NAKAHARA-LAB.net

2006.9.16 07:38/ Jun

英語学習は、ダイエット、栓のない風呂に似てる?

 先日、某大手民間企業で英語教育のサービスを立ち上げている方々とのミーティングがあった。その中で、ある方がおっしゃっていた言葉がとっても印象的だった。
 —
 英語は、ダイエットと同じなんです。ビジネスモデル的にいえば、「失敗する参加者」によって成立しています。
 なぜ失敗するか?
 その要因のひとつは、習慣形成ができないからですよ。
 コツコツと地道に食事改善するのはつらい。だから人は、どこかに新しいダイエット法ができたときけば、そこにとびつく。それで失敗すると、また違う方法にとびつく。そうやって、いつまでたっても痩せられない。それと同じです。
 —
 ボイスレコーダをもっていたわけではないので、正確には覚えていないが、だいたいこんな内容だったように思う。
 これは僕の認識とほぼ同じである。
 僕も英語が苦手な一人ではあるけれど、第二言語として英語を使いこなせるようになる、ということは、「ある決まった学習目標を短期的にクリアする」というよりも、「長期的な習慣形成、行動変容をすること」に似ているような気がする。専門家ではないので無責任に言い放つけど。
 以前、日記で書いたけれども、僕がボストンに留学していた頃(すげー昔に感じるぞ・・・)、ある人に、こんな話を聞いたことがある。
 日本人にとっての英語っていうのは、「栓のないお風呂」に、水を入れているようなもの。蛇口から水をだすのをやめたとたんに、英語をすぐに忘れちゃう。
 英語はだからつらい。
 —
 仮にもし英語の克服が、長期の習慣形成にあるのだとしたら、これをいかにテクノロジで支援できるかっていう問題は、かなりチャレンジングな課題だと思う。
 そして、この技術は応用範囲がとっても広い。長期の習慣形成が必要なのは、糖尿病などの生活習慣病もそうだからね。
 なんか、「クリエィティブの神様」が降りてきそうな予感。
 つーか、週末は休みたいから、火曜日以降に来てくれ。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.7.9 08:06/ Jun

「ファスト化」する組織開発!? :組織開発は「カオナシ」になってはいけない!?

転勤で単身赴任するのは「パニッシュメント(罰)」か、何かか?

2024.7.3 08:04/ Jun

転勤で単身赴任するのは「パニッシュメント(罰)」か、何かか?

2024.7.1 08:16/ Jun

先行研究を調べるとは「マトリョーシカを開けつづけること」である!?

2024.6.28 08:25/ Jun

あなたのチームや職場はすでに「ピークアウト」して「劣化」の方向に向かっていませんか?

人材開発の仕事ってさ、〆切いつなの?  期限はないの? : 事業部から人材開発部署に異動したときに必要な「学び直し」のこと!?

2024.6.27 08:28/ Jun

人材開発の仕事ってさ、〆切いつなの? 期限はないの? : 事業部から人材開発部署に異動したときに必要な「学び直し」のこと!?