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2006.6.8 09:51/ Jun

いろいろコンサルタント

 世の中にはいろんなコンサルタントがいる。悩みがあるところに、コンサルタントがいるといってもおかしくない。
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 先日、ある方から聞いた話では、「カフェ誘致コンサルタント」という職業もあるらしい。
 その方は、ある建物にカフェを誘致しようとしているのだが、「どのカフェを誘致すればいいのか」について、味、立地、客層、財務体質などをつかんだ上で、指南してくれるのだとか。
 いったんカフェを誘致してしまうと、あとで「しまった!」と思っても、なかなか店舗を変えることは難しい。しかも、万が一、その店がつぶれてしまった場合は、「あそこの立地は経営が難しい」という風評がたち、「よいカフェ」が次に入ってくれることはなくなるそうである。
 しかし、カフェ誘致コンサルタントなる職業が存在しているとは!
 「へー、そんなのもあるんだ」
 と素直に驚いてしまった。
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 また、ビジネスマン個人にファッション指南をするコンサルタントもいるらしい。いわゆる「できるビジネスマンに見えるようにする」ためには、どのような色のスーツをきて、どのようなネクタイをしめればよいのかを、パーソナル診断してくれるらしい。
 前にどこかで書いたかも知れないけど、「人は見た目でかなりの部分は決まる」。そうであるとするならば、多少の費用はかかっても、それを投資ととらえ、専門家に指南してもらうことは、長い目でみれば大きなリターンを生むはずである。
 ちなみに、あるコンサルタントが年間100万円で、ファッションコンサルタントを雇用した。彼女は、服、文房具、靴、ハンカチにいたるまで、コンサルタントの「指導」を一年間にわたってうけ、そのすべてを取り替えるハメになった。かかった費用は数百万円。
 しかし、その効果は・・・。今まで「地味」だと言われていた印象がかわり、飛躍的に売り上げがアップしたのだとか。一年で元をとったのだという。
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 シロウトが、いちから専門性や知識、経験をつんでいたのでは、なかなか追いつかない。そこで優秀なコンサルタントを雇用し、それらを「買う」ということになる。「勉強する時間」「長い時間をかけて身につけたセンス」を金でかっている、ということになるのかもしれない。
 もちろん、コンサルタントは、あくまで「コンサル(相談)」にのってくれる人をさす。実際に「やる」のは、コンサルタントを雇用したクライアントである。
 それでも、そばにブレインがいるかどうかは、非常に重要であろう。
 間違った方向にさえ進路をとらなければ、人は大方のことはなしとげられるような気もする。

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