながらも、ひとによって千差万別です。
お忙しいところ、インタビューにお集まりいただいたビジネスパーソンの方々には、心より感謝をいたします。ありがとうございました。
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リーダーシップの原理原則は「目標をかかげて、人を動かし、成果をだすこと」です。
しかし、実際に、リーダーの方々がどのように人を動かしているかを伺うと、ある方は、
「助けてくださいリーダーシップ」
を行使している、とおっしゃっていました。
自分の周りには、年齢も自分より上の、様々な人がいる。そうした人々を動かすのは「助けてください」と言えるかどうかだとおっしゃいます。最初から「すみません、助けてください」というスタンスで入った方が、結果として、人は動く。
言葉を換えれば、「謝罪によるリーダーシップ」や「懇願によるリーダーシップ」といえるのかもしれません。
その対極にあるのが「オレのすごさを見よリーダーシップ」です。
これは、圧倒的なパワーと知識・スキルの差をもって、人を動かそうとします。
つべこべいうんじゃない。
こうやればよい!
オレのやり方を見て、そのまま、マネすればいい
という感じでしょうか。
これとは全く別のリーダーシップスタイルとして、「功利型リーダーシップ」といえるようなものをうかがったこともあります。
「功利型リーダーシップ」では、動かしたい相手と自分のあいだに「WIN-WINの関係」を常につくろうとします。なので、このタイプのリーダーシップを行使する方は、相手の動機の「ツボ」を常に観察し続けています。
少しだけ深読みすると、「功利型リーダーシップ」の背後には「人間とはインセンティブ抜きでは動かない」という人間観が透けて見えます。
「功利型リーダーシップ」の背後には、「インセンティブシステム」によって、リーダーシップ現象を生み出すのだ、という「仕組み志向の考え方」が、感じられるような気がします。言葉をかえますと、「越後屋的発想」にたった、非常に報酬志向のリーダーシップ」といえるのかもしれません。
「越後屋的リーダーシップ」?(笑)
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今日は3つのリーダーシップスタイルについてお話をしました。
今日の目標は、これら3つのリーダーシップの効果性を考えることではないので、それに関しては議論をしません。
コンティンジェンシー理論ではないですが、その効果性は、おそらく業界、業種、それぞれの方々が相対する部下の方々によって大きく変わるのではないかと思います。
しかし、もっとも印象的だったのは、こうした場において、
「ふだん、自分が部下を動かすときに、心に決めているとがあったら教えてください」
という「問いかけ」があって、これらのことははじめて意識できる、ということです。
参加者の方々の中には、
「そうですね・・・・ふだんはそんなこと考えてもみなかった」
とおっしゃっていた方がいらっしゃいました。
このように、自分がふだんやっているリーダーシップスタイルは、他者に対して語ることを通して、浮かび上がってくるものなのではないかと思います。
ふと、先日読んだ本のなかにあった、こんな言葉が脳裏に浮かびます。
「(ひとびとは)何かをするときに、そもそも、自分たちがどのようにやっているか、ということに関心がない。彼らは、ただ、それをやることだけに関心がある」
サーサス&ガーフィンケル(1995)「日常性の解剖」
あなたのリーダーシップスタイルは、何ですか?
あなたは人を動かすとき、何に心がけていますか?
他者に、自分のリーダーシップスタイルを語ってみませんか?
今週も一週間、頑張りましょう!
そして人生はつづく
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